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過去の亡霊(相棒Season20-8 感想)

はじめに

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いやこっわ。

2週間ぶりです。相棒Season20-8「操り人形」の感想になります。
今回のテーマは「操る」「過去」。そして、かなり苦い後味となるタイプの事件となりました。

約50年前。岡田という学生運動の活動家と、彼と仲が良い人形劇団の間で起きたイザコザ。
岡田は劇団メンバーでありマドンナ的存在だったであろう田中美鈴を強姦し、それを知った劇団メンバー・梶原が岡田を殺害。埋めた死体は、50年の時を経て白骨死体となり地上へ。

田中が身籠ってしまった岡田の子供・健太。堕ろすわけにもいかず産む決断をしたものの……。
荒んだ生活を送っていた健太は、梶原が自身の会社で雇うことで生活を保障されていました。しかし、白骨死体が見つかったことで事態は急変。
梶原は、健太の顔がかつて殺した岡田の顔に見えるようになり、岡田の「亡霊」に怯えた彼は、健太を殺そうとまでして、結果返り討ちに。健太を通じて岡田の亡霊が梶原の命を奪うという、悲惨な結末を辿ることに。

今回の事件では、救われた人間は誰もいません。
梶原は命を落とし。健太は殺人犯になり。田中と、彼女を守っていた劇団員の藤島は事件の真相に苦しめられる。
けれども、杉下右京は真実を告げる。残酷で、かつこの事件の核心に至る真実を。

一番悲惨なのは健太ですかね。荒んだ生活を送って警察のお世話になった事があること自体は彼の自業自得ですが、その後は梶原に雇われて真っ当に生きようとしていた筈です。
それなのに、彼からしたらワケも分からない理由で殺されかけて、どうにかしようとしたら殺人犯になった。
ここで彼が自首をすれば、正当防衛になり得たかも知れない……というのはあくまで大局の目線。彼にとっての言い分は「『亡霊が見える』と言われながら襲われたので抵抗したら死んでいた」……とても裁判で通じるとは思えません。まして彼は前科持ちなのですから。

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金田一少年の事件簿にて、こんな台詞がありました。
そうなんですよね。今回の事件の発端に関しては、健太自身に咎は一切ない筈でした。ただ、梶原が亡霊に怯えていただけ。
とはいえ、時効とはいえ実際に人を殺してしまっている梶原に、怯えるなというのも無茶な話で。

「死せる孔明、生ける仲達を走らす」……なんて言いますが、岡田は孔明でも何でもないロクデナシ。それでもなお、現代に生きる人たちを苦しめるのですから、えげつないもので。
実に、相棒「らしい」お話でした。


最後に。

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そうはならんやろ。

オカルト回と言えば、Season7-13「超能力少年」を思い出します。
今回はどういう仕掛けなのか、はたまた本当にオカルトか……?

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