イギリスでの妊娠(中期の検診)
現在、イギリスで妊娠6か月目。
こちらでの妊娠中期の検診内容の情報をまとめます。
イギリスでの出産を決意し、日本の家族・友人からは「初産なのに日本じゃなくて大丈夫?サポート体制はしっかりしているの??」と心配され、オーストラリア人の友人(イギリス在住)には、「イギリスのNHSで出産するなんて、チャレンジャーね!」と言われ不安になりましたが、病院によると思いますが、これまでのイギリスのNHS(Maternity Unit, Midwife)の対応には満足しています。
(Midwifeにマイナーイシューを相談しても、何か大きな問題が起こるまでは、「大丈夫、大丈夫、自然なことで何とかなるさー」と最低限の検査のみになっている感は否めませんが・・・)
イギリスでの妊娠・出産を考えている方に参考にしていただけたら幸いです。
妊娠初期はこちらに記載しています。
イギリスでは母子手帳などはなく、Badger Notesというアプリで予約状況、これまでの検査結果、緊急連絡先などが管理されています。
◇17週目 Whooping coughワクチン接種
イギリスではWhooping coughワクチンは妊娠16週目から受けることができるということで、周辺地域でWhooping coughが流行している地域もあるとのことだったため、GPに連絡し、翌週にはワクチン接種ができました。
ワクチンはBoostrix IPVという種類のワクチンで、Whooping coughだけでなく、ポリオ、ジフテリア、破傷風?にも対応しているよう。
日本では27週目から36週目に受けることを推奨されているようなので、17週目で受けることは大丈夫なのか看護師に確認したところ、「流行っている地域もあるし、イギリスでは16週から受けて良いようになっているので、大丈夫よ!」とあまり説得力はなかったが、受けることを決意。
ちなみにワクチンの性質なのか、看護師さんの注射の仕方なのか、今まで受けたワクチンの中で一番痛かった(グリグリ)。
翌日、疲れはあるが、発熱や体調不良はなし。
◇17週目のMidwife面談
尿検査と問診、赤ちゃんの心拍確認で25分の面談。
いつもの助産師さんではなく、臨時の助産師さんだったが、年配の優しそうな方で、これまでのカルテも確認してくれていたためスムーズに進んだ。
「この時期、胎動感じ始める人もいるけれどどう?」との質問から始まり、Whooping coughワクチン接種について受けるよう案内があったり、日頃疑問に思っていることについて質問ができた。
夜になるとお腹の張りが気になることを伝えると、「ホルモンの影響で起こっていて、出血や痛みがなければ問題なし!」とのこと。「妊娠中は色々な体の変化があるけれど、あまり気にしなくて大丈夫!」とのことで、日本ではお腹の張りがあったら、子宮頸管長の長さを確認してくれたりするようだけれど、イギリスではそのような検査は一切なしで、国が違えば対応もこんなに違うものなんだなと改めて痛感した。
12週目のエコーを受けて、その後何も検診がないため、赤ちゃんの成長が気になるでしょうということで、機械で心拍を確認してもらう。途中、心拍が飛ぶことがあったが、これは赤ちゃんが動いていることによるものとのことで、「活発な赤ちゃんね!」と笑顔で診察してくれた。
イギリスの診察の良いところは、助産師さんたちがいそがしい環境にも関わらず、妊婦一人ひとりに笑顔で温かくケアしてくれるところだと思う。少なくとも私が住んでいる地域の助産師さん、出産予定の病院のスタッフさんたちはみんな何でも質問できる環境を作ってくれて、疑問を解決して穏やかに過ごせるようにサポートしてくれている。
ただ、1点、物申したい!!尿検査は事前に容器を渡されていたのだが、今回持って行った容器から検体は他の容器に移し替えられ、元の容器は水でさっと流して、「また次も持ってきてね!」と渡されたこと。「使い回しでいいのかなー??」と不安になる。衛生面については、一生かかってもイギリスの基準を理解することはできないんだろうな(日本基準でいつづけるんだろうな)と思う。
◇夫の友人からNCTの両親学級を進められ、予約する
