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書き始める前に! どんな流れにするか、構成を作ろう:書くこと講座(3)準備編

「これからnoteで書き始めたい人のための書くこと講座」の第3回、準備編です。目次だけ読めば要点を掴めます。

この講座は、「noteで記事を書きたい」と思いながらなかなか書き始められない、始めたけれど続けられなかった人のために作ったものです。具体的には下記に当てはまるような人に読んでもらえたらと考えています。

●書きたいという気持ちがある
●書きたいことがある程度決まっている
●noteを使ってみたい
●趣味の範囲や生活の一部として書き続けたい
●書いた経験が少なくて不安だらけ
●できれば書く力を伸ばしたい

すでに書き続けられている、商業メディアで書いている、noteでお金や影響力を稼ぎたいといった人には物足りない内容でしょう。それよりももっと初歩の部分、まず書くことの下地や土台となる力をつけたいときにどうぞ。

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さて、第3回はすらすら記事を書くために準備しておきたいアイデアメモ、調査、構成について解説します。

いざ記事を書き始めた人からよく聞かれる3つの悩みがありますが、あなたも次のような困った事態に見舞われた覚えがないでしょうか。

●考えや情報を整理できない
●記事の中身が薄い気がする
●書いている途中でまとまらなくなる

1つでも苦しいのに、2つ3つと重なると永遠に記事は完成しません。ですが、これらの悩みは実際に書き始める前にいくつかの準備をしておくことで、悠々と回避できます。

最初に頭に刻み込んでほしいのは、「記事を書く」という行為が「準備=内容を考える」と、「執筆=文章を書く」の2つの要素で成立していることです。すらすら記事を書ける人は、たいてい先に内容を考えておき、文章を書くのは別物として捉えています。要するに、執筆する段階で記事は半分以上完成しているのです。

ところが、書き慣れていない人は考えながら書く、つまり準備と執筆を同時にやろうとしてしまい、先の3つの悩みにぶつかってしまいます。ですので、この記事ではいかに準備することが大切かを訴え、3つの悩みの解決策をお伝えします。

村井弦さんの「文才の有無に関係なく、誰でもそれなりに整った文章を書くコツ」も参考になります。

考えや情報を整理できない→書く前にアイデアメモを作る

記事で伝えたいことがある、でも頭の中がぐちゃぐちゃで何から書いたらいいか分からない。あれもこれも大事だから書いておかないと……。

そんなふうになると、ぴたっと手が止まって記事を書けなくなってしまいます。そこで、執筆する前にアイデアメモを作ることをおすすめします。アイデアメモを作っておくと、記事で何を書くべきかが明確になります

※できれば紙のノートで作るとよいと思いますが、PCやスマホのメモ帳でも大丈夫です。紙のノートだと思考を文字にするのに時間がかかり、その間に自動的にアイデアがより練られます(オカルト)。僕も長めの記事を書くときは紙のノートでアイデアメモを作っています。

アイデアメモには、書こうとしているテーマや内容に関して、思いついているアイデアと調べた情報を少し整理しながら箇条書きで書き出します。また、メモを体の外にある脳として捉え、メモの上で考えながらアイデアを並べていきましょう。項目と項目に全然関連がなくても構いません。

ひととおりアイデアを出し終わってメモを見ると、各項目の前後の繋がりのなさや唐突な意見に面食らうはず。なので、近しい内容の項目同士をまとめていきます。いくつかのまとまりができると思いますので、その中で改めてアイデアを整理します。

すると、記事の中で何を書くべきなのかがはっきりと見えてくるでしょう。同時に、書かなくてもいいことも見えてきます。なお、このまとまりにつける題(タイトル)が、いわゆる見出しです(noteで書いているときに文字列を選択すると表示される「T」)。

このアイデアメモが手元にあると、思いついたことをいちいち覚えておかなくてよくなり、何を書けばいいのか迷わなくなります。「あれ?」と思ったらメモを見るだけです。

執筆するときは文章表現に頭を使いたいので、内容についてはできるだけ考えなくて済むよう、ぜひアイデアメモを作りましょう。

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アイデアメモの例として、第7回の実践編で取り上げる記事「eスポーツの価値、そしてeスポーツを自分の物語として編むために「書く」こと」のものを紹介します(僕は右のページから書くようにしているので右から見てください、文字の色は内容のまとまりを見やすくするためです)。

冒頭に記事のテーマがあります。右ページ中段までになぜこのテーマを取り上げるのかが書いてあり、そのあと「なぜeスポーツなのか」を考えています。左ページに移ると、結論(主張)として「書くこと」が出てきます。左下は後述する構成です。

ただ、このアイデアメモを作る前段階にかなり長くこのテーマについて考えてきたのと、僕はアイデア出し自体は頭の中でやるのに慣れているので、最初から節レベルのまとまりで書き出しています。慣れないうちはもっとカオスな状態から書き出すほうがいいですね。

記事の中身が薄い気がする→資料を調べ、「なぜ」の深堀りをする

アイデアメモを作ったはいいものの、なんだか記事の中身が薄い気がする。もう少し厚くて深い記事を書くにはどうしたら……?

