サカバンバスピスを探しまわった日
サカバンバスピスを知っているだろうか。
去年夏、日本のSNSで突然バズった古代魚である。普段なかなか注目を集めることのない古代魚が、一件の投稿から瞬く間に広がり、ネットミーム化、ゆるくデザインされたキャラクターになり、そのぬいぐるみまで発売されるに至った。
そのきっかけとなったのが、ヘルシンキ自然史博物館にある模型だ。
魚なのか疑いたくなるような目と口の位置。笑顔。そして模型のクオリティがなんとも愛らしい。これはたしかに日本人の好みだ。
去年ヘルシンキに滞在したとき、私もミーハーらしくサカバンバスピスに会いにいくことにした。自然史博物館は前にも一度訪れたことがあったから、サカバンバスピスのみに狙いを定めた。あんなにユニークな見た目だからすぐに見つかるだろうと考え、各フロアを探しながら足早にぐるぐると回っていく。古代エリアに来た。きっとこの辺りだろう。見つからない。もう一巡。見つからない。もう一巡をしているとき、思わず見落としそうなところに、サカバンバスピスはいた。
小さい。
思っていた4分の1ぐらいのサイズ感。でも期待を裏切らない表情にやっぱりニヤニヤしてしまう。
この小さくてシュールな模型を見つけたことに達成感を覚えている自分も含めて可笑しな時間だった。
# MUSEUM CARDというフィンランド中の美術館・博物館行き放題チケットのおかげでサカバンバスピス狙い撃ちも気軽にできてよかった。
(2023.1.31 追記)ミュージアムカードを推す記事を更新しました↓
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