諧謔日記その25:あるあ・・・ねーよw(ある)

きのうは仙川にある音楽大学に潜入してきました。潜入っていうと悪いことしてるみたいだけど、ちゃんと正式な手続きを踏んで悪いことしてるので合法ですよ。そこに潜入するのは2回目だったのですが、これの1回目が本当に面白いくらい完璧にノーグッドで一生思い出して笑えるのでここでツイットさせてください。

たぶんもう8年くらい昔の話になるんですが、その大学の関係者が主要メンバーになっているらしい映画音楽をやるオーケストラのサークルかなんか(これは覚えてないんじゃなくてそもそもよく知らないだけです)でギターを担当していた友人がおりまして、その彼がリハーサルを都合上急遽お休みすることになってしまったので代役としてシンセを背負って現場へ赴くことになりました。ギターの代わりでシンセって何だよと思われそうですが、それはまぁリハトラ(リハーサルのエキストラ、縮めてリハトラといいます)だし、それらしい音が現場で鳴らせればみんな助かるだろうということで全然頷ける話だし、何よりオケに混じってシンセを弾けるなんてありがたいお話なわけです。
そんなわけでそのオケの主宰から諸連絡をもらうわけですが、練習が行われる場所と時間くらいしか情報がなく、タイムテーブルはないし抑々何の曲をやるのかもわからんし、参考音源や譜面のデータもないので、おやおや部外者を呼ぶのに随分テキトウなやつらなんやなぁと思ったのですが、まぁ私が知らんだけでオケの現場なんてそれがふつうなのかなって考えるしかないですし、とりあえず行けばなんとかなるっしょということで行くわけです。
オケがまるっと入ってもゆとりのある大きなスタジオに入ると学生と思しきやつらや何者なのかよくわかんねえようなやつらが各々あわただしく色々準備をしていた。ぼくも周りを見渡してジブンのいるべき場所を探す。キーボードスタンドか長机か、あるいはキーボードアンプか、それらと譜面台があればそこがジブンのいるべき場所であることは間違いない。が、そんなものはどこにもありませんでした。仕方ねえので準備をしていた指揮者に居場所を訊ね、あとはジブンで椅子と机と譜面台をそのへんから引っ張ってきて、事務局に行ってキーボードアンプと電源を貰ってきて、ようやく音を出す準備ができた。おそらく周りの団員に「ギターのトラでシンセが来る」とかいうことも伝わっていないのだろう。準備を助けてくれるような人は誰もいなかった。
で合奏が始まるんですが、そうなんですよ譜面がないんですよ。たぶんこの時点でもう帰って良かったんだろうなっていまだったら思うんですけど、当時は生真面目で馬鹿正直だった(というか駆け出しのガキという自覚があった)のでちゃんと宣言してギターの譜面を用意してもらうんです。合奏が始まって2時間くらいしたところで休憩を挟み、次いでギターに出番のある2曲の練習が始まり、おれは初見とは思えないくらい卒なく弾くわけだが、まぁそれができて当然の世界らしいので別に良かったとか良くなかったとか言われるわけでもないし「トラで来てくれた白石さんでした~」とか紹介されるわけでもなく、まるで雲が流れただけのようにおれの出番は終わった。その後の休憩の間に誰にも何も知らせずに勝手に帰りま~した☆彡
・・・えっこれどう思います?振り返っててキレそうになっちゃったし白石健気すぎて涙を誘いますね。けど当時はそういう運営面のゴミさ加減含め勉強になったなぁってほんきで感じることができていたと思います。事実、誰にも何のリアクションをされずともオケで弾けたことを心から楽しんでいたと思います。けどそれだけじゃダメでしたよね。だってこれ他人に何かやってもらう態度として適切な人がひとりもいないじゃないですか。仕事だろうが遊びだろうが人対人のコミュニケーションとして落第じゃないですか。人に対して愛やリスペクトがない人には怒りを顕にする必要があると、いまとなっては思うわけです。けど屹度こういうことが色々あったから「いま」が形作られているのでしょうし、そういう意味ではやっぱりいい経験だったんだろうなぁ。そういうことにしておかないと、ほんとうに無駄になってしまいますもんね。

こういう現場の「ヤババあるあるエピソード」みたいな話って、お金が発生するしないに関わらず、同業者の誰もがひとつやふたつ、みっつよっつくらいは携えているもんだと思います。身近に演奏家がいる方はぜひ聞いてみてください。たぶんみんな割とにこやかに楽しそうに語ってくれるよ。笑い話にしないと憤死しちゃうんだと思う。おれも持ちネタ色々あって笑いながら喋るけどぜったいに許さないと思ってるからねっ。
・・・っていう思い出のある仙川ですが、今回の潜入は仲間たちと楽しく3時間セッションしただけだから終始ハッピーでしたよ。また行くから今度はみんなで二郎食べ行こうね。今回はここまで。


いいなと思ったら応援しよう!