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ベッドは聖域か?バングラで崩れたこと

お風呂に入らないままでお布団に入れますか?

身体がキレイじゃないと嫌…
パジャマに着替えないと嫌…
それとも、
化粧したまま倒れ込んじゃう♡
ベッドをキレイに保つ必要はない。

みなさん、どちらでしょうか?

私は、子どもの頃から「ベッドはキレイなもの」という教育というか、そんな雰囲気の中で育ったので、”ベッド=聖域”と思っていました。

ここでいう聖域とは、「キレイなところ」「汚いものに侵されないところ」とかそんなイメージです。

ベッドは聖域だと思っていたので、旅行の時は結構気になっていました。旅行先の枕とか、清潔そうに見えても、なんとなく落ち着かなくて、自分のタオルを敷かないと熟睡できなかったり。

でも、私が18歳の時、その概念は崩されました。
崩したかったわけではなく、崩れてしまったというかんじです。

バングラデシュに渡航し、首都ダッカで泊まったホテルはとても綺麗でした。

田舎のカリガンジに行った時、その後の人生に大きな影響を与えたことが起こりました…。

カリガンジにはユース会議に参加するために行ったので、泊まる場所はキレイなホテルではなく、寮のような雰囲気のところでした。

エアコンもなく、窓も、あったかどうか?というレベルです。

ロッタナという名前の同い年くらいの女の子と一緒の部屋になりました。

2階に上がり、部屋に入ると、ベッドが2つありました。
奥にはシャワーとトイレがありました。

ここが宿

私は通路側のベッド、ロッタナは奥のベッドに荷物を置くことになりました。
19歳の私にとっては、なかなかの…チャレンジングな環境で、「ここに何泊かするのね…」と覚悟を決めて部屋を見渡しました。

そして、ロッタナはベッドの上に畳んで置いてある白い蚊帳を手にして、

”バシンバシン”とベッドを叩き始めました。「?!」と目を見開いて見ていると、ベッドの上にいる小さい虫や蚊を払っているようでした。

払い終えたロッタナは、慣れた手つきでベッドの上に蚊帳をセッティングしていました。

そこで私は悟ります。「虫を払わないといけないようなベッドで寝るのね…」と。

その後、友達が入ってきました。わりと…”ズカズカ”と。

ベッドの近くに置いてあった私のスリッパを蹴飛ばし、挨拶程度の会話をして、断りを入れずに私たちの部屋のトイレを使っていました。
「トイレ借りるね?」とか、聞かないんだね、とだけ思いました。でも、さすがに他人のスリッパ蹴っ飛ばしたら、なんか言ってくれてもいいんじゃないかと思いました。笑
その子は気づいていたのか、気づいていないのかわかりませんが、何も言いませんでしたし、当然ながら直しもしませんでした。

そこで再度、私は悟りました。「異文化の中で数日過ごすのね…」と。

と思っていたら、さっきまで外で座っていたお尻たちが、何も言わずに私のベッドの上で座り始めます!!しかも3人も!!

もう、こう思うことにしました。
”ベッドは私の聖域ではない。これまで知っているベッドはここにはない”と。

夜、蚊帳の中で寝ようとするも、なかなか安心できず、ごろごろとしていると、天井近くの何かと目が合いました。
ヤモリでした…私は初めての至近距離のヤモリに凍りつきました。「ヤモリって飛ぶ?蚊帳の上に降ってきたりする??ていうか、ヤモリって何?!」
夜中のプチパニックでした…ヤモリの鳴き声を初めて聞きました。
(今はヤモリは好きです。虫を食べてくれるらしいし、最近は可愛いと思って見れるようになりました。笑)

この、4つの事件は私の価値観を大きく変えたような気がします。
①蚊帳でベッドの虫を払う事件
②私のスリッパ蹴飛ばされ、そのまま事件
③部屋のトイレ勝手に使われる事件
④勝手にベッドの上に座られる事件

必死の笑顔。photo byロッタナ

18歳なんて、ほぼ子どもで、家と学校しか知らないようなものなので、年齢的にもかなり衝撃的だったんだと思います。

これまでの価値観をハンマーで粉々にされた気分で、バングラデシュでの会議を始めたのでした。

若者たちとの会議は熱く、良い会議でした


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