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DLC:焦熱の海辺 が好きになれなかった話【Horizon Forbidden West】

Forbidden West本編~DLC結末までのネタバレを含みます。
一応の配慮として話題の区切りごとに目次を付け、本題に関係ないアーロイのスクショを貼っておく。

この記事ではポリコレ・ルッキズムに関する批判はしない。セクシュアリティには多少言及するが、私が本質的に問題視しているのはそこではない。



DLC雑なあらすじ

明言はされていないが、Forbidden Westからそれほど時間は空いていないと思われる。

ファー・ゼニスの男性で宇宙開発の権威・ロンドラ氏が密かに生き残っていることが判明。ロンドラが拠点としている焦熱の海辺(=ロサンゼルス)に赴くアーロイ。
そこでクエン国の女性・セイカと出会い、利害の一致から共闘する。
アーロイとセイカは互いを認めつつも、互いが何かを隠していることに気付いている。すれ違い・衝突しながら、2人はロンドラを追い詰めるべく情熱の浜辺を調査していくのであった。

Forbidden West未プレイの方向け雑な解説
○ファー・ゼニス…古の時代にテッド・ファロのやらかしで地球ヤバい!ってなった時、宇宙船で地球から脱出した人達。なんやかんやあって地球に再侵略してきた。

○クエン国…アーロイ達が住む大陸とは別の大陸にある国。食糧危機に瀕しており、古の知識を求めて遠路はるばる調査に来た。文明的・宗教的な考えを持つ。

お手!



プレイ中の違和感

最初に状況を整理しておきたい。

アーロイの目的にとってセイカの同行は必須ではない
セイカが情熱の浜辺に詳しいだとか、ロンドラと内通しているだとか、そういう同行すべき事情も特にない。
アーロイは正義感が強くお人好しな一面もあるため、クエン国の人々に手を貸したいとは思っているだろう。しかしセイカと意見が衝突して先に進まないのであれば、アーロイは1人でロンドラを倒しに行ってついでにクエン国の事情も解決すればいい。なんならサイドクエストでは大体そうしている。

だからこそ、中盤にてセイカが離脱しようとした際に、絶対にセイカを説得して同行しなければならない、と描写されたことには強い違和感があった。

比較したいのは、Forbidden Westでアーロイがベータを説得したシーン。あの時は「ベータが協力しないと成立しない計画」があった。だからアーロイは(裏で悪態をつきながら)一生懸命ベータを説得した。
だがセイカとは、協力しなければならない理由が無い。
であれば、アーロイなら「セイカの協力が得られないのは残念だが、ネメシスがいつ攻めてくるともわからない以上、ロンドラへの対処が最優先だ」と考えるのではないだろうか。これまで描かれてきたアーロイは、世界を救う使命を何よりも優先する、勇敢で時に危うい女性ではなかったか。

ここからは肌感覚的な話になるが、セイカへの態度も妙だった。前提として、アーロイはオセラムのペトラやカージャのタラナー、今回のセイカのような「自立して戦う女性」とは気が合う傾向にある。だから、打ち解けること自体は不自然ではないのだが、それにしても「あれ…?」と思うことが多かった。
アーロイが不自然なほどに親しげなのだ。微笑む・寄り添う・触れ合う・軽口を言い合う。あなたのアーロイのイメージにそんな姿はありますか?私はありません。
でも焦熱の海辺にはあります。

おすわり!



結末

セイカ「私が一緒にいたい人は、アーロイだ」

まさかの告白エンドである。


返事は選択できるので、私は告白を断った。アーロイならそうすると思ったからだ。断ると、2人は良いお友達で終わる。

告白を受け入れた場合、2人は幸せなキスをしてお互いのことを忘れないと誓い合い、それぞれの道を歩き出すことになる。(=以下、恋人エンドと表現する)


恋人エンドを見て思ったことが2つある。

①これ、Horizon3での整合性どうするの?
ネメシスとの戦いというHorizon3作ります宣言があるので、Horizon3は出るものとする。
仮にアーロイに恋人がいる事実を正史とした場合、DLCを買っていないプレイヤーや告白を断ったプレイヤーにとってのアーロイとは今後必然的にズレが生じる。if扱いにでもするのだろうか


②恋人エンドを先に決めてからシナリオ作っただろ

私が1番文句を言いたいのはここである。本題までに1500文字近く使ってしまった。

最初に述べた「本質的に問題視していること」は「セイカと結ばれる結末ありきで作られたシナリオ」だ。
アーロイの不自然な思考や行動にも、恋人エンド前提とすると辻褄が合う。あくまで憶測にすぎないが。

最後にセイカと結ばれなければならないから、セイカに対しては親愛の情を抱いている必要がある。「アーロイにはセイカと協力しなければならない理由がない」と書いたが、実は理由があったのだ。アーロイにではなく、制作陣に。

アーロイは異端児として育ち、子どもの頃から同じ部族の民にさえ迫害されてきた。唯一の味方だった育ての親も既にこの世にいない。そして、アーロイは普通の人間ではない。そのバックグラウンドゆえに、世界を救う使命をひとりで背負ってしまった
そんな「誰にも理解できない孤独を抱えるアーロイが、誰かを好きになること」の重みに足る描写があっただろうか?
アーロイがセイカに心から惹かれる理由、時には使命よりもセイカの存在を優先したい理由があっただろうか?

私はそう思えなかった。
だから私はこのDLCを好きになれなかった。


まとめ

まとめることも特にない。困ったな。
Zero Dawn・凍てついた大地→Forbidden Westは絶対に買う!という熱量でいられたのだが、Horizon3は少し様子見しようと思っている。
具体的には、万が一今回改変されたアーロイ像が正史扱いになっていたら買わないでおこう、と思う。


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