ホストに学ぶ、アウトリーチ面接
この記事でいちばん重要なところ。
アウトリーチ面接は今日私が考えたえた造語である。
●導入
包括で働くうえで、頻繁にあるのがアウトリーチ的な面談である。
例えば介護保険サービスであれば、本人なり、家族なりに介護保険を使いたいというモチベーションを持っている人がいることだろう。
アウトリーチの場合はそうでない場面が多い。
・近所の人から心配と情報が寄せられたから。
・虐待通報があったから。
・どう見てもヤバそうだから
そんなこっちの都合で、その人との関わりをスタートさせなければならない。
眼の前の高齢者は、なんで「ホウカツ」が来るのかもよくわからない。
そんな人と信頼関係を作らなければならい。アウトリーチに対応をするためには、信頼関係の形成が土台になるからだ。
ここで、相談援助のプロとして信頼関係を作る技術を磨く必要性がでてくる。
●ということでホストに習おう
はい、さっそく本編です。
今回の趣旨としてはツイッターに流れてきたホストの動画がなかなか勉強になったのでその共有をしたい、というnoteです。
↓参考動画
①質問をしない
アウトリーチであれば、僕達はどうしても情報が欲しくなる。
「食事はどうしているのだろう」
「病院は行っているのだろうか」
「家族はいるのだろうか。」
介護サービスを受けたい高齢者なら、必要性を伝えてアセスメントすればいい。が、アウトリーチであれば質問攻めはNGである。
だらか質問をしないことも重要である。
決めつけは良くない、と言うが、それが褒めならむしろ好印象になる。
「色黒だし健康そうっすよね。医者いらずじゃないっすか。」
みたいな。
「よくホストクラブいくの?」と聞いても
「ホストクラブ行ったらみんなにガっつかれそうだね」と言っても、
その後女の子とする会話は『ホストクラブに普段行くかどうか』ついてになる。しかしながら、それぞれの投げかけから女の子受ける印象は全く違う。会話の弾み方も違うだろう。
高齢者支援でも同様だと思う。
「病院いってます?」と聞いても
「元気そうだし、病院行っても医者が逃げ出すでしょ?」と言っても
それの後に続く会話は『健康状態と通院状況について』である。
しかし”ホーカツ”と名乗るわけわからん輩とおしゃべりしていて、会話が広がるのは圧倒的に後者だ。
(無論元気そうじゃない高齢者にこんなこと言ってはいいけない。)
②「次がある面談」にする。
ホスト体験中の俳優さんがホストさんに指摘を受けている場面だ。
アウトリーチで大切なのは、「次があること」である。
虐待ケースで事実確認をして、根掘り葉掘り聞き、アセスメントシートが埋まる。
私は大満足だ。上司にも基幹にも説明ができる。ただ、相手は不快感が貯まる。どう上手に聞かれても不快な印象は貯まるものだ。
そうすると、「もう来ないでくれ」となってしまう。
ホストさんもどうやら同様らしい。『無理に金を使わせまくった結果、二度と来なくなる、』を防ぐために相手の財布事情を確認して、無理をさせず長く通ってもらう。
翻ってアウトリーチもそこそこ聞いて相手への喜びと感謝を伝えること。
どんなに介入に拒否がある人でも、耳を傾けてくれた以上、本人の中では何か譲歩をしてくれているはずだ。
相手の”些細なご厚意”や”僅かな接待”を敏感に察しする事と、そこにしっかりとお礼を言う事が大事だ。
「お時間をいただいてありがとうございます。」
「元気な顔見れてよかったです。」
「玄関開けてくれてありがとうございます!」
喜びを伝えることで、次の訪問につなげる。
③前提の言葉を作ってから褒める。
他にも「根拠のある褒めをしよう」的なという話もある。
ここで参考にしたいのが、「ショートカットが似合う」という個人の感想を「ショートカットって可愛い子しか似合わない」と、第三者から見てもそうであるかのように視点をすり替えていることだ。
謎の説得力もあるし、褒めたときの「上から目線」感もない。
●終わりに
他にも面白いところがあったが、記事も無意味に長くするものアレなのでさっくりここで終わっておきます。
元動画はかなり面白いのだが、福祉業界の末席にいる人間としてはいろいろ考えてしまう部分もあったり。