「これからずっと学校に行かない。ソフトボールも脱退する」
兄につられて不登校になった小5次男。3年越しで心が安定して、1学期に学校の教室に登校できるようになりました。長かった……
そんな次男が、夏休みに友達と一緒に、近所の公園でキャッチボールをしたのが楽しかったようで、友達が所属する地元のソフトボールチームに参加することになったんです。奇跡……
しかし、そう簡単に上手くはいきません。やっと学校に行けるようになったタイミングで、土日とも練習や試合があるソフトボールチームに入ったので、体力が追いつきません。休みが全くないのは次男のペースでなく、パンクしてキレそうになります。いやキレます。
今年の8月にソフトボールを始めて、今まで30回くらいパンクしてキレそうになりました。そのときにのセリフが、「これからずっと学校に行かない。ソフトボールも脱退する」
そのたびに、私がヒヤヒヤして対策を考えます。親として一番大切にしたいのは、学校もソフトボールも長期的に何かをする習慣を身につけること。また、純粋にソフトボールが好きなので、練習して上手くなることを体感すること。さらに、集団スポーツの醍醐味を味わってほしいと思っています。
入部するときに、「ソフトボールは集団スポーツやから、簡単には辞められないし、休みないよ」と言っています。今のところソフトボールは無遅刻無欠席です。
半面、先週は学校に行ったのが1日半。トイレ立てこもり事件も勃発。それでも、何とか両方続いているのは奇跡です。気持ちを前向きにするために、自分へのご褒美を考えさせることもあります。次男が好きな近所のラーメン店に、ソフトボールを始めてから3回は行ったな……
ご機嫌に学校もソフトボールに行ける日が来るのか。母親のサポートの試練はつづきます。先週、ソフトボールに行くために、大きいサイズの自転車を買いました。昨日自転車で集合場所まで行く予定が、監督が車に乗せてくださることになり、自転車で行けないことになりました。すると、調子がくるって「練習に行かない。今日行ったら明日の試合は休む。ソフトボール脱退する。学校もずっと行かない」また出た……
私は一瞬苦しくなるのですが、その言葉の裏にある、本人がおかれた状況や気持ちを考えます。とりあえず、その時の要求をのんで、ソフトボールの練習に送り出し、帰ってきてから全力で本人の気持ちを整えます。
昨日の要求は「1兆円」から始まり、譲歩して「10万円」に。一度練習に休んだら調子が崩れて復旧不可能になる可能性があるので、いったん要求をのみます。
帰ってきてからは、行く前に「好きなものを食べさせる」と言って送り出したので、それに応じました。その後、「自転車で練習に行けなくて残念だった気持ちに共感する」ことに重点を置いて、コミュニケーションをとろうと考え、実践。
「今日は練習に自転車で行けなくて、残念でこけそうだったよねー。ママも車で送ってもらえると聞いた時、心の中でこけて3回転する気持ちだったから、10回転くらいしたんじゃない?」
「100回くらい回転した」
寝る前にキャッチボールの相手をしたら、10万円の要求が1万円を経て3千円に金額が減り、気持ちが整ったら、最終的に返してくれると思います。
1兆円要求したり、トイレに立てこもる子どもを育てる中で、「本人はやりたくてやっているんじゃなくて、どうしようもなくてやっているんだろう」という犯罪者心理にも触れることにもなりました。
とりとめない子育ての1ページでしたが、色んな個性の子どもと色んな子育てがありますね。あとから振り返ると、笑えるんだろうけど、子育て真っ最中にサポートするのは、心身ともに大変なこともあります。
最後に、夏休みの終わりに、過去3年間の子育ての総括として、子育て奮闘中のお母さん、お父さんのお役に立てたらと思い本を出版しました。大変個性的な不登校兄弟と母親の、コミュニケーションを軸とした本です。よろしければ、もくじをチェックしていただけるとうれしいです。何かご参考になることがあるかもしれません。(Kindle Unlimiedはいつでも無料でお読みいただけます)