薬局で治療に活用したい!糖尿病連携手帳
本日のnoteは、「糖尿連携手帳」について。
皆さんは、糖尿病連携手帳をご存知でしょうか。日本糖尿病協会が発行している小冊子で、糖尿病に関する情報を一元管理することを目的として利用されています。
この糖尿病連携手帳。薬局にはあるのですが、いかんせん活用ができていません。しかしながら、「もっと活用したい!!」という気持ちがフツフツと芽生えてきまして・・・。
糖尿病連携手帳とは?
日本糖尿病協会が発行している小冊子。2010年に初版が発行され、現時点では第4版が発行されています。
疾患・検査値の内容や、服薬情報、かかりつけの医療機関、血糖コントロールの目標などを記入することができます。糖尿病に関する情報を一箇所でまとめることで、医療従事者同士で情報を共有することができるのです。
薬局にも2、3冊置いているのですが、血圧手帳と違って患者さんの認知度が低く、利用している人を見たことがありません。
自己管理応援シール
糖尿病の自己管理に役立ててもらうために、同協会では専用のシールも用意されているとのこと。シールはPDFをダウンロードし、印刷して自分で作成することができます。
おサルのキャラクターかわいい。
糖尿病連携手帳のメリット
糖尿病の患者さんは私の所属する薬局にも多数来局されています。しかしながら、服薬状況は良好であっても、生活習慣の改善に対しては消極的な患者さんも中にはいらっしゃいます。
糖尿病は、超高齢化社会の日本にとっての重要課題であることは間違いありません。糖尿病が進行することによって起こる三第疾患(腎症・網膜症・神経症)は患者さんのQOLを著しく落とします。その他にも、糖尿病は癌や歯周病との関連もまります。
しかし、発症して重篤な疾患が現れるまでに時間がかかることがほとんどです。そのためか糖尿病を軽視し、治療に積極的になれない患者さんが多いもの。
この手帳があれば、患者さんとのコミュニケーションを取るきっかけになります。そこから、手帳の情報を元にした、生活習慣に関するアドバイスができる。
糖尿病の基礎的な情報や、血糖値検査の予定なども記入できます。患者さんにとって、治療の状況がわかりやすく、前向きな行動変容に繋がりやすい
と感じました。
どうすれば使ってもらえるのか
手帳の存在を知ったときは、「この手帳いいじゃん!!」と思いました。なかなか生活のアドバイスまで踏み込めない患者さんもいるなか、投薬中の話題が広がるきっかけになるかもしれません。
なによりも、患者さん自身が糖尿病の治療に前向きになれたら嬉しいです。
どうすればもっと使ってもらえるか・・・と考えてみたところ、まずは医療従事者の認知度をあげなければいけないと感じます。
私も、お恥ずかしながらきちんと内容を見たことがない医療従事者の一人でした。まずは必要な患者さんに、手帳を勧めることから取り組みます。
あとは・・・やはり患者さん自身の意識変容を促せるよう、普段から話せるようになりたいです。患者さんが「糖尿病ときちんと向き合おう」と思ってくれないと、この手帳を使ってもらえないと思うのです。手帳に記入することが面倒くさかったり、わざわざ病院に手帳を持っていくことが大変だったり。
患者さんのことをもっと知りたいので、より手帳が広まってくれたら嬉しいです。