マイノリティーは突然に。
別に決めなくていい。
自分のセクシュアリティ?分かんなくてもいいよ。
そう思えるようになったのはLGBTQのQ、クエスチョニングというセクシュアリティの存在を知り、そして今のパートナーと出会えたからです。
クエスチョニングとは性自認や性的指向が定まっていない、もしくは意図的に定めていないセクシュアリティのことを指します。
性自認とは自分の性は何だと考えるか、性的指向とはどんな性を好きになるかといったところでしょうか。
私は性自認は女性で定まっていますが、性的指向は定まっていません。
そんな自分のセクシュアリティについて考えさせてくれたストーリーをまとめてみました。
私は26年間、自分の好きになる人、性的指向はずっと異性だと思って生きてきました。
思っていたというよりは自分の周りに流れる
「普通の波」に乗っていただけかもしれません。
考えたことすらありませんでした。
年頃になって、周りの女の子達と一緒に男性を好きになり、恋バナで盛り上がって、愛しあったり傷ついたり、そしてまたそれを繰り返す、、、それが私にとって普通のことでした。
26歳になった夏の日、自分の中で今までにない感情と向き合うことになります。
私は当時香水関連の仕事をしており、お客さんとして来てくださった女性の手元に試しで香水をスプレーしてあげようとそっと手を取りました。その時、
私、今、ドキドキしている。
目の前の、
そう、女性に。
この感情をうやむやにしなかった自分を褒めちぎりたい。
なにせここで自分と向き合ったおかげでその後最高のパートナーに巡り会えることになるのですから。。
初恋のように、目を合わせるだけで顔が真っ赤になってしまったことを覚えています。
緊張しすぎて手元がくるい、自分の顔目がけて噴射してしまったあの香水。
未だにあの香りがすると穴に入りたい気持ちになります。
それくらいとても混乱しました。
話した内容はほとんど覚えておりません。。。
私はその混乱を収めるために、頭の中の奥の方にしまってあった本棚からLGBT関連の知識をかき集めました。
私セクシュアルマイノリティー、、、?
うん、うっすい。
ティーバッグをケチって4回くらい使っちゃったあの紅茶くらいうっすい知識。
ということでいてもたってもいられず、家に帰って調べまくりました。
いろいろなセクシュアリティについて。
すると、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーから始まり、クィア、クエスチョン、パンセクシュアル、アセクシュアル、Xジェンダー、、、、、って
多!
たくさん聞いたことのないセクシュアリティが出てきて驚きました。
セクシュアルマイノリティーの中にもマイノリティーが存在していたんですね。
このたくさんの選択肢の中で、自分が何のセクシュアリティに当てはまるのだろう。
その時の私にはよく分かりませんでした。
ただこれは誰かに教えてもらうものでもないな、と思いました。
「あなたのセクシュアリティはこれかもしれないね」
と誰かからアドバイスをもらえることはあっても、正解をもらえるわけではありません。
自分で探すしかない、と思いました。
自分にしか探せない、と思いました。
セクシュアリティは絶対的なものとは限らないし、その変化に気付けるのは自分しかいないのですから。
それから私はすぐさまマッチングアプリに登録します。
自分に一番近そうな「バイセクシュアル」というセクシュアリティを借り、パートナー探しをすることにしました。(私最大の長所、行動力。)
バイセクシュアルとは、日本語だと両性愛とも呼ばれます。男性と女性両方に恋愛感情や性的欲求をもつセクシュアリティです。
その時出会った人が今のパートナー、ジェニーです。
ジェニーはレズビアン。
性自認も性的指向も女性のセクシュアリティです。
会って会話を重ねていくごとに心が不思議と暖かくなるのを感じました。
私の言葉を一つも残さず受け止めてくれる。
その彼女の表情は、「好き」を通り越し、私を「愛おしい」と思ってくれているものに近いなと思いました。
ホームで手を振り、私の姿が見えなくなるまで見送ってくれているその表情には、彼女の気持ちが全て映し出されていました。
「なるちゃん楽しんでくれたかな、もっと話したかったな、寂しいな、でもまた会えるな、嬉しいな、嬉しいな、、ちょっと泣きそうだな、、でも笑わなきゃ
私も彼女のことを「愛おしい」と思っていました。
嘘をつけず自分に素直に生きる、感受性豊かで最高に私を受け止め愛してくれる人。
そんなあたたかい空間が心地よくて。
この人とずっと一緒にいたい、触れあっていたい、一緒に幸せを噛みしめたいと思いました。
これがジェニーに対してだけ湧く感情なのか、
はたまた女性全体に対してなのか、
それとも他のセクシュアリティの人に対してもなのか、
まだ分かりません。
でも分からないままでもいいと思いました。
ジェニーのことを心から愛している、今私が持っている事実はこれだけなのですから。
#キナリ杯 #セクシュアルマイノリティー #クエスチョニング