夫の友人のうち子供がいるカップルは5組ほどいるのだが、皆から「NCTの両親学級は受けるべし!!」と言われ、予約してみる。両親学級で学べることというよりも、同じ時期に出産する人たちと知り合い、産後もずっと連絡を取り合っていて、参加者のグループチャットで育児の色々な相談をし合えるのが良いらしい。頻繁に合同でホームパーティーをしたり、一緒に旅行に行ったりしているらしい。
エリアによって日程やスケジュール、料金は異なるようだが、大体3日コース(1日あたり5時間ほど×3日)で約£270。両親2人での料金だからお手頃と言われたが、日本だったらもうちょっと安いだろうなぁとあまり乗り気でない私。社交的な夫はめちゃめちゃ楽しみにしているため、気軽に参加してみようと思う。
10月下旬の出産予定日で、推奨されているのは8月末から9月上旬までのクラスか、9月上旬から下旬までのクラスだった。
後々、Midwifeからも「父母学級予約した?」と確認されたため、NHS等での提供はなく、NCTなどを有料で払って受講するよう勧められているように感じた。
NCTについて興味がある方はこちらへ。
◇20週+6日目のスキャン(エコー)
出産予定の病院でスキャンを受ける。
待ち時間10分でSonographerの方から呼ばれ、スムーズに診察してもらう。
各種臓器を確認してくれたが、赤ちゃんの位置がまたしても見えにくい位置にいるとのことで、頭部の確認ができず、トイレに行ったり、横向きで診てもらったり、小さくジャンプして位置を動かそうとしたり、お腹を振ってみたりと色々挑戦してみるも、再来週の再検査となる。
胎盤の位置の確認も実施。
性別もNIPT検査の結果と同じ結果を教えてもらう。
エコーの機械が古いから見えないんじゃないかと疑っていたら、機械自体は新しそうで日本のメーカーで(どこか忘れた)性能は良さそう。
2週間後、再スキャンを受け、頭部の確認をしてもらい異常なしとのことで、スキャンは完了となる。
◇MAT B1フォームをもらう
MAT B1フォームは夫が育休を取得するために提出必要。
また、出産手当金(Maternity Allowance)申請に必要なため、助産師さんに電話して発行してもらった。受取は郵送とMidwifeユニットに直接受け取りに行く方法の二つがあるとのことだったが、紛失・失念等を防ぐため、直接受け取りで依頼。
元々、イギリスで働いていたため、SMPという法定出産給付金を申請する予定だったが、悪阻で退職したため、SMPは申請できず、Maternity Allowanceを申請することにした。
イギリスでの出産関連の給付金については、政府サイトをご参照。
◇婦人科医、麻酔科医との面談
これまで検査も面談も少なかったのに、いきなり婦人科医と麻酔科医との面談が2日連続で入る。
車で30分かかるのに、平日、2日連続で面談入れられるのはきつい。NHSの予約は病院側で指定されて入れられて、こちらの都合の良い日を聞かれることはなし。都合が悪ければ、レターに記載された番号に電話して、再調整するようになっている。問題なのは、電話が繋がりにくくて、結構な時間待ったり、改めて電話するように自動音声で案内されて切られるので、予約変更で時間を取られること。また、変更するとなると、その時点での空き状況で入れられるため、元の予定よりも一週間くらい遅れることもある。
産科医との面談は通常ないのだが、特別に面談が入れられたのは以下の理由によるもの。
理由①助産師との面談時に、子供の頃、盲腸の手術時に使った全身麻酔で全身に蕁麻疹がでたことがあると伝えていたことと、渡英後、原因不明の全身蕁麻疹が3回起こっているということで、リスク要因として引っかかったため。
理由②婦人科系の持病があることを伝えていたら、追加面談必要と判断されたため。
と、通院の準備をして、Badger Notesのアップで確認したところ、2日連続の予約のうち、一つがキャンセルされていることが判明。
レターにはどちらがどの科の何の診察なのか書かれていないため、電話で確認すると、Badger Notesでキャンセルされている方は来なくてよいとのことで、Midwifeからは両方必ず診察を受けるよう指導があったため、納得できなかったがキャンセルを了承する。
麻酔科医の診察では、過去の麻酔時のアレルギー詳細の確認と、Epiduralは使えること、万一問題が発生した時も24時間麻酔科医常駐のため早急に対処できることを教えてもらう。
温和な麻酔科医歴15年の先生で、質問もしやすかったため、Epiduralのリスク、これまでのEpiduralで問題があった時の症例も教えてもらえた。
