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イマジネーション・トレーニング法の「概要」
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イマジネーション・トレーニング法の概要、第六稿
鳴笛思徳、識
2021年8月7日(土)
①「序掄」
「イマジネーション・トレーニング(法)」というものをおおよそ説明するお約束でしたが
どう説明するかをずっと考えていました。
わたしにとっては、あまりに単純なので却って説明するのが難しいテーマです。
方法として自然発生的ではあっても具体的に考えるとなかなか難しい部分もあります。
まず差し当たり、これは「絵でするメモワール法」と置き換えることができます。
② 「メモワール法の概要」
では「メモワール法」とはなにか?ということですが
メモを取るということは誰でも当たり前にすることでしょう。
これを意識して継続的、組織的にする訓練を、わたしは「メモワール法」と呼んでいます。
わたしはスマホやiPadやコンピュータでこの「メモワール」を分類整理して管理しています。
それを「クラウド」というところにまとめて保管してあります。
一箇所にメモをまとめておいて、いつでも見ることができるのが非常に重要で、
メモワールを簡単に読み返せることが必要です。
コンピュータ技術の発達でこれは初めて可能になりました。
だいたい現在では20,000件以上の「メモワール」があり、それは毎日どんどん増えています。
たとえば、いまわたしは「メモワール法」を使って、このお便りも書いています。
「メモワール法」とは簡単に言うと「一種の知的生産性の方法論」です。
③ 「イマジネーション・トレーニング法の実際」その1
「イマジネーション・トレーニング法」でも「メモワール法」でもだいたい同じ原理で構成されており、違うのは「ことば」を扱うか、絵を描くか?の違いだけです。
なんらかの形で「端的な具体化」「端的な現実化」を行うことが共通の特徴です。
メモワール法とはことばを使った「イマジネーション・トレーニング法」で、
イマジネーション・トレーニング法は、イメージのメモワール法です。
とりあえずはここでは、「イマジネーション・トレーニング法」の方で説明します。
イマジネーション・トレーニングは、絵をなんでもいいから描くということがその、そもそもの出発点です。
ですが、それはとても当たり前で、どんなやり方でも「絵を描く」ということが
「絵画」の技術の出発点のはずです。
ですから若干奇抜であっても、まったく理不尽な方法論ではないと思います。
では「イマジネーション・トレーニング法」の特徴や個性はどういうところにあるでしょうか?
ほとんどすべての技術をさしあたりは放棄しているところが大きな特徴だと思います。
石膏デッサンやスケッチなどは、わたしはまったくやっていません。
それは個人的な趣味の問題だと思います。
「絵を描く」ことの能力自体を、絵を描くことによってエクササイズするというアイデアが、この方法論の大きな特徴であり、
これを「アイデア・デッサン、イマジネーション・デッサン」と呼んでいます。
それを「イマジネーション・デッサン・ノートブック」という形にまとめています。
この「イマジネーション・デッサン」がイマジネーション・トレーニング法の基礎になりますが、
現在ではらくがき帳の小さな冊子(イマジネーション・デッサン・ノートブック)が七冊目で
大きな冊子はまだ三冊目
最近必要があり、スケッチブックを買いました。
またわたしは水彩半紙にするのも好きで、さらにクロッキー帳も買ってあります。
水彩和紙の作品は安価なクリアファイルに入れて、
これを「アンソロジー」と呼んでいます。
一冊のクリアファイルには20枚ほどの作品が入り、
現在「アンソロジー」は25巻ほどです。
小さな紙や大きな紙にもそれぞれの用途があります。
とりあえずは絵を描くことでアイデアというものをはっきりさせてゆくのが特徴です。
つまり、漠然としたものをなるべく現実的な形で具体化してゆきます。
それでこの方法を「意識的・無意識訓練」と呼んだこともあります。
④「イマジネーション・トレーニング法の理論的背景」
それ以外では、この方法論を、
「イマジネーション・アート」とか「イマジネーション・メソッド」、「イマジネーション・エクササイズ」、「イマジネーション・プレイ」、「イマジネーション・メディテーション」、などと呼ぶこともあります。
それらの名前はイマジネーション・トレーニングのさまざまな機能を象徴しています。
初めはわたしはずいぶんと迷いましたが、現在のところ、
「イマジネーション・トレーニング法」と呼ぶのが妥当だと感じています。
では「イメージ」と「イマジネーション」はどう違うか?
