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ハロウィンって自分に関係ないと思ってたけど、今年はイベントを開催してコスプレも飾りつけもやってみた、バーチャルSNSのclusterでね

人生で最も自分に無関係な季節イベントといえば、ハロウィンでした。

正直何をしたらいいのか分からないイベントだし、我が家ではいつもなんとなくニュースで見るだけで素通り。近年のハロウィンの盛り上がりは目にしつつ、この先ずっと関心も縁もないんだろうなと思っていました。

ところが! ところがですよ、clusterで「幸甚亭」なるバーチャル雑談バーをやり始めたら、ハロウィンという季節イベントを無視できなくなってしまったわけです。なぜなら、clusterがド派手な大規模イベントを誘致・開催したから。

26日から31日までの1週間、著名なアーティストのライブを中心に、何かしら大きなイベントがいくつもあると。「バーチャル渋谷」の注目のされ方からしても、けっこう多くの人がclusterにやってきそうだなという雰囲気。

僕も参加して楽しめそうでしたが、公式イベントだと自分のアバターが使えないのが少し気がかりに。せっかく仮装やコスプレと最強に相性のいいアバターを、よりにもよってハロウィンのイベントで披露できないなんて。

だったら自分でやればいいだろ!

ということで、「幸甚亭ハロウィン 2020」の開催が決定しました(↑のゴーストのアバターはかわいいので標準実装してほしい)。

延べ485人の来場という驚くべきハロウィン効果

古参ユーザーからしてもcluster過去最多の公式イベント、さらに有志ユーザーによるイベントもあり、特に10月31日のイベント数はものすごいことになっていました。

そういう状況になることは分かっていたんですが、幸甚亭ではあえてド直球の31日20時から24時まで、ささやかなイベントを開催することに。↓は3秒で作ったイベント用画像です。

clusterではユーザーが誰でもイベントを開催できます。通常ワールドとの違いは、公式サイトのイベント一覧に掲載されるのと、同一サーバーへの同接人数が増えること。

ただし、通常ワールドと違って管理者とスタッフ以外はカスタムアバターを使用できなくなるので、仮装パーティをやろうと思ったら希望者にスタッフ権限を付与する必要があります。スタッフはイベント情報を更新できるので、信頼できる人でないと権限付与しないほうがいいですね。

よりどりみどりのイベントがある中で、さあ幸甚亭では何をしようかと考えたところ、特に何もしないことにしました。企画や出し物みたいなものは準備せず、バーチャル空間でハロウィンを名目に集まりたい人の場になればいいやと思ったからです。

告知は10月頭から店内にポスターを貼っていたのみ。公開イベントにしたのは29日で、それまでは通常ワールドで開催するつもりでした。

店内はカボチャを飾りつけたりトラックを置いたり、少々のネタを仕込みながらハロウィン仕様に改装(自分のハロウィンアバターも作りました)。バーチャル空間だとこうしたことも簡単にできるので楽しいわけですが、僕はこのとき本当に生まれて初めてハロウィンの飾りつけをしました。よもや自分が、と感慨深いです。

イベント中はお願いしていないのに常連さんたちが乗り出して場を盛り上げてくれて、さらには店員側になって来場者をもてなしてくれるなど、ありがたい限りでした。ほかにもたくさん楽しげなイベントもありながら、幸甚亭にも来てくれたのは本当に嬉しい。これ以上うまく言葉にできない。

常連さんや以前に幸甚亭に来てくれたことのある人にはスタッフ権限を付与し、ハロウィンアバターを披露してもらいました。ハロウィンのために衣装を作った人も多く、とても個性的で華々しかったです。

トラックは倒せるようにしておき、来てくれたみんなと押し倒して記念撮影を。やっぱり最近のハロウィンといえばトラックの印象が強し。軽トラのアセットは見つけられず。

仰向けになって棺桶で眠る図。ちなみに、clusterでそういうモーションができるのではなく、仰向けになっているアバターを使用されています。

公式イベントによる集客の恩恵も受けつつ、「幸甚亭ハロウィン 2020」には延べ485人の方が来場してくれました(ユニークユーザー数ではなく、入り直しもたぶん計上)。想像以上の来場者数に驚き。