Epiduralはボタン式になっていて、痛みが強くなってきたと感じたら、自分でボタンを押して調整するため、過剰投与を防げるとのこと。
また、アジア系ということで体格差等の問題でリスクが上がったりしないのかという質問にも、アジア系と白人系での個体差はないとのこと。
私の出産予定の病院はEpidural使用率は体感で20%ほどとのことだったが、これがロンドンの病院では、ほとんどがEpidural使用になる病院もあるとのことだった。
◇25週のMidwife面談
ずっとお世話になっていた中堅のMidwifeの方から新人の方に変わり、ベテランの方が後ろに付いた状態で始まった面談。
尿検査のボトルを渡すと、5秒ほどで確認は終わり、「問題なし」と言われたため、尿検査で何の検査をしているのか聞くと、「尿路感染症(UTI)でないか、濁っていないかの確認をしている。」とのこと。
助産師さんからは「胎動は感じ始めたか?赤ちゃんの起きたり寝たりしているリズムはわかるようになったか?体調はどうか?」などの質問を受け、ここ最近不安になっている鼻血が週3回出ること、心拍数が100ほどあること、頭痛がたまにあることを相談すると、「妊娠中は血流が増えているから鼻血も出やすくなるし、一度出ると粘膜が傷ついている状態で出やすくなるもの。心拍数も増えるもので、不整脈みたいになってなければ大丈夫!頭痛も横になって治まるんだったら大丈夫!」と大丈夫を連発される。
もし、不静脈が起こるのであれば、GPに相談すること、鼻血が出るとき、意識が遠のいたり、手のひらに違和感が出たら、GPに相談することとのことで、症状が酷くなった時に対応されるような印象を受ける。
赤ちゃんの心拍数を確認され、その後、質問タイムへ。
①バースプランについては、30週に入ったあたりから話が始まるようで、無痛分娩については、事前に決めておく必要はなく、24時間麻酔科医常駐のため、当日無痛分娩にするかその場で決断できるとのこと。
②産後の新生児の定期健診・ワクチンは出産の病院ではなく、GPで対応されるとのこと。赤ちゃんが7,8カ月になったら日本一時帰国を考えていることを伝えると、その頃はワクチンも大体終わっている予定のため、GPに相談するようにとのことだった。
③車のチャイルドシートについては、R129を遵守しているものが望ましく、ISOFIX等の対応については、Fire stationで確認してもらえる(?)とのこと。購入店舗で相談するのが良いとのことだった。
④私たちは妊娠8ヶ月-9カ月目にCountyをまたいでの引っ越し予定のため、転居後も同じ病院で出産できるのか相談したところ、どこに引っ越しても希望の病院で出産できるとのことだった。ただ、Midwifeについては、自宅訪問等がある関係で、転居後は管轄が変わるとのこと。
◇血糖値検査(妊娠糖尿病スクリーニングテスト)
アジア系ということで、リスクがやや上がるとのことで、血糖値(HbA1c)の検査が必要とのこと。(翌週末の検査を予約してもらう)
検査の流れを大まかにささーっと教えてもらう。
◇妊娠糖尿病検査前のミッドワイフ面談(28週)
尿検査で糖が+で出ていると初めて言われ、ちゃんと検査してくれているんだと安心する。笑
再度、妊娠糖尿病検査の流れと注意点(前日夜9時以降は絶食し、水のみ飲用可)を説明してもらう。
検査自体は朝9時開始で、出産予定の病院で行われるため、当日必要な書類をもらう。
実は、面談の数日前に自宅の階段で踏み外し、滑って5段ほど転んだのだが、トリアージに相談したところ、【打ちどころが腹部ではなくお尻と頭であること、出血なしで胎動はありの状態であること、私の血液タイプがポジティブであることから、様子見で大丈夫】とのことだったため、一応ミッドワイフにも共有したら、赤ちゃんの心拍数を測ってくれて問題ないことを確認してくれた。
そして、Fundal heightという子宮底長を測られ、胎児の成長具合を確認してもらったのだが、28週で26.0は基準より少し小さめということで、念のためスキャンする必要があると追加のスキャン(エコー)を入れられる。
→早急なエコーが必要とのことで、翌日にエコーを入れられ、対応の早さに感動する。笑
(全身蕁麻疹のアレルギーが出て、皮膚科専門医の予約を取るときは3カ月先しか予約取れなかったのに、マタニティ部門は早くて快適!)
