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#川上弘美

2024.1.4『ぼくの死体をよろしくたのむ』川上弘美

18作品からなる短篇集。予備知識も何もなく初めて飛び込んだ川上弘美の世界観は、ひとことで言うと「浮遊感」だった。現実と非現実の境をふわふわしていて、登場人物がはっきりとしない物言いで展開する話が、妙に心地よく感じていた。ただ、そのはっきりしない部分が作品の魅力を引き立てているようにも思う。読者の感受性や想像力に委ねているような、ヒントのようなキーワードを適度に散りばめているからこそ逆にのめり込んで

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