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nasky
2024年3月8日 17:11
愛情に真っ直ぐ生きる肉子ちゃんの姿に、心を打たれるばかりの作品だった。自分への愛、他人への愛。あらゆる方向に真っ直ぐ走る愛情は、否応無しに多くの人の心を揺さぶる。誰に対しても等しく、正直に生きる肉子ちゃんが眩しく感じるとともに、弱冠11歳にして自らの境遇を認識しながら、ずる賢い自分がこのままでいいか、迷いながら生きていくキクりんにも共感できる点が多く感じた。また、彼女らが暮らす港町の人たち
2024年1月21日 13:02
自分ではどうにも出来ないことが、世界には多くある。その渦中にいてもいなくても、自分の力だけでは変えることができないもので、この世界は埋め尽くされている。その不条理が生み出す悲劇のひとつひとつに目を向けて、おおよそ等しく感情を揺らすことは私にはできないが、聡明で繊細なアイは、自らの存在と照らし続けてきたのだと思う。「この世界にアイは存在しません。」作中で呪文の様に何度も繰り返されるこのフレー