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#9 公務員だと逃げられない?消防団とは何か。

消防団とは何か。

地方に住んでいる人なら、入団しないか声をかけられたことがある人も多いのではないでしょうか。

今日は、地域を守る"消防団"について話をしてみたいと思います。

私は、大学卒業後、地元に戻ってきてからすぐに消防団に所属しました。
一時的に退団していた時期もありますが、通算では15年ほど地元の消防団に関わっています。

本業の傍らで活動する消防団は大変なこともあれば、良いこともあります。
地方公務員として働きながら消防団に所属していた私の経験や考えについて綴ってみたいと思います。

消防団に興味がある人、誘われているけど入団しようか悩んでいる人の参考になればうれしいです。

消防団とは何か。

そもそも消防団とは何か。どういった組織なのかについて見てみます。
総務省消防庁のホームページには、下記のようにあります。

消防団の概要
 消防団の活動は消火だけではありません。実際にどのような所で活躍しているのか、どのような役割を持った組織なのかをご紹介します。
 消防団は、消防本部や消防署と同様、消防組織法に基づき、それぞれの市町村に設置される消防機関です。地域における消防防災のリーダーとして、平常時・非常時を問わずその地域に密着し、住民の安心と安全を守るという重要な役割を担います。また、近年は、女性の消防団への参加も増加しており、特に一人暮らし高齢者宅への防火訪問、応急手当の普及指導などにおいて活躍しています。

消防団の位置づけ
消防団は、常勤の消防職員が勤務する消防署とは異なり、火災や大規模災害発生時に自宅や職場から現場へ駆けつけ、その地域での経験を活かした消火活動・救助活動を行う、非常勤特別職の地方公務員です。

地域における消防団の重要性
 消防団は、市町村の消防機関です(消防組織法第9条)。構成員である団員は、権限と責任を有する非常勤特別職の地方公務員である一方、他に本業を持ちながら、自らの意思に基づく参加、すなわちボランティアとしての性格も併せ有しています。
 阪神・淡路大震災において、消防団は、消火活動、要救助者の検索、救助活動、給水活動、危険箇所の警戒活動など、幅広い活動に従事しました。特に、日頃の地域に密着した活動の経験を活かして、倒壊家屋から数多くの人々を救出した活躍にはめざましいものがありました。こうした活動により、地域密着性や大きな要員動員力を有する消防団の役割の重要性が再認識されました。

総務省消防庁「消防団オフィシャルウェブサイト」から引用

消防団は法律に基づいて設置されている"非常勤特別職の地方公務員"ということになります。
ここで強調しておきたいことは、"他に本業を持ちながら"消防団としての活動をしているということです。 

本業も忙しい中、地域のために活動するというのは大変なことです。


どんな活動をしているの?

私が15年ほど消防団に関わる中で行った活動を書き出してみます。

火事場への出動

地元で火災が発生した時にはすぐに現場に駆けつけて、水利の確保や消防署の方の消化活動の支援を行います。

地域の活動(地元運動会など)

地元の運動会をはじめとした地域行事に参加し、警備などを行います。

夜警(冬場の見回り)

火災が増える乾燥する冬場は、当番制で夜間に詰所に集まり、地域内を巡回して火災の予防を呼びかけます。

行方不明者の捜索

行方不明になり家に戻らない人がいる時は、消防団が出動して捜索をします。

定期的な訓練

火災の時に滞りなく消化活動ができるよう、定期的な放水訓練が行われます。

消防行事への参加

消防出初式などの行事に参加することもあります。

器具点検

定期的に集まり、消火活動などに使用する器具等の点検、手入れを行います。

ポンプ操法大会(今は無くなりました。)

ホースを投げ放水するまでの型を、いかに素早く正確にできるかを競う競技会に参加します。大会前は毎日のように早朝からの訓練も行われ、身体的な負担も非常に大きいです。それが理由かはわかりませんが、私の地域ではコロナ禍後に大会は無くなりました。

災害時の消火活動、救助活動など

私は今のところ経験がありません。
ただ、阪神淡路大震災など、大災害の時は地元の消防団は幅広い活躍をしたそうです。災害時は交通網も滞ります。行政の支援が届く前に地元の消防団が活躍することはイメージができると思います。


消防団に所属するメリット・デメリット

こうしてみると、本業の傍らで行うにはあまりにもやることが多いです。
そこまで大変な思いをしてやる意味はあるのでしょうか。
私が実際に活動して感じたメリットとデメリットを書き出してみたいと思います。

メリット

  • 業種を超えて、地域の人との横のつながりができる。

  • 社会、地域に貢献できる。

消防団では団員同士の付き合いもあり、横の繋がりから人脈が広がるきっかけになります。同じ職場の中でも、消防に所属している人同士、何かと共感が生まれるので部署を超えて仕事がやりやすくなる面があります。
これは、意外と侮れないメリットです。

また、災害時の救助活動など、地域にとってなくてはならない存在だと思います。地域貢献はやりがいの一つになり得ます。

デメリット

  • 活動に多くの時間を取られるため、自分の時間や家族との時間が減ってしまう。

  • 本業とは別に活動するので、身体的な負担も大きい。

やはり、多くの時間が取られてしまうことが一番のネックです。
また、今は無くなりましたがポンプ操法大会に向けた早朝練習は身体的な負担はかなり大きかったです。


消防団に所属して実際どうなの?

私は地方公務員ということもあり、入団の誘いがあった時に正直断りにくい空気はありました。
いわゆる同調圧力で入団することになったと言っていいかもしれません。

一方で、消防団に所属していたことで、地域の中の知り合いが増えて仕事がかなりやりやすくなったことも事実です。

ただ、活動内容の一部には、これ意味があるのかなーと疑問に思うことが多々あります。
活動内容の無駄を排除し、明確な目的のある活動に絞っていくことで負担を軽減することも必要だと思います。

現在、どこも新入団員が集まらないという話をよく聞きます。
目的を持って活動内容を見直していくことで、消防団の存在意義を意識してくれる人も増えると思います。
結果的に入団しやすい環境が整えば良いと思います。

来年度、私は少し負担の多い役職に就くことになりそうです。
所属して活動するからには前向きに捉えたいと思い、改めて消防団活動について考えてみました。

消防団に関して、悩んでいる人の参考になれば嬉しいです。

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