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どうなる?高騰する東京オリンピックの宿泊事情

ついに、2020年になりました。観光産業において、いや多くの日本国民において、楽しみにしているイベントの一つは「東京オリンピック・パラリンピック」であることは間違いないでしょう。
人によっては、東京オリンピック・パラリンピックのチケットが当選し、当日を待ちわびている人たちも多くいることと思います。首都圏在住者だけではなく、関西圏、九州圏など多くのエリアから観光客が訪れることになると思います。もちろん、国内だけではなく海外からも多くの観光客が訪れます。観光客だけではなく、海外のメディア・スポーツ関係者・政治家など来日することが予想されます。

東京オリンピック:7月24日(金)〜8月9日(金)
東京パラリンピック:8月25日(火)〜9月6日(日)

そんなオリンピックまで残り半年間となった中、以前から危惧されているのが開催期間中の宿泊問題です。特に人がごった返すであろう開会式が行われる7/24(金)に注目して宿泊予約サイトで料金を調べてみました。
※ちなみに、知らない人も多いかもしれませんが、7/23(木)〜7/26(日)まで日本では4連休のようです。海の日と体育の日の祝日が移動するようです。

■楽天トラベルの場合

調べたところ、開会式当日は、通常1万円(1泊・1名)前後で泊まれるようなビジネスホテルが、1泊1名平均3万円以上と高騰しています。ホテルによっては、10万円、20万円のホテルも多く「料金の高い順」で調べてみると、11平米のビジネスホテルが30万円以上で販売されています。

■じゃらんの場合

じゃらんでも、楽天トラベルと相場は同様。通常のビジネスホテルが最低でも2.5万円〜3万円で販売しているのが見受けられます。

■トリバゴの場合

大大的にテレビ広告をして瞬く間に広がった、「ホテル料金を比較するサービス:トリバゴ(trivago)」では、地図検索で調べてみました。通常の2倍以上で値段となっていることは一目瞭然です。平均が約3.5万円、10万円以上も多くあります。

■その他、大手ビジネスホテルチェーン

上記のようなサイトには掲載されていない、大手ビジネスホテルを少し調べたところ、東横インではほぼ通常通り1万円前後(そのため、ほぼ満室)であり、スーパーホテルは、現在のところ6月末までしか予約ができない状態でした。東横インさんは良心的で好感を持ちました。

■宿泊業界に広まったダイナミックプライシング

宿泊業界はいち早く、ダイナミックプライシングという考え方が定着してきた産業です。ダイナミックプライシングとは、「市場の需要によって価格が変動する価格戦略」であり、飛行機業界がわかりやすいですね。

需要が高いタイミング(夏休みや土日など繁忙期)では高く販売し、需要が低いタイミングでは安くするという手法です。そうすることで、収益の最大化を図ることができるのです。そのため、「レベニューマネジメント」と言われることも多くなりました。同じ商品(部屋)でも金額が変わるため、定価という概念がなくなるわけです。

このモデルを採用し、成長を続けるのがアパホテルです。近隣のホテルの稼働率や価格帯、大型イベントの有無などはもちろん、天候や交通事情なども鑑みるシステムがあるようです。ほぼリアルタイムに価格が変動していると聴いたこともあります。アパホテルが通常期間でも3万円ぐらいする価格を見たことある人は多いのではないでしょうか。

売上最大化を図るためのレベニューマネジメントも重要ですが、あまりにも高額で提供をすることは、ブランドイメージ毀損にもなりえます。この東京オリンピック期間中は、「レベニューマネジメントとブランドマネジメントの折合い」を慎重に進めていく必要があることは言うまでもありません。

■どうなる?東京オリンピック2020の宿泊事情

1泊3万円前後というのは一般生活者にとって、それなりに高額です。今後、ますます高騰することが予想されます。メトロエンジンリサーチによると、東京23区には宿泊施設が1,646、客室数にして188,715部屋という調査結果(2019年1月)もあります。新国立競技場の収容人数のみで最大6万人と考えると、決して客室数は多いわけではありません。

カプセルホテル、漫画喫茶、深夜営業しているスーパー銭湯に当日流れ込み高騰化と入場制限が予想されます。宿泊キャパシティを超えた場合は、町にあふれる可能性もあります。

(すでに色々と対策は講じている可能性もありますが)オリンピック期間中の宿泊問題について、どのような対策を講じていくのかは検討を進めていく必要があるでしょう。

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