紅茶を蔑ろにする人に碌な奴は居ない(相棒Season20-10 感想)
はじめに
お外でもこの注ぎ方やってるのじわじわ来る。
相棒Season20-10「紅茶のおいしい喫茶店」感想です。
今回のテーマは「紅茶」と「詐欺」。シーズンに1回は入って来る、詐欺事件を追うお話でした。
詐欺グループへの張り込みが人手不足ということで協力を要請された特命係。張り込みのため、店主・真鍋の協力のもと一時的に喫茶店で働くことに。
張り込みの過程で、本命である詐欺グループのメンバー男女2人が来店。尾行を試みるも、突然客に「紅茶に髪の毛が入っている」とクレームを入れられ、逃げられる……。
この時点で「まずこの客はクロだろう」ということは丸わかりでした。ただそうなると、右京さんたちが警察だと知っていて来店していることになり、それを知っている人物と言えば真鍋さん……? と、今回は真相(詐欺グループの主犯)自体は非常に分かりやすいものでした。
一方で。右京たちの素性など知らず、詐欺グループのメンバー男女2人……の男の方を追っていた人物が1人。かつて詐欺に遭い、それの救済を騙った弁護士風の男に再度騙され、夫が自殺した……という経歴を持つ、大杉瑞枝。生い先短く、夫を失い生きる希望も見出せなかった彼女が生きる糧としたのは、詐欺師への復讐心でした。
彼女はとうとう、詐欺師(鷲尾)を手にかけることに成功……したかに思われましたが、実際には彼女が手にかける前に鷲尾は息絶えていた。彼女の罪は殺人ではなく、恐らく死体損壊で済んでいたのです。
鷲尾をその相方である女・赤堀に殺させ、その赤堀すらも始末していた首謀者・真鍋。彼は始末の過程で、右京さんが淹れた紅茶を犯行に用いました。彼が真鍋の水筒に入れた紅茶に毒を混ぜ、赤堀に飲ませていたのです。
そりゃあ右京さんも激おこですよ。
作中ではそもそもの詐欺事件の悪質さ、手下を平気で始末する残忍さ、真相を見抜かれても開き直る悪辣さといった部分に怒っていましたが、絶対右京さん自分の紅茶を凶器にされた事にも怒ってるよ。
長年捕まらなかった詐欺の主犯が捕まったそもそもの理由も、紅茶に対する知識が薄かったからというもの。
途中、ゴールデンチップスという紅茶の銘柄に反応する等、紅茶に対する造詣が深い部分を見せた瑞枝さんとの綺麗な対比となっていました。
最後のシーンは、全てを終えた右京さんたちが、執行猶予中の瑞枝さんに紅茶を淹れるというもの。
夫はいなくなり、殺したかった詐欺グループは全て片付き。ドス黒い形ではあったものの、今度こそ生きる理由を失っていた瑞枝さんに対して「お茶飲み友達にならないか」と提案する右京さん。
右京さんもまた、自分と趣味が合う人……というか、語り合えるほどに博識な人は、大体逮捕されている事が多く。(Season2-7「消えた死体」、Season12-13「右京さんの友達」など)瑞枝さんの自殺を止めたいという意味でもあったのでしょうが、右京さんにとっても貴重な友人が出来たという、非常に心温まる話でした。
最後に
次回の正月SP、脚本がSeason10-正月SP「ピエロ」等を担当した人のようで。期待して来年を待ちます。
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