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規制された生殖器

画像: 不明

受験を再来年に控えた高校2年生がガーベラの花をピクセルアートというかモザイク風に描いていたので「なるほどね、花は植物にとっての生殖器、ヒトにとってのおちんちんだもんね」と勝手に納得していたら「セクハラをやめてください」とちゃんと怒られた。大声で独り言が漏れてしまっていた。

我々が可視光とよぶ波長をそれなりに反射するのでキレイに見える花は基本的に虫媒花、他種へのアピールのためにコストを割いている。植物に個があるかはともかく、花を咲かせることは個体自身の生存にはなにも寄与しない。しかし配偶子のやりとりのために一生を懸けるかのような多大なエネルギーを使って虫を誘う。限られた時間と栄養と情報を用いて作られる形は無駄を挟む猶予がなく、それを人間様は美しいと呼んだりする。

一方で人間の精子はそこそこ自力で泳げるので、我々のおちんちんが大きいとか固いとかいった個体差は自身の生存にさえ、いわんや他種にとってもなんら意味を持たない。いや性病の細菌や真菌とかは除くかもしれない。

高身長は健康な遺伝子、経済力は子の生存率、イケメンは子の繁殖率が上がるので子孫繁栄につながり、こういった恋愛価値観は自己複製本位の動物として正しい。なんと無駄のない、洗練された価値観だろう。しかし昨今のニュースをみると、どうやら一人ひとりがもつ自由意志が強く発達した結果、社会のなかで自分の生命をよりよくすれば繁殖しなくても自分という存在は拡張できる、という非動物的な自己複製が競合して阻害するようになっているようだ。自分が死んだ後に子どもが生存するか繁殖するかとかどうでもいいんじゃないか、と思っているのかもしれない。社会のサイクルがヒトという種のサイクルに合わなくなってきていて、子孫繁栄よりも短期の成功にしか投資できないのだろう。種の自主規制、みたいな。

画像のInstagramでよく見るやつは転載を繰り返されていて作者がわからなかったので詳しい人は教えてください。自己複製の過剰だ。

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