「幸甚亭ハロウィン 2020」は、ひとまずうまくいったかなという感想です。重ね重ね、参加してくれた皆さん、ありがとうございました。二次会も楽しかったですね。

参加者が自分で楽しもうとしてくれた

来場者数以上に、なにより参加してくれた人が自分から場を楽しんでくれたのが一番の幸いでした。

イベントというと主催者が企画を練り、幾多の困難を経て満を持して発表・披露する。そして、会場にやってきた人は目の前に出されたものを面白がる。これが通例で、提供する側と享受する側に線引きがされている場合が大半です。

バーチャル渋谷のイベントは(おそらく)すべてこの形でしたが、幸甚亭はその境界線を曖昧にして、来てくれた人が勝手に遊んでくれればいいなと考えていました。そのため、店内に仕掛けはあれど、特に企画を用意しなかったわけです。

※公式イベントにはclusterを知らない人に「まず使ってもらってよい体験をしてもらいたい」という意図があると思われるので、会場に来ただけで楽しめるエンタメを提供するのは真っ当な手法です。僕が担当者でもそうするでしょう。

今回、イベント中に常連さんが店内でいろんな遊びを発見・考案してくれました。それによって、初来店・新規ユーザーの人も楽しんでくれて、かつその遊びに参加しようとしてくれたのではと思います。

では、いったいなにゆえ「みずから楽しむ」が実現したのでしょうか。それはひとえに、普段からclusterで遊んでいるみんなが創意工夫の精神に満ちていて、どうやったらもっと楽しめるかという志向の持ち主ばかりだったからです。

いまのclusterにはそういう人がめちゃくちゃ多くて、アバターやワールド、アイテムだけでなく、遊び方までもを作り出そうとしていることには感銘を受けます。

隣室のトラックをなんとか頑張ってバーのほうに押し出すことに誰かが成功したらしい。思わずツッコんだ。トラックは突っ込んではいけない。

掴めるようにしておいたカボチャをVR勢(HMD利用)が持つと、自分の頭に被せられる(ように見える)ことが判明。なお、左側のカボチャタワーも登れることが発見された。

貫通できないはずの釜に入って血(のような液体)に浸るなど。ワールドやオブジェクトの仕様をハックして遊ぶ天才または変人が集うcluster。

というか、自分だけのアバターを1つ用意するにも「作る」必要があり、「楽しませてもらう」みたいな受け身だといまのところclusterを楽しむのが難しいかもしれません。動画や生放送を視聴するのとはまったく違う体験なので、その感覚を持ってやってくるとしんどそうですね。

バーチャルハロウィンをきっかけにまたclusterユーザーが増えそうですが、将来的には「みずから楽しむ」ができる人ばかりではなくなるでしょう。どんなサービスも成長すればそうなりますが、cluster社がみずから楽しめる人の数を増やし、あるいは維持しながらユーザー規模を拡大しようと踏ん張っているのは確かです。

そういう会社の理念、そしてユーザーの「みずから楽しむ」精神が好きなので、僕はclusterに惹かれています。

※ただ、ワールドを作っている身として大きめの懸念が1つあって、また別で書くかもしれないので詳述しませんが、ワールドやアバターを自作できない(しづらい)スマホユーザーが増えることで、何でも自作できる(しちゃう)PC/HMDユーザーと彼らの間で価値観の衝突が起きそうな気がします。

ところで幸甚亭の行方

さて、8月からclusterで幸甚亭を始めて、3か月弱が経ちました。水曜日と金曜日の週2営業ですが、おかげさまで総来店者数も2000人を超えたところ。

その3か月弱がなければイベントの成功もなかったわけで、じっくり文脈を作って関係性を伸ばしていくことは何をするにおいてもやっぱり大事だなと痛感しました。次の大きな季節イベントはクリスマスと年末年始ですが、自分でイベントをやるかどうかはさておき、幸甚亭は「ちょっと行こうかな」みたいな場として当面まったり続けていこうかなと思っています。

通常営業中の店内は静かなときもあれば騒がしいときもあり、とりあえず店内の改装をしたいんですが、今日も常連さんと初見さんが来てくれて感謝しきりです。

今回の記事では常連の方ばかりにフォーカスしてしまいましたが、最初は誰もが初対面でした(いやほんとに……Twitterとかリアルの知り合い、まったくいない)。なので、幸甚亭と謎部えむを初めて知った方でも気楽に来ていただければ幸甚の至りです。

clusterというサービスにしても、トラブルはあったもののバーチャルハロウィンを成功させ、11月1日にはバーチャル東京タワーも晴れてオープンしたことですし、ますます期待感が募りますね。

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謎部えむ
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