記事を書くときの不安、たいてい心配しすぎなだけ:書くこと講座(1)マインドセット編
「これからnoteで書き始めたい人のための書くこと講座」の第1回、マインドセット編です。目次だけ読めば要点を掴めます。
この講座は、「noteで記事を書きたい」と思いながらなかなか書き始められない、始めたけれど続けられなかった人のために作ったものです。具体的には下記に当てはまるような人に読んでもらえたらと考えています。
●書きたいという気持ちがある
●書きたいことがある程度決まっている
●noteを使ってみたい
●趣味の範囲や生活の一部として書き続けたい
●書いた経験が少なくて不安だらけ
●できれば書く力を伸ばしたい
すでに書き続けられている、商業メディアで書いている、noteでお金や影響力を稼ぎたいといった人には物足りない内容でしょう。それよりももっと初歩の部分、まず書くことの下地や土台となる力をつけたいときにどうぞ。
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さて、第1回は記事を書くうえで必要なマインドセットについて解説します。
マインドセットとは心構えのことであり、スキルセット(いい記事の書き方)よりはるかに大事です。適切なマインドセットを頭にインストールできていれば、当面はスキルセットを全然気にしなくて構いません。
記事を書くときに持っておきたいマインドセットは、実際に記事を書こうとするときに感じる下記のような不安にどう立ち向かうかに直結しています。
●文章力に自信がない
●誰かが同じことを書いているかも
●読まれなかったら悲しい
●短い記事のほうがいいの?
ほかにもあるかと思いますが、この記事では4つの重大なポイントを取り上げます。これらの不安を解消することで、記事を書くにあたって必要なマインドセットを習得できます。読み終わったあと、気がかりだったことが実は杞憂だったと感じていただければ幸いです。
※note公式の「noteで発信を楽しむために大切なこと」も参考になります。
文章力に自信がない→文章力はいらない
記事の面白さはテーマと内容で99%決まります。文章力はたったの1%にすぎず、これから書き始める人が気にすべきことではまったくありません。いままで書いたことがない、書く練習したこともない、それでも大丈夫です。
飾り気のない文章や稚拙な表現、少ない語彙、文法の破綻をみすみす露呈するのは恥ずかしいかもしれませんが、読む人はほとんど気にかけていません。それに、多少のみsや拙さは読んでる人は勝手に保管してくれす。
書いて読み、読んで書くを繰り返していたら、文章はいつの間にかうまくなっていきます。文章の巧拙よりも、書きたいことを見つけて、そのことについていろいろインプットしながらじっくり考え、自分のペースで書き続けましょう。
noteで記事を書き始めるために、文章力はいりません。箇条書きでも充分です。けっして「文章に自信はありませんが」と卑下して記事中に書く必要はありません。読む人は文章力ではなく内容に関心があります。
誰かが同じことを書いているかも→自分で発見したことを誇る
例えばあるゲームをプレイしていて、開発者が見つかりにくいように隠していたアイテムを発見したとき、心が湧き立って誰かに伝えたくなります。noteで記事を書こうと思い至るはずです。
「でも……」と、ある心配が頭によぎります。ほかの誰かがもう見つけてしまって、記事を書いているかもしれない。だったら、自分が書くことに意味なんてないのでは?
