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「静けさ」を愛するフィンランド
フィンランド語にHiljaisuusとRauhallisuusという2つの単語がある。どちらも「静けさ」の意味があるが、Rauhallisuusには「平和さ(穏やかさ)」の意味も含まれる。
そしてこれらの単語の使用頻度がかなり高いと思うのだ。例えば「家でのんびり過ごす」「焦らないで」「落ち着いたところにいたい」こんなときにこれらの単語が登場する。どれもポジティブ、良い状態として「静けさ」が認識されている。こういう話をよく耳にしてきた私は、フィンランドに暮らす人は「静か」であることが大事なんだなぁと、知っていた。
日本でも、晴れた日の公園でお花見をしていたら、あー平和だなぁと思うことはある。けれど「静か」な状況はなかなか得られないし、東京に好んで住んでいるような人は望むことすら少ない気がする。都内の大通りに面した家に越したことをホストファミリーに伝えたときには「車の音はしないの?」と真っ先に聞かれて、そこが気になのかとハッとしたぐらいだ。
ほんとうにある「静けさ」
それが、去年のフィンランド滞在中、ほんとうの「静か」な状態に遭遇したのだ。
ラップランドの森に友人とハイキングに出かけた。木の生えたエリアを抜けて湿地に出ると、そこは限りなく無音の世界だった。思わず友人と立ち止まって遠くまで広がる静けさに耳を澄ました。耳を塞いだような密閉間すら感じられて、少しクラっとした。
なんて心地がいいんだろう。フィンランドにはほんとうの「静けさ」があるから、だからみなそれを愛するのだ。身をもって言葉の意味を理解したような体験だった。
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