おそらくイメージは「印象」でイマジネーションは「想像力」でしょう。
イマジネーションの方がわたしはより能動的だと感じます。
想像力を意識的に訓練することがイマジネーション・トレーニングでしょう。
イメージとイマジネーション、イメージとインスピレーション、
イメージとクリエイションの関係をこれをやりながら考えています。
またその上で「モチベーション」という課題には頻繁にぶつかります。
これはこの方法論の宿命だと思います。
またさらにわたしはこれを応用して「音のメモワール法」という実験も始めています。
⑤ 「イマジネーション・トレーニング法」と「メモワール法」の「相補性」概念
また、ここで「イマジネーション・トレーニング法」と「メモワール法」との「相補性原理」というものをわたしは発見して、
絵を描くことについて具体的な言葉で書くこともしています。
これは実際にやってみないとどんな感じかよくわからないかもしれません。
たとえば「元気に楽しく」「自由で愉快に」などのかなり漠然とした抽象的なメモワールもあり、
「黄色と青のコントラスト、白と黒のコントラスト、
程よい滲みや濁り、
この「色の緊張関係」を画面構成することが「魔」の作業の特徴である。」
などの細かい具体的なもの、
また
「紙が充分にないと安心して作業ができない。」
「赤と青と黄色のポスターカラーが欲しい。」
「ジェッソやナイフ、アクリルの技術を勉強したい。」
「いったいこんなことをして絵など描けるようになるのだろうか?」
「ここのところイマジネーショントレーニングの作業が滞っている。」
( 「イマジネーション・トレーニング法」の作業は頻繁にストップします。 )
などの細かいメモワールをまとめている部分があります。
これは「イマジネーション・メモワール」と呼んでいます。
⑥ 「イマジネーション・トレーニング法の実際」その2
また、「イマジネーション・デッサン」を描くという作業では、
これは下手でも、最悪デタラメでも、とにかくなんでもいいのです。
うまく描けることもあり、またまったくうまくいかないこともあります。
すぐに優れた作品を作る必要はありません。
つまりこの方法は、その人なりの、どうすればいい絵が描けるかを考え、探求する方法です。
そういう稽古を通じてなにかの藝をだんだんと獲得することを目指しています。
そして、これを継続することが訓練の訓練たる所以です。
ですからこれを「トレーニング法」と呼んでいます。
その上でぶつかった課題に「イマジネーション・デッサン」や
「イマジネーション・メモワール」などの方法を使って、自分の力で考えてゆくことがその大きな特徴となっています。
また、そのときどきに出会った課題をよく考えてなんらかの形で解決します。
たとえばつい最近のトピックでは、「イマジネーション・ルーティンワーク」といって、
毎日ちょっとずつ、似たような単純な図形(丸や四角など)を、描く作業を始めました。
これは「イメージの筋トレ」「イメージのジョギング」「イメージの柔軟体操」にあたると思います。
しかし、「イマジネーション・ルーティンワーク」も、要するに一種の「イマジネーション・デッサン」です。
⑦ 「イマジネーション・トレーニング法の科学」
イマジネーションデッサンはだいたい整理して管理していますが、
イマジネーション・デッサンをして発見した原理や技術を意識的に分析することも非常に重要で、
その方法はメモワールの形式やイマジネーション・デッサンの形式、あるいはその混合体の表現を取ります。
絵の中に簡単な言葉を入れてみることもしています。
過去には描画自体の大雑把な基礎的分析をわたしなりにやって
たとえば「「あやとり」による画面分割」という技術を発見しています。
理論をふっとひらめいたときに記録することが必要です。
なんらかの形式で「端的に具体化」あるいは「現実的に具体化」することにしています。
ですからかなりよく考えることが必要で、
科学的精神というものが必要です。
科学における研究のように、
必要があれば必要なだけ、さまざまな「イマジネーション・デッサン」を繰り返して、
疑問点を「イマジネーション・メモワール」という形で考えるのが
だいたいの基本的な方法論になると思います。
根本のところは絵を画く意志力の問題であり、その意志が重要な出発点です。
それに適合する方法論や道具を稽古研究しています。
⑧「終わりに」
ちょっとわかりづらかったでしょうか?
することは割合と単純なのですが、理窟を書くとけっこう長い文章になり、わたしもかなり驚きました。
わかりやすくするためさまざまな用語を使ってみましたが、
やってみるとさして難しいことではないと思います。
こんなことで絵が描けるとはちょっとよくわからないと思うかもしれませんが、
わたしはいまのところこういう方法で絵を描いています。
絵が描きたい人はこの方法論を使って、自分の絵を描く能力を向上させることができると思います。
わたしはこの方法論の発案者として、自分の作品にちょっと責任を感じています。
これが「イマジネーション・トレーニング法」のだいたいの概要になると思います。