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第2話:英語アレルギーの私を変えた男【IRORI】

第1話はコチラ

あの日、kaisuクンに惚れてしまった私は、「第2回集まろう!」という声に即座に反応し、自ら「ここのゲストハウス行きたいです!」と提案する始末。

そう、わたしが次に会いに行ったのは、囲炉裏のあるゲストハウス、IRORI HOSTEL&KITCHEN。
日本!和!という雰囲気が好きな、普段とは違った経験ができるオシャレなゲストハウスとあらば、私が逃すわけはない。

当日、チェックインしてまず驚いたのは、その快適さ。
エレベーターを降りればその階の宿泊者のためにロッカーが設置してあり、暗号式で利用できる。
なんてさりげなく、かっこいい優しさなんだ!きっとここもイケメンに違いない!

そんな私の期待を、彼は、いい意味で裏切ってくれた。

「ようこそ!名前は?あ、なるって言うんだ〜!
僕のことはいろりんって呼んでね?
きょうたこ焼きするけど食べるよね?」

なにこのスーパーフランクなお兄ちゃん...。
一瞬怯んだ私だったが、たこやきの魅力には勝てない。
かと言って彼が指さす先には、スタッフさんと外国人ゲストが英語で談笑しながらたこ焼き器を囲んでいる図。

そう、何を隠そう私は英語アレルギーがすごいのだ。
コミュニケーションがとれないときの間が嫌い、英語を上手く話せない自分が恥さらしだと今でも思っているくらいである。

「鍋したいんです!囲炉裏使えます?」
「おおっ!火力弱いからあっためるだけになるよ!
キッチンで先に作っておいで」

ポンとさりげなく頭に手を置くいろりん。
ボディタッチが外国人のようで、さらに少し引いてしまう。

たこやきで盛り上がるみんなを見ながら材料が切れる、オープンキッチンスペース。
様子を見ながら鍋の準備をしていると、「洗い物一緒にやるからそのままでいいよ」「いいにおいしてきたね、なる料理得意なの?」と、いろりんが何度か声をかけてくれる。
私がひとりで退屈しないようにとの心遣いなのか、たまにいろりんと話すその瞬間があたたかくて少しこそばゆい。

「たこやき、できたよ!なるも食べな!」

わざわざカウンターキッチンにわたしの分のたこ焼きを置きに来てくれ、「ありがとう」と返事をしようとしたら、「ふーふー」と必死にたこ焼きに息を吹きかけている。

「ほら、手離せないでしょ、あーん」

いろりんがたこ焼きを笑顔で差し出してくる。ニヤリと笑った目が、私が照れることを見越してわざとやっているのだと知らせてくる。

ぱくっ
「熱ッ!!」

熱すぎて必死に食べていると、外国人ゲストのかたも自然といろりんと微笑みながら私を見ている。
いつの間にか、輪に入れていたようだ。

「鍋、できましたー!よかったらどうぞー!」

そっか、英語じゃなくてもいいんだ、一緒に食べて笑えれば。
そう気づいた私は、「ジャパニーズナベ!」とわけのわからない英語を話しながら、外国人ゲストの方にも自然と鍋をよそって、「おいしいね♡」と会話出来ていた。
私の後にキッチンを使った韓国人ゲストが、私に韓国麺を分けてくれたりもして。

一緒の場所で泊まり、食べる。それだけだけどそれだけじゃないつながりが、いろりんのおかげでわかった気がする。

「なる、また来てね。
作ってくれた鍋、美味しかったよ!
いってらっしゃい!」

私を見送ってくれるいろりんに、思わず大きく手を振ったら、いろりんは噴き出しながら手を振り返してくれた。
いろりんの不思議な魅力。
人と人を繋げてしまう、みんながそこでご飯を食べる、会話が生まれる、笑顔になる。

「また、ゲストハウスに泊まりたい!」

そう思いながら、私は帰路についたのだった。

超フランクな気遣い抜群男子、いろりんと共にご飯を食べたい方、ご予約はこちらから…♡


※いろりんの存在は、フィクションですが、IRORIに惚れたのは、ノンフィクションです。

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