フィンランド旅行にフィンランド語は必要か?
海外旅行の醍醐味の一つに、普段とは異なる言語を話す地域に飛び込む、ということがあると思う。もっとシンプルに言えば、日本語の通じない国でどうにかしなければならない、という非日常感だ。
多くの場合は英語が共通語になり、この点にワクワクする人もいれば、ネックになる人もいるだろう。では、フィンランド語を話す国フィンランドへの旅はどうだろうか。
フィンランドで英語は通じる?
通じる。旅行で訪れるような場所では、9割のケースで最低限の英語でのやりとりでどうにかなるし、そのうちの7割の場合は英語がペラペラだ。
特にヘルシンキでは英語だけでまず生きていける。レストラン業ではフィンランド語ネイティブ以外の従業員も多く、英語しか通じないこともあるほどだ。
だからまずフィンランド旅行を検討している方は、英語ができれば安心していいだろう。
それでもフィンランド語を知っていたらいい理由
それでもフィンランド語ができたらいいだろうなと思う理由を、フィンランド語話者なりに考えてみた。
「全く知らない」と「ちょっと聞いたことある」は違う
旅行中、公共交通機関での移動はつきものだ。スマホ片手、Google mapを頼りに目的地を目指すとき、ちゃんと間違えずにバスや電車の乗り降りができるかはいつも不安だ。常にアナウンスに耳を傾けて、スマホに書かれた駅名とディスプレイを見比べる。
公共交通機関でのアナウンスやディスプレイはフィンランド語とスウェーデン語が交互に出てくる。2つの言語で立て続けに早く読み上げられ、表示も早く切り替わる。しかも日本のアナウンスのように何度も読み上げてはくれず、大抵は一度だけだ。全く知らない言葉はただの音で、発音できない単語は文字の羅列になってしまう。
こんなとき、「フィンランド語はどんな響きの言葉なのか」「この駅名はどうやって読むのか」の見当がつくだけで、聞こえるもの、見える単語は途端に「意味をもったもの」になる。
行き先の駅の名前を自分でも発音することができれば、アナウンスと照らし合わせることも簡単になるだろう。
フィンランド語を知っていることで、「行き先不明」から「行き先なんとなく分かる町」に変わる安心感は大きい。
意外と英語表記がなかったりする
ヘルシンキでカフェに入る。レジカウンターの後ろにドリンクメニューが貼ってある。フィンランド語しか書いていない。スーパーのお惣菜売り場、寿司のパックが並んでいる。どうやらネタによって値段が違うようだ。値札にある商品名はフィンランド語のみだ。袋に入ったパンがある、何でできているんだろう?成分表示はフィンランド語とスウェーデン語のみ。
という風に、意外と英語の表記がない場合も多い。もちろん店員さんに聞けば英語で教えてくれるだろうし、写真をとって翻訳にかけることもできる。でも、「コーヒー」「アイスラテ」「サーモン」「ライ麦」などの基本的な単語を知っているだけで目の前のものの把握がスムーズになる。アレルギーのある人も成分表をサラッとでも読むことができれば買い物が楽になるだろう。
単に、もっと楽しい
やっぱり買い物中やレストランで、知っている言葉に出くわすと「あ!これ知ってる」とうれしくなる。レジで「Kiitos. Hei hei.」といって挨拶できると、まるで自分の街になったかのような感覚になる。フィンランド語を頑張って使おうとすると、それだけで喜んでくれるフィンランド人も多い(フィンランド語は難しいと知っているから余計に嬉しいらしい)。
また、言葉と文化の密接な関係は切っても切れないものがある。こんな言葉を話すフィンランド人がこうやって考えるから、いまのコレがある。という風に考察を巡らせることもできる。
また、もし旅する前にフィンランド語を学びはじめたら、実質もうその時点から旅は始まっているようなもので。そんな事前準備もひっくるめて全部楽しみ尽くすフィンランド旅行にするために、フィンランド語から始めてみるのもいいのかもしれない。
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