事業撤退を決断した理由
株式会社ハラサポをたたむことになりましたのでご報告いたします(*1)。苦渋の決断でしたので、たたむことを決断した理由をこの記事に残したいと思います。また、それにより学んだことも合わせてお伝えします。
【この記事の目的】
・何かを続けるか辞めるか悩んでいる方が、決断の参考にできるように。
・株式会社ハラサポのお客様やご支援してくださった方が、ハラサポをたたむ理由を理解できるように。
・私自身が、心の整理をして新しいことを始められるように。
上記の目的に少しでも興味がある方は、記事を読み進めていただけると嬉しいです。
会社をたたむことにした理由1つ目
まずは、会社をたたむことにした理由をお伝えします。大きく2つの理由があります。
1つ目の理由は、ハラサポの食事指導サービスが「儲からない事業」になっていたからです。なぜ儲からないのかというと、人件費と広告費の割合が高く、利益率が非常に低い状況だったからです。さらに買い切りというフロー型のビジネスモデルになっていて、新規顧客をとり続けなければいけない状況でした。
もちろん対策として、人件費を削減することを検討しましたし、継続率とリピート率を上げようと根気強く施策を打ちました。しかし、結果は思わしくありませんでした。
こうやって文章にすると、「儲けにくい事業であることを起業前に気づけよ!」と自分で過去の自分に突っ込みたくなりますね...(涙) とても恥ずかしいです...(涙)
会社をたたむことにした理由2つ目
2つ目の理由は、会社設立時の初心と現状がずれていることに気づいたからです。ハラサポは、設立後に共同創業者が健康上の都合で離脱しています。共同創業者の想いを普及させたく立ち上げたにも関わらず、本人がいない歪な状況でこれ以上続けることは設立時の初心と違うのではないかと改めて気づいたのです。共同創業者が離脱した瞬間は、頑張って継続することしか頭にありませんでした。今考えると、責任感に捕らわれて冷静じゃなかったのだと思います。
共同創業に関する詳細はこちらのnoteをご覧ください。(共同創業者を攻める意図は全くありませんので、ご理解ください。)
私は、会社を設立したときに、なぜ事業を始めたのかという理由をメモしていたのですが、たまたま昨年秋頃にそのメモを見返す機会がありました。そのメモには「原さんを応援したい」という言葉がはっきりと残っていました(原さんは共同創業者の方です)。この言葉を見たときに、今私が会社を継続している理由は、設立時の想いではなく、ただの意地であると思いました。
そして、設立時の想いという信念を見失ってしまった私には「儲からない事業」を「儲かる事業」に変換する力は残っていませんでした...。これが決断の最後の後押しでした。
失敗から学んだこと
この結果は完全に私の実力不足でした。次の事業を開始するなら気を付けることは次の3つです。
1つ目
人材への報酬は慎重に設定すべし!報酬を下げることは容易ではないため、最初はなるべく低くギリギリのラインを設定するべし!
2つ目
フロー型ビジネスなら、リピート率が高いことが実証実験で証明されない限り、絶対に事業化するな!
3つ目
人がコアになる事業は、提供価値が分かりづらく、かつ変数が多くなるので難易度が高い。できれば、システムやモノに頼ったビジネスから始めるべし!
事業を撤退する本当の理由
ここまでは私個人のお話を書いてきましたので、ここからは事業を撤退する理由を汎用的に整理しようと思います。結論、事業を撤退するのは、経営者の気持ち次第だと私は考えています。
まず、事業の状態を次の4象限に分けて考えます。
①は、黄色信号で、継続しても良いでしょう。信念がなくても儲かるのであれば、割り切って事業を継続する経営者もいると思うからです。ただし、それが長期的に続くか要注意です。
②は、青信号で、継続して全く問題ないです。やる気もあって儲かるのであれば、継続は明らかですね。
③は、赤信号で、絶対撤退です。火を見るよりも明らかで、早々に撤退したほうが良いでしょう。正直私はこの状態でした。
④黄色信号で、儲かりにくいですが信念があれば継続しても良いでしょう。副業で稼ぎながら続けるのもありですし、慈善事業でも良いですし、信念があれば粘り強くなんとか儲かるように変換することもできるかもしれないからです。私の周りにはこの状態で努力を続けている方が多くいます。心から尊敬し応援しています。しかし、一度撤退して、仕切りなおすという手段があることをお忘れなく。
ここで議論したいのは、最後に述べた黄色信号の④です。信念という可視化しにくいものが基準になっているからです。私も悩んでいるときは④の状態でした。自分の信念がどれくらいの強さなのか測ることがとても難しかったです。こんな未来を描きたいと誓ったじゃないか、別で稼ぎながらも続けたほうが良いのではないか、始めたくせに途中で投げ出すくらいの気持ちだったのかと自問自答し、とても悩みました。深夜の寒い公園で2時間くらいベンチに座って考えることも多々ありました(笑)
悩みの解決の糸口として1つだけお伝えすると、信念に疑問を持ち始めたということは、それはもう信念が崩れてきていると考えるべきだと思います。もし、撤退か継続か悩んでいる方がいれば、自分の信念について見つめ直してみてください。少しでも自分の信念に疑問を持ってしまうのであれば撤退もありだと私は思います。信念を持っていることは嘘ではないです。ただ外部環境によってその信念を貫き通せないこともあると私は考えています。
このように、事業を撤退するのは、経営者の信念次第だと私は考えています。
最後に
この場をお借りして、株式会社ハラサポのお客様、応援してくださった方、一緒に働いてくださった方に心から御礼申し上げます。本当に本当にありがとうございました。
不甲斐ない結果となりましたが、私は株式会社ハラサポを設立したことと、共同創業者がいなくなっても1人で約1年間継続したことを後悔していません。
最後に、ハラサポの意思を受け継いでくださった企業様をご紹介します(五十音順)。どの企業様も食事を通じて人々の人生を豊かにしてくれることを楽しみにしています。読んでくださった方も応援を宜しくお願いいたします!
eatas株式会社 様
https://eatas-inc.com/
データを活用し栄養とコミュニケーションを通じて顧客のパフォーマンスを最大化するアプリを運営。経験豊富な管理栄養士が監修しているコミュニケーションがしやすいアプリです。管理栄養士の暗黙知が可視化されることに期待大!
A-yoshi 様
https://a-yosi.jimdofree.com/
ダイエットと栄養、食事の専門家。男性の管理栄養士の方が、ダイエットサポートからレシピ考案まで幅広く実施されています。落語が趣味の方で、楽しいダイエットサポートになること間違いなし!
食と健康マネジメント 様
https://shokuken-mgt.com/
管理栄養士のクラウドソーシング。管理栄養士として支援できる業務の内容や地域、管理栄養士ごとの得意な分野で、企業で求められているスキルを持った管理栄養士を探すことができます。経験豊富な管理栄養士の方が取りまとめているので、高品質にお仕事を完了してくださいます!
DIET CURE 様
https://diet-cure.com/
オーダーメイドダイエットサポートを実施。温かくて優しい管理栄養士の方がLINEを用いたダイエットサポートを実施してくださいます。定期的に送られてくるレポートによって食事がデータ化されます。データを元にダイエットサポートしてほしいという方におススメです!
U-PLUS 様
https://u-plus.jp/
食事指導に特化した伴走型オンラインコーチングサービス。ダイエットを続けられるように全力で管理栄養士がコーチングしてくれます。バランスの良い食事を継続するために誰かに見守ってほしいという方にめちゃくちゃおすすめ!
(*1)サービス終了は、2023年5月14日(日)です。その後、会社清算は2023年夏頃を予定しております。