この悩みを解決するには、書こうとしているテーマや内容について、2つの方向で調査することが有用です。

調査の1つ目は、アイデアメモを見ながら関連する資料を調べることです。記事や本、動画や漫画、有識者のTwitterをあたるほか、詳しい人に話を聞く、知り合いと議論するなど何でも構いません。自分の持つ知識と着想の幅を広げることでアイデアを補強できたり、新たに書くべきアイデアが生まれたりします。

資料にあたるのをめんどくさがる人もいると思いますが、書こうとしているのは自分が関心を持っているテーマのはずなので、きっと資料自体も楽しめるでしょう(その感想自体も記事のネタになります)。書き急ぐよりも、じっくり知識をつけておくことで今後もいろいろなネタを思いつくことができ、記事を書き続けられるようになります。

調査の2つ目は、自分の頭の中を探っていくことです。これには「5 Whys」という手法が有効です。アイデアメモの項目やまとまりに対し、「なぜ」と問いかけることで考えを深堀りしていきます。過去に具体的なやり方について記事を書いていますので、よければ参考にしてください。

→"浅い"と思われない記事を書くのに必要なことは「なぜ」の深掘り

また、書こうと思った動機や理由について「5 Whys」を試みるのも非常に効果的です。1つの出発点から「なぜ」を5回繰り返すので「5 Whys」といいますが、2回か3回でも充分です。

これら2つの調査によって、あなたのアイデアには厚みと深み──すなわち説得力と面白さが増すはずです。

書いている途中でまとまらなくなる→どんな順番で書くかの構成を作っておく

充実したアイデアメモを作って書き始めたけれど、どうしても途中でわけが分からなくなってしまう。伝えたいことをちゃんと書けているか分からず、最後まで書くのが難しくて諦めてしまった……。

その原因は、アイデアメモの各項目や各まとまりをどんな順番で書いていくかという流れを決めていなかったせいです。ここで言う流れとは論理展開のことで、これを明確に言語化したものは構成と呼ばれます。記事を最後まで書ききるには、事前に構成を作って論点を整理しておくことが不可欠です。

構成は記事の設計図であり指示書。記事のスタートからゴールまで、どうやって書いていくのかをあらかじめ決めておけば、常に理路整然と書くべきことを書いていけるようになるでしょう。

構成にはいろんなパターンがあります。最も分かりやすいのは科学論文の構成なので、参照しつつ取り組みやすいパターンを例示します。

(1)概要:何について、どんな事柄を、誰に向けて書くのかを提示する。
(2)結論:記事を通して主張したいことや伝えたいこと、分かったことを述べる。
(3)前提:その主張を理解するうえで知っておくべきことを説明する。
(4)根拠:なぜその主張が妥当なのか、理由や原因を解説する。

これはあくまで基本形です。実際に記事を書くときは冒頭に読者の興味を惹くこと(自分が面白いと感じたこと)を書いたほうがいいですし、結論は最初と最後に繰り返し書くほうがより理解してもらいやすいです。

構成力を身につけるには、自身でさまざまな記事を読み、面白いと思った記事や納得させられた記事を真似してみるのが一番です。

準備と執筆の工程を分ける

以上、記事を書いているときにぶつかることの多い3つの悩みを取り上げました。解決策はアイデアメモ、調査、構成です。記事を書く前に準備しておきましょう。

この記事の最初に述べましたが、くれぐれも「考えながら書く」「書きながら考える」は避けるべきです。面倒なように思えても、「記事を書く」には準備と執筆に分けて取り組むことが重要です。

【これからnoteで書き始めたい人のための書くこと講座】
(0)宣言編 ←講座の狙い、何が学べるかについて
(1)マインドセット編 ←書き始める前に身につけたい心構えについて
(2)目的編 ←書き続けるために必要な戦略について
(3)準備編 ←イマコレ!
(4)執筆編 ←いい感じの文章に見せるためのコツについて
(5)継続編 ←ネタ、時間、モチベーションについて
(6)承認編 ←多くの人に読まれるための工夫について
(7)実例編 ←実際にどうやって記事を書いているかについて

ここまで読んでいただき、ありがとうございます! もしよかったらスキやフォローをよろしくお願いします。