博士課程の総合演習クラス/諏訪敦彦氏の映画を見てなど

2010-06-10 08:47:14

昨夜夕方6時から7時半までの比較地域文化総合演習は博士課程で一番厳しい授業なのだろう!各自、博論のアウトラインを提示して、つまり課題と方法から各章の中身までーー。先行研究リストなど。

昨夜はタイからの留学生が「タイの若者におけるジャパナイジェイション」について発表した。台湾からの留学生のUさんも含め日本語できちんと論稿を書き発表されている。果たして日本人の院生が英語でこのようにきちんと書いて発表できるだろうか?彼女たちの優秀さがうかがわれる。ワタシの日本語は大丈夫なのだろうか?と気になりだしてきた。

ジャパナイゼーションに対しては台湾などに詳しい赤嶺先生などがすぐ批判の声をあげた。それはすでに文化汚染ではないか、と。それとハイブリディティーの語が興味深いと思った。ハイブリディティーは一般大衆に近い物が多いようだ。つまり富裕層はオリジナルを求め、それ以下の階層が質の落ちる商品として、日本製品の亜流的なものなどを商品化する、という。

宗教的なフィルターはどうか?民族性は?しかし彼女は都市と地方の大学を中心にアンケートとインタビューにより、タイのポップ文化の日本化をまとめる予定のようだ!拍手!

グローバリゼーションの波、の中で日本のポップ・カルチャーのアジアへの参入の波は高そうだが、(これはおかしい表現?波が高いというのは勢いがあるということで使用したが、波が低くて参入し易いということになるのかもしれない。国語力の弱さ?)。一昔前の日本化なりアメリカナイゼーションが気になってもいた。沖縄のジャパナイゼーション?アメリカナイゼーション?の歴史とアジアの現況?ポップカルチャとライフスタイルが若者の中でどう変容があるのか、は確かに面白そうであるーー。アジアが近い!しかし根にあるアジア各国独自のアイデンティティーはどうなのか?気になるところもありーーー。

7時から昨日に続き諏訪監督の映画が法文一階で上映予定で7時には教室から出たかったが、結局最後までいて、映画を少し遅れて見た。「M/other」は1999年の作品。レストランを経営する男とデザイン会社に勤める女の同棲生活、そこへ元妻が交通事故にあって8歳の息子がやってきた、という物語。自由で束縛されない男女の同棲の姿から、男と女の本音や葛藤は垣間見れた。母を生きることの日常の猥雑さと、執着。確かに明日は何を料理しょうか、と考えることすら恐ろしく憂鬱な日々を思い出す。

子育ては二度子供時代を体験できる、と考えた方がいいと今は振り返って思うのだが、自由で束縛されないという関係がありえるのか?ないーーー。一人にしないでくれよ、と男は繰り返して言う。孤独と疎外から逃れたい。何がどれほど耐え得ないのか?耐え得るのか?

今ワタシハ個人幻想の産物である作品や研究論文や一冊の本もいいが、それより一番、人と人の感情の交流、愛し合える対の幻想をどう生き得るか、生き得たかに興味ある。だから独身で研究や教育などという女性にあまり興味はない。(と書くと差別と偏見になってしまう。実際、周りで独身で優秀な論文や文献を書かれている女性たちもいる。彼女たちへの関心は否定できない。しかし例えば、対の関係を同棲なりレズビアンなりで総体として生きながら研究し本の出版をやっている海外のフェミニストの方に接触すると、沖縄の女性たちは疎外されているのではないだろうか、と考えてしまう。自縛の中に生かされているような気がしている。)人間との関係が一番スリルがあり、面白くシンドイ。命を生み出すことは愛がなくてもSEXがあれば誕生する。そして生み出された人間は魂を持っている。だからSEXの愛の深さが、後で刃になって詰問される。産み落とした存在からーー。愛とは?永遠のテーマーー。【愛されたけど恐怖の愛だったね、と子供に言われる事もある。保育園は監獄だったとも!】

ワタシ自身が偽善/欺瞞を生きてきた、という思いもあり、人間は悲しい存在ーー。しかし、監督の女性美への視点が、お尻のラインにあるのらしいエロスは興味深かった。女性はスラックスをはき、監督が背後から彼女のお尻を追いかける目線は女性的なものの象徴が、女性が子供を育むお腹、腰、そして尻に視線が集中する!そこはなるほど、と思ったーー。

陶芸家は女性のお尻をイメージして土をこねているのではないか?などと詩人が以前言っていたことが気になってきた。なるほどーー。すべてがエロスに収斂するイメージは、エロスとタナトスの中で生きている、生かされているという人間の存在ゆえか?
関係のありようは常にテーマとして面白いと言えよう。

諏訪監督は執拗に男女の関係の淵を追求しているようだ!壊れていく関係、修復する関係!人と人の自由な関係のありよう?

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ところで 諏訪敦彦監督の「映画は世界を創る」の講演会がある。6月5日、琉球大学
法文学部、14時から18時、法文新棟112教室:映画『不完全な二人』上映の後に監督の講演とQ&A!聴き手:奥間勝也(琉球大学大学院)/翻訳プロジェクトの後で参加したい!
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(これは6月3日UPしたのを再びUP)

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nasaki
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