◇追加エコー(胎児のサイズと羊水確認)
前日のミッドワイフ面談で子宮底長が基準より小さめ(26.5以上であるべきところが26.0)だったため受けたエコーでは、なんと胎児のサイズは90th centile line上で平均より大幅に大きいことが判明。羊水量も問題なし。
→大きく育っていることで安心していたら、妊娠糖尿病検査の結果でその理由を知ることに・・・
◇妊娠糖尿病検査
土曜日の朝9時に病院に着くと、そこには20組ほどの夫婦が既にいて、順番にグルコース検査を受ける。
検査の前に、看護師と面談があり、前日21時以降絶食しているかの確認と、検査の手順、2時間の待ち時間の間、ずっと座った状態で水分補給のみ可能という説明を受ける。
グルコース検査の飲み物自体はまあ飲める味。最初の5口くらいは全く問題なし。でも最後の方は無理やり押し込まないといけない感じ。(普段こんな甘い物飲まないよ・・・と思いながら、この検査自体、体に負担あるのでは?と思ってしまった。)
2時間の待ち時間が結構大変・・・新聞やら本やら持って行っていたけれど、ずっと同じ椅子に座りっぱなしがきつい。。。
2時間後の血液検査の後はすぐに帰宅できて、スムーズだった。
問題なければ、連絡は何もないが、もし問題があったら、5営業日以内に電話が来るとのことでひやひや。
→2営業日目に結果の電話を受け、まさか自分が妊娠糖尿病になるとは思っていなかったため、ショックを受ける。
Fastingの値は問題なかったが、2時間後の数値が基準値ギリギリのところで引っかかっていたらしく、翌日の糖尿病グループセッションの招待を受ける。
◇妊娠糖尿病グループセッション
平日の午後で参加者が私のみで、1on1で糖尿病専門看護師から妊娠糖尿病とは何か?から食事療法の注意点、血糖値の測り方の指導があり、AgaMatrixという検査キットを受け取る。
妊娠初期、つわりできつかった頃、フルーツしか食べてない時期があったりしたため、私の妊娠中のこれまでの食事に問題があってこうなったのか質問したところ、「妊娠糖尿病は、ホルモンの影響によるもので、これまでの食生活や過ごし方は全く影響していないこと、だから自分を責めないでほしい。」と温かく励ましてもらった。
検査は一日4回。起床時と毎食後1時間後。もし、48時間以内に2度以上、基準値を超えるようであれば、早急に病院に連絡すること。
(実際は、検査結果がアプリを通して病院に連携されているようで、一度超えただけでも、「何か特別なことしましたかー?」とメールで確認の連絡が入ってきていた。
出産まで毎日検査することと案内されたが、検査キットが14日分しか入っていなかったので質問すると、キットがなくなりそうになった段階で早めにGPに追加を依頼するとのこと。
◇エコー(32週目)
妊娠糖尿病になったことで、エコーでの確認回数が増え、32週と36週にもエコーを受けることになった。
32週のエコーでは、胎児の大きさが平均以下(50th centile lineに届かないほど)になっているようで、ConsultantからはScanの正確性は80%だから、あまり気にしないようにとアドバイスを受けた。
34週のエコーの結果で、胎児の成長スピードが落ちていたら、帝王切開やInductionなどの相談をすることになるとのこと。
妊娠後期もエコー、ワクチン等で通院が結構あるので、頑張ってきます。