お年寄りと話すのはめちゃくちゃ楽しい!
わたしの務めているデイサービスは一日大体25名のお年寄りと接する。
長い人生を生き抜いて来た人達と話しをするのは学びや気づきになるけれど、一番感じるのは愉しいという事。
わたしも昭和生まれだからかもしれないが、ユーモアが通じる。
他愛の無い大嘘に大袈裟に反応してくれる。
かと思えば、ぼそぼそっと喜びを漏らしてくれる。
家に帰れば一人だったり、家族が居ても話が出来ていなかったり、それぞれの事情があり、孤独感を持っている。
でも、わたしはそんなところまでは考えていない。
ただ素のままに会話を愉しんでいる。
わたしは天然パーマで長年ストレートヘアに憧れてきたけれど、新米のわたしを早めに覚えてもらえたのはこの頭のおかげ。
一人の方は「今日も綺麗ね!」と、顔じゃないけど、いつも!必ず!この天然パーマを褒めてくれる。
始めのうちは自分では好きな髪じゃなかったから、そーかなーって感じだったけれど、毎回言われるから嬉しくなっちゃって
最近では「イエーイ!」と心のままを伝えてる。
もちろん、この天然パーマを好きになったし、感謝している。
Oさんの事。(女性)
朝から大きな声でうがいを拒否。
歩行介助も拒否。お風呂も拒否。
不機嫌そうにむすっとして座る。
初めて会った時にはどう接したものかとビビッたし、近寄り難かった。
レクレーションでみんなが盛り上がってる中トイレに行くというので一緒に歩いていたら「騒がしいのは嫌い」とポツリと言う。
「ごめんね。確かに騒がしいよね。でも、たまにはしゃぐのも楽しいじゃないですか。」と返すと、小さい頃からお姉さんに静かにしているように厳しく言われてきたそう。
だから、はしゃぐことに罪悪感があるとの事。
お姉さんも親から厳しく言われてきた事がわかる。
そういう時代だったかも知れない。
言いたいことも隠し、心の中で思うことも許さないで来た。
「もうここでは大丈夫なんですよ」とわたし。
「だから、今やってる」とOさん
それがあのすべて拒否になっている。
自分の気持ちを表に出す事が、まず、拒否を言葉にする事だった。
理由なき反抗と見える裏側には深い理由があった。
午後のOさんは人が変わったように穏やか。
背後にある理由が分かると、短いデイサービスの時間の中で、自由を楽しもうとしているのが理解できる。
でも、やっぱりレクレーションを楽しむ事への罪悪感を外して欲しいし、コミニュケーションがうまく取れた時の幸福感を味わって貰いたい。
大きな世話かもしれない、自己満足かもだけど、お世話をするのがわたしの仕事だからね。
Iさんの事。(男性)
すぐにご機嫌が悪くなる。いつも腰が痛いからじゃないかと思う。
でも、朝お迎えに行った時に、元気に挨拶すると下を向きながらもニコッとしてくれる。
わたしはもうそれだけで嬉しい。
先日レクレーションで久しぶりに1等賞だった。
その時のリアクションの可愛い事!
嬉しそうで、恥ずかしそうで、一瞬ドヤ顔で。
いつもは1曲しか歌ってくれないカラオケも2曲歌ってくれた。
愛さずにはいられません。
わたしは吉村成美という名前。
わたしの事をいつも「吉永小百合さん」と呼ぶ方が居る。
「吉」一文字が同じだけ(笑)
わたしはもちろん「は~い」と返事する。
トイレ介助も「大きなおしりでごめんね」と言われると吹き出してしまう。
ここで飛び交う感謝の言葉は常に心底からの言葉だと思う。
お世辞や社交辞令とは違うフィーリング。
素直に頂戴して、いつもワクワクしている。
余り良い印象のない介護職だけれど、とっても素敵な仕事だと思う。
人類全員が経験しても良いのではないかとさえ思う。