まちカドまぞく考察!~日本神話のモチーフとは?~


※この考察は、アニメ二期範囲(単行本1~3巻)のネタバレを含みます!

はじめに

まちカドまぞくの中には、旧約聖書ネタが多いという話が、考察班の皆さんから言われています。

例えば、箱の中に封印されているヨシュアさんは、旧約聖書に出てくる海を割った人、ノアの後継者として知られていますし、封印されている段ボールは、契約の箱と呼ばれる、ヨシュアさんの伝承に出てくるものなのではないかと言われています。

他にも、何とかの杖とか、メタ子(メタトロン)とかも旧約聖書からなのですが、ここでは、詳しい説明はしません。私より十倍は詳しい人がいますし。

で、ここで話をするのは、まちカドまぞくのストーリーの元ネタは、日本神話じゃないか、という説です。

一巻ごとにテーマとなっている神話があって、それになぞらえて物語が進行しているのではないか。と考えたんですよね。

一巻 ヨモツヘグイ

一巻はヨモツヘグイの話が元になっていると考えています。

ヨモツヘグイというのは、死者の世界で食べ物を食べてしまうと、完全に黄泉の住人だと認められて、死者の世界から帰れなくなってしまう……というやつです。元ネタは古事記のイザナミとイザナキですね。

一巻の内容を思い返して見ると、お互いに相手の家で、相手が作った食べ物を口にしています。シャミ子は桃の家で桃が作ったハンバーグもどきを食べていますし、桃はシャミ子が作ってくれたうどんを吉田家で食べています。

ついでにいうと、その前フリとして、夢の中でコーラを飲ませていたり、水を飲ませたり。

ふたりともお互いの家で食べ物を食べることで、二人の間に切っても切り離せない絆が形作られたと思うんですよね。

ニ巻 天岩戸(あめのいわと)

二巻は天岩戸(あめのいわと)がモチーフになっているとがんが得ています。天岩戸っていうのは、太陽の神であるアマテラスがひどい悲しみから岩戸の中に隠れてしまったという逸話ですね。

二巻は扉を開く描写が何回も繰り返されているんですよね。桃の家の扉を開いたり、桃の夢の中で扉を開こうとしたり。シャミ子の家の扉を開けるときに「退治」と「対峙」でアンジャッシュしてたりもしてましたね。そして、なによりシャミ子は心を閉じて逃げようとしていた桃の心を開くことに成功しました。

それと、扉が開く描写の殆どが、「内部から開かれていること」も付け足しておきます。扉は、開けるものではなく、中から開くものというところも、天の岩戸がモチーフになっているという傍証になるのではと思います。

三巻 黄泉比良坂(よもつひらさか)


三巻は、黄泉比良坂(よもつひらさか)がモチーフになっていると考えています。

黄泉比良坂というのは、イザナミとイザナキの話の一つですね。死んでしまったイザナミに会いに黄泉の国まで見たイザナキは、イザナミの醜く腐った姿を見てしまい、鬼やイザナミに追われることになってしまいます。

時間稼ぎをしながら逃げていたイザナギを助けたのは、『桃』でした。

桃の霊力で追手を退けることで、イザナギは逃げ切り道を塞ぐことに成功する……というお話です。

ここで、三巻の内容を振り返っていきます。

桜さんの手がかりを探すために、シャミ子が自分の夢に潜ったら、夢の中に囚われてしまい、桃が助けに行く、という展開です。

後、喫茶あすらで、寝不足になってしまったシャミ子を桃が突っ込んでいって、助けに行ったシーンもあったと思います。

このふたつのシーンは、黄泉比良坂の話をかなり意識していたんじゃないかな、と思っています。正直、一巻と二巻は多少こじつけなんじゃないかな、と思わなくもないんですが、三巻のラストシーンとの合致具合が綺麗なので、いづも先生ははじめからこの展開を考えてたんじゃないかな、と思うほどです。

三巻の意味

突然ですが、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)と磐長姫(イワナガヒメ)の神話をご存知でしょうか。

木花之佐久夜毘売とともに天孫邇邇芸命(ににぎ)の元に嫁ぐが、石長比売は醜かったことから父の元に送り返された。大山津見神はそれを怒り、「石長比売を差し上げたのは天孫が岩のように永遠のものとなるように、木花之佐久夜毘売を差し上げたのは天孫が花のように繁栄するようにと誓約を立てたからである」ことを教え、石長比売を送り返したことで天孫の寿命が短くなるだろうと告げた。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/イワナガヒメ

かいつまんで説明すると、天孫が繁栄の象徴である、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)だけと結婚し、永遠の象徴である、磐長姫(イワナガヒメ)を送り返しました。

その結果、天孫は神の子孫にも関わらず、短い寿命を持つようになった……という神話ですね。


ちなみにこのような「繁栄か永遠か」という神話系統はバナナ型神話と呼ばれていて、世界各地にある神話らしいです。

そして、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)の名義(名前の意味)は桜の花と言われているんですね。桜の花が繁栄とか、儚さを表すことモチーフで有ることを考えると、よく分かることでもあります。

そして、(果物の)桃は、桜と逆で「永遠」のモチーフなんですね。ついでに言えば、桃の名字の千代田も千代ですから、永遠の象徴なんですよね。

つまり、ちょっと強引ですけども、桃が永遠の象徴で、桜さんが繁栄の象徴であると言えると思います。

上で紹介した神話に当てはめると、桜さんが木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)に対応していて、桃が磐長姫(イワナガヒメ)に当てはまると考えられるんですよね。

そう考えると、三巻でいづも先生がやりたかったことがなんとなく分かった気がするんですよね。

十年前、シャミ子は桜さんのコアを埋め込まれることで生き延びました。そして、スカスカになってしまったシャミ子の魂に、桜さんの要素が入ることで「繁栄」の要素がシャミ子に少なからず反映されたんだと思います。

なので、シャミ子は運が呪いで没収されている割には、いい友達に恵まれ、家族環境も良好な理由のひとつだと思います。

だけど、シャミ子に引き継がれたのは、あくまで繁栄の要素だけです。だから、突然ダンプカーにひかれてしまうような危うさがあります。

一方、桃は永遠の象徴です。

桃は大災害や、那由多さんとの戦いも、危険な状況にも関わらず生き残っています。ただ、その代わりなのか、家族や友達には恵まれません(桃自体が拒絶しているということもあるとは思いますが)

話を戻しますと、シャミ子は桜さんのコアを受け取ることで、繁栄の属性を手に入れました。しかし、神話と同じようにその命は、危なかっしいものでした。

ですが、シャミ子に足りない永遠の属性を桃は持っていました。

つまり、桃がシャミ子の眷属になることで、シャミ子が繁栄の属性も永遠の属性も両方手に入れるってことだと思うんですよね。

それって、繁栄と永遠の両方が揃うことで、桃とシャミ子がふたりで居ることで、いつまでも幸せに暮らしていくことを暗示して終わろうとしていたんじゃないかな、と思います。(いづも先生は、本来三巻でまちカドまぞくを終えるつもりだったので)

最後に

どうだったでしょうか。
正直、ちょっと強引な部分もあったと思いますが、まちカドまぞくをより楽しむ助けになれば幸いです。

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