「内部は大丈夫か」外寧必有内憂
外寧ければ必ず内の憂い有り
―外寧必有内憂―
[原文](十八史略)
外寧必有内憂。
[書き下し文]
外(ほか)寧(やす)ければ必ず内の憂い有り。
[原文の語訳]
外患が治まれば必ず内憂が起きる。
[解釈]
外敵に対しては一致団結しますが、安泰期となると内部で権力闘争や主導権争いが起きるということです。
創生期の苦しい時期を乗り越え、安定期に入ると気が緩み始めます。そういったところで綻びがでてくるのです。
組織として安定期に入ったら、トップは気を緩めることなく組織の再編成や見直し、新たな目標を明確にする必要があります。
できる人は内外ともに憂いを未然に防ぐことさえできますが、たいがいの人はまずはできてしまった外の憂いを取り除くことで精一杯になり、解決したことで安心してしまい、内の小さな憂いに気づかずに放置してしまうのです。
ライバル店の登場により無理をしてしまったことで、後から内輪で大きな反動が起きてしまうこともあります。
問題や課題が見つかっても、簡単に部下に任せるだけのトップは解決後には部下から大きな反発を受けるのです。
トップは外患に対する部下の言動をよく観察することで、適材適所を見分けることをしなくてはいけません。任せた人の報告だけを受けるだけでは人材育成はできません。