祝50周年!読書好き女子がおすすめする文春文庫の本〜2023文春文庫 秋100ベストセレクション〜
文春文庫が創刊から50周年を迎え、周年企画として人気の本に限定のダブルカバーをかけたものが発刊されています。今しか買えない特別バージョンの名作たちをぜひチェックしてください!
さらに、併せて「2023文春文庫 秋100ベストセレクション」も開催中。今回はこの2つの企画でピックアップされている本の中からおすすめの本を紹介していきます!
「旅をする木」 星野道夫
アラスカを愛したカメラマンによるエッセイです。自然への思いや、旅から得られるものが綴られていて、自分ではできない経験を追体験しているような気分になれます。
クマについて書いた驚きの話もいくつか入っているのですが、星野さんがヒグマに襲われて亡くなったことを知った上で読むと、いろんな気持ちが湧いてきます。
「旅をする木」については読書感想文も書いているので、よかったら覗いて行ってください。
「クライマーズ・ハイ」 横山秀夫
昭和の日本を舞台にしたお仕事小説です。500人もの乗客を乗せたジャンボ機が群馬の山中に墜落。インターネットもスマホもない時代に、人が立ち入ることのできない深い山に登り、身を削って情報を伝えていた新聞記者たちを題材にしています。実際に起こった事故をそのまま物語に落とし込んでいる作品なので、次々に起こる衝撃的な事実がとても重く感じました。
「十二人の死にたい子どもたち」 冲方丁
死を望む子どもたち12人が廃病院に集まり、集団自殺を試みる物語。しかし、集合場所にはなぜか13人目の子どもがいました。サスペンスとミステリが入り混じったような雰囲気で、クローズドサークル的な側面もあります。実力派若手俳優をたくさん使って実写映画化もされているので、そちらもぜひ。
「カラフル」 森絵都
青春小説の代表格ではないでしょうか。「涙なしには読めない」という言葉はあまり使いたくないのですが、涙なしには読めない本です。生きるのがしんどいなと思った時ほど読みたい。そして、できれば子供のうちに出会っておきたい本です。
「出会いなおし」 森絵都
人の出会いと別れを描いた短編集です。「カラフル」は少年少女に読んでほしい物語ですが、こちらは大人にこそ刺さるかも。自分の経験を掘り起こされるようなエピソードが散りばめられていて、過去に思いを馳せてしまいます。
「インシテミル」 米澤穂信
怪しいバイトに参加した主人公が恐ろしい7日間を過ごすことになるクローズドサークルミステリです。私がクローズドサークルものにハマるきっかけになった作品で、何回も読み返しています。これは本当におもしろい!犯人当てゲームが好きな人はハマると思います。
「池袋ウエストゲートパーク」 石田衣良
ドラマ化もアニメ化もされているので、知名度はかなり高い作品だと思います。連載時に話題になった事件や物事を題材にしたストーリーになっていて、いつ読んでも新しさがあります。今も新刊が出続けているので、ハマると長く楽しめる作品です。
「極夜行前」 角幡唯介
極夜の時期に1人で北極を旅するという大冒険を決意した冒険家が、本番に向けてどんな準備をしたのかを綴ったノンフィクションエッセイ。すごいとしか言えない出来事の連続に震えました。何が起こるかわからない場所を、あえて不便なやり方で旅をする冒険家という人種は、簡単には理解できなくておもしろいです。
これだけでも十分楽しめる作品ですが、せっかくなら実際の旅の記録である「極夜行」も一緒に読んでほしいです。
「働く男」 星野源
星野源さんの超多忙な生活を綴ったエッセイです。音楽家であり、俳優であり、文筆家でもある星野源さん。才能が…!才能がすごい…!と思いながら読みました。文章がとてもおもしろいので、読んでいて楽しいです。
「火花」 又吉直樹
ピースの又吉さんの芥川賞受賞作です。芸人を題材にした中編で、鬱屈とした雰囲気ではありますが、それがクセになる。心に残る1冊です。人を笑わせる仕事って、音楽家や芸術家や役者とはまた違った難しさとおもしろさがあるんだろうなと思いました。
最後に
文春文庫創刊50周年おめでとうございます!
今回は実際に私が読んでおもしろかった本を紹介しました。まだまだ読んでみたい本がたくさんあるので、私も企画の小冊子を片手に文庫本コーナーをうろうろしようと思います。
これからも文春文庫が末永く続いてくれますように!
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