気持ちの整理がつかなくて
昨夜のことがまだ現実だと受け入れられなくて、
どうしたらいいのかも分からなくて、
思い出しては辛くなってを繰り返してて、
誰かに話を聞いてもらえばいいのかもしれないけど、でも、
この気持ちも、あなたがくれたものだから。
だから、ちゃんと私のものにしてからしか友達にだって話したくなくて。
これも女の勘ってやつなのかな??
いつかこんな日が来るとは思ってた。けど、2,3年は熊本にいるって言ってたから、もう少し一緒にいれると思ってた。というより、そう自分を信じ込ませてたのかもしれない。
あなたの夢を、隣で聞くのが好きだったよ。
わくわくを抑えきれずに、キラキラした少年のような瞳。
たくさんの人を喜ばせたい、真剣なまなざしで、でもとても楽しそうに話すあなたを見ているだけで、私は幸せだったの。
2人でどこかへ出掛けるようなデートは1度も出来なかった。あなたは気にして、前にも謝ってくれたけど、不満に思ったことはないよ。
たまにはWi-Fiを気にせずゆっくり過ごしてほしかった、ってのはあるけど。
一緒に過ごす時間は何処だろうと私には素敵なデートだったんだよ。
一緒にいるだけで幸せだったよ。
なのに、なのにどうして??
しかも4日後って。急すぎるよ。
「いつか言わなきゃ、とは思ってたけどなかなか言えなくて。」
悩んでくれたんだね。ごめんね。
分かってるんだよ、頭では。恋愛は2人でするものだから、どちらかがもう関係を続けていくのは無理、ってなったら、もう片方はそれを受け入れるしかない。っていうこと。
それでも「うん。」って言いたくなくて。言いたいこと、伝えたいことは山ほどあるのに、言葉にならなくて、涙を堪えるのに必死で、自分でも情けなくてしょうがなくて、嫌だ、嫌だ、って声を振り絞ることしかできなくて。
それでもあなたは揺るがなくて。
変な話をするけど、私は知ってるんだ。もし今、別れを受け入れてしまったら一生後悔することを。
むかし夢で見たから。
このシチュエーションで夢の中の私は別れを受け入れた。けどその選択をすると一生後悔する!って夢の中の私は教えてくれた。
何年も前に見た夢のことだけど、あなたと出会ったとき、そのイメージがふたたび脳内再生された。あ、この人なんだ、って思ったし、あなたと付き合うことになったとき、絶対別れない!って決めた。
だから一歩も引かなかった。引くつもりもなかった。
あなたが私を説得しようといろんな理由を話すけど、聞きたくなかった。
あなたには私の願いを受け入れる気は少しもなかったし、私も私でなにを言われたって納得しなかった。論理的に話すあなたの口調が、今日は悲しいほど冷たく感じたし、私はとても面倒くさい女になってしまった。
相変わらず「嫌だ、嫌だよ」としか言えない私を、「ごめんね。」と言ってあなたは強く抱きしめた。ああ、別れたら、もうあなたを抱きしめることも、こうやって抱きしめてもらうこともできないんだな。大好きだった優しい笑顔も、このぬくもりも、消えてなくなるのか。そう思うとますます悲しくなった。
その他大勢と一緒にしないでよ。応援していたいのに。あなたの特等席にいさせてよ。
それでも時計の針は止まってくれない。時間切れを迎えた。
彼は明日から3日間で引継ぎをしないといけないし、私も仕事だ。これ以上引き止められない。結局私の小さな願いは、叶えられなかった。
帰って行く彼。さよなら、って言ったらこれが最後になってしまう気がして、手を振れなかった。
なんだか宇宙に投げ出されたみたいだ。リドリー・スコット監督の映画に出てくるような、暗くて、恐ろしいほどの静寂に包まれた宇宙に。
混沌の宇宙のなかで、さまざまな感情が押し寄せた。
出会った日のこと、一緒に行ったお店、飲み会でほぼ徹夜のあなたが出場したフルマラソンのこと、そんなあなたが心配で心配で、スマホをずっと握ってたこと、入院してお見舞いに行ったこと、PCで映画を一緒に見たこと。
私、あなたのこと大好きだったんだなぁ。
あなたが忙しいのも知ってた。それでもその合間に、一緒に食事したり、連絡をくれてたこと、嬉しかった。それだけで本当に嬉しかったけど、負担が積み重なって、あなたを苦しめてたんだろうな。ごめんね。
あなたに何もしてあげられなかった。こうなったのも、全部私のせい。私が無力なせい。 本当にごめんね。ありがとうね。