観光DXってなんだろう?!
近年、観光業界で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉をよく耳にするようになりました。私自身も数年間、観光業のDXに関わってきましたが、その中での経験や実例を元に、観光DXについて考えていきます。
まずは観光庁が提示している「観光DX」について見ていきましょう。
観光DXとは?
観光DXとは、デジタル技術を活用して観光業の効率化やサービスの向上を図ることを指します。
単にデジタル化するだけでなく、データを活用して新たなビジネスモデルやマーケティング戦略を生み出すことができます。
観光庁が唱えているのは下記のような取り組みになります。
1. オンライン予約システムの導入とビッグデータの活用
観光施設や宿泊施設でのオンライン予約システムや決済システムの導入により、予約情報や顧客の行動データが蓄積されます。このデータを使えば、繁忙期の価格設定や人員配置を効率化することが可能です。結果として、施設の運営がスムーズになり、リソースの最適化が進みます。
2. ビッグデータを活用したマーケティング
予約システムや決済システムで収集されたビッグデータを分析することで、顧客ごとの行動パターンや嗜好を理解し、ターゲットに合わせたプロモーションを行うことができます。例えば、特定の季節に訪れる顧客に向けたキャンペーンや、リピーターに向けた特典の提案ができます。
3. リソースの効率化
ビッグデータを活用することで、施設やサービスのリソース(スタッフ、設備、部屋など)を最適化できます。これにより、無駄な経費を削減し、運営を効率化することが可能です。
4. 人材育成とリテラシー向上
デジタル技術やビッグデータを活用するには、それを使いこなせる人材の育成が重要です。観光業者や自治体のスタッフ向けに研修や教育プログラムを提供することで、観光DXを促進できます。デジタルリテラシーの向上が、DXの成功には不可欠です。
分解してみる
ザクっと書いてみるとこんな感じです。
電話やFAXで予約を受けていたものをオンライン化します。
予約システムで得たデータを応用して他のビジネスのデジタル化をする。
さらにそのデータを使ってマーケティングなど販促に活かす。
それらを使う人の育成とリテラシーの向上をする
こんな感じです。
例えば、ホテルやバスなどの必ず使うインフラの集客データを使って、近隣のお店に来る来店客数などを予測し、フードロスや過剰在庫を減らす。
さらに、そのデータを使って、「いつ、どこで、だれに、なにを、どんなふうに?」という具合に広告やSNSなどで販売促進をする。
そして、それらを使う人の育成をする
とはいえ、結構大規模で、大ごとですよね。
なので、もっと身近な観光DXとはどんなものかを考えてみた。
身近な取り組みとして考えられること
観光DXは、大規模なシステム導入だけでなく、身近なところからも始めることができます。例えばこんなかんじ。
予約にFAXを使っていたものを、メールやgoogleフォームに変更する
観光地の商品を6次産業化し、ECサイトで販売する
SNSやホームページを使ったプロモーション
生成AIを活用して観光地の紹介文や動画、音楽を作成する
紙媒体の観光雑誌をWebメディアに移行する
AIチャットボットを搭載した観光情報サイトを作成する
観光地の混雑状況や天気をリアルタイムでWebカメラで配信する
地元のお祭りをインスタグラムなどでライブ配信してみる
など、あげればいっぱい出てくると思います。
無料で使えるgoogleやSNSは観光DXには欠かせないツールになります。
また、デザイン系ではCanva(キャンバ)などが使えます。
ChatGPTを使って、テキストの下地を作って、時間の短縮もできます。
DXには色々なツールやアプリを横断的に使い、目的を達成させることが重要です。
もしかするとDX化というのは、「ツールやアプリを使いこなせること」なのかもしれませんね。