稔 第3回|蒲田のK子さん
高校時代は恋愛と呼べるような付き合いはなかった。男子高だったので、学校外に相手を求めて友達に女の子を紹介してもらったりしたが、その後の発展はなかった。周囲の友達が自信満々に見えて自己嫌悪になったり、実際知り合ったあとのプロセスを想像することもなく実行力に欠け、願望として「相手がいたらいいなあ」という程度の気持ちしかなかったのだろう。
転機は大学に入ってすぐに来た。ディスコで軟派した女性となりゆきで付き合うことになった。昭和48年頃のことである。第何期ディスコブームなのかよく