そんなことはまったくありません。ほかの誰かが同じことを書いていても、世間ではありふれた常識でも、あなたが自分の力でその発見に至ったことに自信を持つべきです。ぜひ記事を書きましょう。
その発見はゲーム内の隠しアイテムかもしれませんし、料理をおいしくするコツや友達との会話で知った豆知識、ちょっとした作業や家事を楽にするためのノウハウかもしれません。過去に誰が何を書いたかなんて気にせず、どんどん自分の発見を書いてください。
「誰々がもう書いてるよ」なんてコメントは無視。ほかの誰かも書いているということ自体が、あなたの発見をより価値あるものにします(誰も書いていない事柄もまた価値あることなので、どちらにしろ尊いのです)。
読まれなかったら悲しい→書き続けることが大事
せっかく書いた記事が誰にも読まれなかったら、ちょっと悲しくなります。読んでもらうために書いているのですから、それも当然。しかし、そこに落とし穴があります。
あなたはきっとnoteでアカウントを作ったばかり。フォロワーも少なくて、記事のストックもありません。そんな人の記事を誰が読みに来るでしょうか。TwitterやYouTubeなどほかのSNSのフォロワーも少なければなおさらです。(最初から)記事が読まれまくるという淡い期待がモチベーションになると、「なんだ、全然読まれないからやーめた」と長続きしません。
これは直視するのが辛い現実です。類稀なる破天荒な人生や誰も経験したことのない出来事に遭遇した人の体験談や、独自性に溢れ極めて有効なノウハウを紹介した記事なら1本目から広く読まれるかもしれませんが、そんな記事は簡単には書けません。
こう考えてみてください。書き始めていきなり記事がバズって何万PVを得たとしても、ほかの記事のストックがなければあなたに興味を持ってもらえる可能性は少ない、と。一過性のバズよりも、あなた自身やアカウント自体に関心を持ち、フォローしてもらうほうが嬉しいはず。
だから、記事を書き始めたばかりの人は読まれないこと前提に書き続けるしかないのです。それは、あなたの記事を同じ読者に末永く読み続けてもらう礎を作るためです。
モチベーションとしては、自分で自分を認めて褒めることが重要です。書こうと思ったテーマを見つけたこと、そしてそれを書ききったという事実を大切にしてください。自分のことや考え、発見について記事を書いている人は圧倒的少数派ですから。
「読まれたい」「認められたい」という承認欲求は無視しづらいかもしれません。ですが、それは書くことに慣れてきてから意識したほうが心を健全に保てます。たとえPVやスキが少なくても、1人の読者が読んでくれたこと、1つのスキがついたことに自信を持ちましょう。
逆に、もし炎上したら? よほど反社会的な内容でない限り、いっぱい読まれてラッキーくらいに受け止めておきましょう。コメントへの過剰反応は厳禁です。
短い記事のほうがいいの?→面白ければ長くても読まれる
書くためのスキルセットを解説する記事で、「短い記事にすることで最後まで読まれる可能性が高まります」といった主張がなされることがあります。これから書き始める人は、この主張を真に受けてはいけません。
※上記の主張は主に商業メディアで書く人を対象にしています。なぜなら、商業メディアでは読了率という指標(の高さ)が収益に強く影響する場合があるからです。しかし、内容の面白さではなく記事を短くすることで末尾までスクロールさせやすくするのは悪しき慣習以外の何でもありません。
これが嘘だとは言いませんが、長い記事でも内容が面白ければ最後まで読まれます。最後まで読まれないのは読む人にとって記事が面白くないからです。ただし、初めて書く人にとっては「他人にとって面白いであろう記事」よりも、「自分が面白いと思える記事」を書くことのほうが大切です。
またもちろん、あなたが書く記事は文字数の多さ(長短)を意識する必要はありません。読了率を気にするよりも、いま書いている1本に全身全霊を注ぎ込んだほうが面白くなる可能性も最後まで読まれる可能性も高くなります。その結果として長くなるのならそれで構いませんし、あるいは短く詰め込んでみるのもよいことです。
中途半端に書くことは、あなたの書く力の成長を妨げます。時には力を抜いて流して書くことも楽しいですが!
マインドセットが整えば万事OK
以上、主たる4つのポイントを取り上げ、記事を書くために必要なマインドセットについて解説しました。
これらの不安は記事を書こうとする人を縛る呪いと同じです。その呪いは往々にして他人の眼差しを意識した途端に生じます。そして書き始めづらくなってしまうのです。まずは自分の内側に目を向け、読者のことは頭の片隅に意識しておくだけにするほうが賢明です。
ほかの不安や呪いは、基本的にはこの4つのポイントから延長して捉えることで解消できると思います。この第1回の記事が解呪の祈りにならんことを。
「書きたい」というあなたの気持ちを大切に第一歩を踏み出してみてください。
【これからnoteで書き始めたい人のための書くこと講座】
(0)宣言編 ←講座の狙い、何が学べるかについて
(1)マインドセット編 ←イマコレ!
(2)目的編 ←書き続けるために必要な戦略について
(3)準備編 ←決めておくとすらすら書ける手法について
(4)執筆編 ←いい感じの文章に見せるためのコツについて
(5)継続編 ←ネタ、時間、モチベーションについて
(6)承認編 ←多くの人に読まれるための工夫について
(7)実例編 ←実際にどうやって記事を書いているかについて