イギリスでの家購入について

イギリスで家を購入することになり、手続き面で経験したことを記録します。
※イギリス人の夫がほぼ全ての手続きをしてくれて、私は経過報告を受けていただけなので、記載内容に誤りがある可能性があります。ご了承ください。

私はRightmoveやZooplaなどのイギリスの不動産サイトを見るのが趣味で、素敵な家探しをこの1年ずっとしてきて、契約最終段階になった今でもしょっちゅう新着物件を確認しているのですが、家購入は本当に大変でした。

イギリスは現在、住宅ローンの利率が5%近くと高く、買い控えの風潮だったのですが、2024年8月にBank of Englandが4年5カ月ぶりに政策金利を下げたことで、不動産の価格もまた上昇基調を見せているとかで、不動産サイトで良いなと思ったところはすぐに内覧して、購入の意思を伝えないとすぐに他の希望者に押さえられてしまいました。

内覧自体は15件ほど実施し、実際に購入したいと思った物件は4件あり、購入の意思を伝えたのは3件(1件ずつ購入の意思を伝えましたが、1件は値段交渉で泣く泣く諦め、1件は最終契約まで行きましたが、トラブル発覚しお契約破棄。そして、最後の1件で購入まで至ったという流れです。)1件は築3年で現オーナーが出張でほとんど家で過ごしていないとかでとてつもなく綺麗だったのですが、既に6組が購入で料金交渉中ということだったので、やめました。

15件見て、不動産サイトの写真より素敵だと思ったところは2件、写真と同じくらいだと思ったところは2件、写真より残念だったところは9-10件ほど、残りは写真は詐欺じゃないかーと思うほど写真と違うところがあったので、内覧はとても大事です。

内覧は予約を入れておくのですが、人気の不動産は15分単位で予約が入っていることもあって、15分で数千万円の買い物を決断するなんて、すごいことだよねと夫と話していました。

最初は、良いと思った不動産の内覧をして、話を進めていくものと思っていたのですが、希望者が多数いることもあってCompetitiveなので、以下の順番で進めていくのが効率的で、不動産会社にも良い印象を与えられると感じました。

①【MortgageのAgreementをもらう】
金融機関の選定から、現在の保有資産の計算をし、実際に金融機関に事前に現在の自分たちの状況でMortgageはいくら許容されるのかAgreementをもらいます。

②【依頼先のSolicitorを決める】
家族がこれまで利用してきたSolicitorはあまり評判が良くなかったため、ネット上で検索したのですが、不動産売買のサービスを承っていると書かれていても、実際電話すると、現在受付停止中というようなSolicitorもいくつかあったため、事前に目星をつけておくことをお勧めします。
実際、見積もりを依頼して、どのくらいかかるのかまで調べておいたらスムーズです。
私たちの場合、5か所に見積もりを依頼し、£2800-£4200との回答があり、口コミなども含めて£3800の場所に決めました。(2024年6月時点)
ただ、下部にトラブル例として記載しますが、一軒目の家で水漏れが発覚したのですが、契約最終段階になるまで隠されていたため、そこまでにかかった費用も含めると、今回の不動産契約で弁護士事務所に£8000近くかかってしまいました・・・
2軒目を契約するまで2ヶ月ほど時間があいたのですが、その間にもそれぞれの諸経費が£50-100くらい上がっているため、今後もSolicitor費用も上がっていくのかもしれません。

③【内覧する】
不動産業者には下記を質問したり、確認しました。
・Why is the owner selling the property?
   ・No neighbour issue?
・How long on the market for?
・Has the property value changed recently?
・Has the property repeatedely changed hands?
・Have there been offers?How negotiable is the price?
 私たちは初の不動産購入で、一軒目の購入予定だった家に、鍵渡しまでもう少しというところで水漏れトラブルが見つかったためキャンセルし引っ越しを急いでおり、かつ今回購入場所を気に入ったため提示価格で購入することにしたが、周囲の話を聞いていると、5%安い金額を提示して受けてもらった人もいた。
ロンドンなどの人気エリアでは、提示価格よりも高い金額で購入した人もいる。義姉カップルは掲示価格より£30,000高い金額で購入していた。
・Is there a chain?
・Freehold or leasehold?
 Leaseholdにすると、チャージ料等が突然大幅に値上げされた等のトラブルを聞いたことと、家の管理をしていく上で変更をしたい場合など、管理会社にお伺いを立てないといけないと面倒らしく、Freeholdで探すことにした。
・Property boundary - what's included?
 White goods(冷蔵庫、洗濯機)が内蔵の場合もあるため、それも含まれるのか、庭の物置やジャグジーの撤去の予定はあるのか等を確認。
・How old is the property? Who built the house? 
 イギリスでは建設会社はとても重要で、私たちのエリアではBloor HomesやBerkeley Homesを勧められた。
・Can I check a water pressure?
・Gas boiler check - last serviced, when installed?
・Any rooms recently redecorated? Why?
・Energy efficiency rating
・Is there any off road parking?

事前に確認したこと
Flooding mapの確認
治安情報の確認
・周辺学校のOfsted(rightmove, zooplaで不動産検索している際に参考情報として出てくるため、近隣学校のHPでも内容を確認)
インターネットのスピード
・Council Taxの確認
・Google Street viewで雰囲気の確認

④【不動産会社へ購入の意向を伝える】
・不動産会社から売主へ購入の意向が入ったことが伝えられ、売主・買主間で売却金額のAgreement
・不動産会社へ身分証・購入資金のエビデンス(銀行取引明細書・Mortgage Agreementレター)を提示
・不動産会社側で不動産のネット上のステータスをSTC(Subject to contract)に変えてもらい、内覧をストップしてもらう。

⑤【Solicitorと契約】
・本人確認書類、購入資金のエビデンス提示
→大変だったのは、私の日本の銀行は取引履歴明細を英文発行していないため、過去5年分の取引全てをPDF化し、内容を翻訳して提出しなければいけなかったことでした。
・契約内容のチェック(私たちのSolicitorは全てオンライン上で完結してくれたため、大変だったがとてもスムーズだった)
・1軒目契約の段階で私の英国ビザと滞在期間が1年未満だったため、私名義でのMortgateは組めず、不動産契約は夫名義のみになるとのことで進め、不動産購入資金として日本から送金した私の全財産は「全て夫にプレゼントします」という誓約書を書く。
・売主に数点確認したいことがあったため、売主のSolicitorを通して確認を実施

⑥【Mortgage正式依頼】
・金融機関との電話面談で、借入期間、利率、諸条件で合意し、正式に依頼を行う。

⑦【House Survey依頼】
・SurveyorにSurveyを依頼。レベルが3段階あり、Level2を依頼。
複数のSurveyorに見積もりを依頼し、Mortgageの金融機関から案内してもらったSurveyorに決める。紹介割引してもら£450で実施してもらう。
・Survey自体は依頼をして1週間後くらいにしてもらえたが、地元のSurveyorなどだと依頼して3-4週間かかることもあるようなので、早目の依頼を勧める。

ここからSolicitorから契約の連絡が来るまで結構待つ。ちょうど学校のサマーホリデー関連で依頼チームの数名が2-3週間のホリデーを取っていたこともあり、1カ月以上待つことに。

⑧【Solicitorから契約書が届き、署名】
Solicitor側で最終確認まで終わり、家のレポート(約200ページ分)を受領する。中身を確認し、Solicitorから届いた契約書にサインをして返送。

⑨【Deposit送金】

⑩【Building Insuranceを契約する】
Mortgage会社からCompletion時にBuilding Insuranceに加入しておく必要があると言われ、内容とカスタマーサービスの評価等を考慮して決めました。TVやPCなどのContentsもカバーされるものにしました。

今後、Bank transferをしたり、Mortgate deed手続きをするようで、そこから売主とエクスチェンジはいつにするかスケジュールを擦り合わせて、Completionとなるとのことでした。

私たちはFirst time buyerでチェーンもなく、家自体も新しくStraight forwardな内容だったのですが、それでも内覧からCompletionまで約3カ月はかかりました。

余談ですが、実際にあったトラブルも下記記載します。

※実際にあったトラブル
最初に契約を進めていた家は、不動産会社から「何も問題ない」と言われ続け、House surveyでも問題はなかったので安心していたのですが、大問題が隠されていたことが発覚しました。
まず、不動産会社はイギリス南西部の裕福なエリアにある個人の年配のおじさま(自信家でいかにもおぼっちゃん)が経営しているところ。
購入予定だった家は、特殊で一部をリースホールドとして貸出す部分も持ち分に入っていたため、夫が所有部分全てを確認したいと不動産会社に申し出たところ、不動産会社からは「通常はリース部分を確認するものではない、ナンセンスだ」と言われ続け、夫は「自分の所有物件は全て確認しておきたい。SurveyでもSurveyorにリース契約があることを説明して全体を確認してもらうべきだったのに、なぜ案内してくれなかったのか」と聞いても、「通常問題はないもの」と言われ、5,6回このやり取りを繰り返した挙句、やっと見せてもらえることになり、ここにくるまで1カ月半。待たされた上に、実際に確認すると自分たちの居住予定の空間からリース部分に水漏れ問題が発生していることが判明しました。
それも家が建ってから20年の間、修理しては水漏れが発生を複数回繰り返し、一度、天井が抜け落ちたことがあったようで、すべて、リース契約の借り手から状況を教えてもらいました。

売主が意図的に隠ぺいしていたかはわかりませんが、こんな大問題がありながら、私たちが何度もすべての部分を確認したいと伝えたにも関わらず、「問題なし」としてきた不動産会社の怠慢には憤りと不信感を感じました。
ここまでの弁護士費用 £3800とHouse Surveyにかかった£500は返ってくることはなく、泣き寝入りするしかないとのこと。
夫は今回のケースは法的にどうしようもないものと腹を括っていましたが、私は納得できず、弁護士事務所に相談してみるよう夫に掛け合い、弁護士事務所に抗議してもらったものの、「不運」との回答。

今回、被害を被っているのは買主である私たちなのに、なぜか、売主から不動産会社に補償金が払われることになったようで、「なぜ不動産会社に???」と怒りは収まらず。

イギリスの売買システム、どうなってんだーと怒り爆発の私は、法的にどうしようもなくても、不動産会社にこちらの気持ちを伝えるべきだと、夫に不動産会社に連絡するよう再プッシュ。

不動産会社に、「もっと早くリース契約部分を見せてくれていたり、そもそも売主から売却依頼があったときに全ての占有部分を確認されていたら、今回の無駄な契約は発生していなかったもの。こちらは弁護士費用とSurveyで£4300かかっているのをどう思っているのか。」と質問したところ、「悪かった。今後はこのようなことがないよう気を付ける。以上」

日本の不動産購入システムやサービスと違い過ぎて、高い勉強料だったなと思いますが、郷に入っては郷に従えで、今後は不動産会社も慎重にしないといけないなと痛感しました。

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