M&Aから5年。スマートメディア代表を退任しました。退任挨拶(全文)
久々のnoteです。
この度ベクトルグループの子会社であるスマートメディアの代表を退任しました。今後は取締役として新社長の品原を支えながら、新しい会社であるインターホールディングスの代表として尽力したいと思います。
2018年にスマートメディアの始まりである、株式会社JIONをベクトルグループに事業売却して早5年が経ちます。私がM&A後もスマートメディアの社長を続けられたのは、ベクトルグループの経営陣が私らしい経営を信頼して任せてもらえたからです。特に買収時から担当役員として支え続けてくださった、ベクトル副社長の長谷川創さんには感謝をしてもしきれません。今回は5社統合や、V時回復の経営など私がスマートメディアで社長として挑戦した軌跡を残したいと思いnoteを書いています。
5社統合、赤字-8500万からのV字回復
5社統合での苦悩
「ベクトルが買収したメディアの会社を一個に統合する。その新社長をやってほしい」買収して直後、長谷川さんに言われてとても驚いたと共に、大きな挑戦を与えられて気分が高揚したのを覚えています。
JIONという買収された会社は5名の女性メンバーのみで、統合によって一気に会社の規模は50名になります。さらに今まで社長をやっていた役員の方達の代表として会社を一つにまとめ上げることになります。それが最初、どんなに大変なことかわからずに正面突破したことで、たくさんの失敗と苦い経験を繰り返ししました。新しい経営体制の構築、MVVの設定、雇用制度と人事評価制度の導入など、小さなスタートアップから一気に大きな企業へと変貌を遂げていきました。様々な衝突や犠牲を伴いましたが、人としての誠実さを軸に、真正面からメンバー一人一人と向き合い、信頼関係構築に努めました。
現場に立って見えたオウンドメディア運営という新しいニーズ
統合によって、5社の売上が合わさったのはいいものも、暖簾代に加え、販管費が膨大に大きくなり(重複している人材ポジションなど、人事的な整理が一番大変だったと思います)当初から営利は大赤字でスタートを切りました。
「とにかく売り上げを上げなくてはならない」
当時合併したJION、OPENRS、笑うメディアクレイジー、メディコマはタイアップ広告とアドネットワークの収益に頼っていました。しかしタイアップ広告は企業のマーケティング予算から獲得するので、景気が低迷した時など経済の煽りを受けやすく、売上が安定していませんでした。
「何か、サブスクリプション型の安定する収益の事業はないか・・」
そんな時に金脈を掘り当てたのが今の主力事業である「オウンドメディア事業」でした。大手企業から年間契約で月額100万円をいただきながら、オウンドメディアの企画・編集・運営全てをオールインワンで受注する商品です。のちに統合したラグルが持つClipkitというCMSも合わさり、オウンドメディアをやりたいと思ったら、システム構築から運営まで全て弊社で完結するサービスを作り上げることができました。
V字回復の経営
スタートを切った2018年から、子会社としてIPOを目指す目標でした。IPOを目指すには、経営経験豊富なボードメンバーを採用したい。JION時代の株主であり、新卒から兄のように慕っている当時VOYAGE GROUPの取締役だった戸崎さんがスマートメディアにジョイン(ベクトル本体の事業開発本部長と兼任)してくれたのが会社経営が軌道に乗る起点になりました。
その後経営の意思決定をよりスムーズにするため、もともと統合時の社長たちに経営を降りていただき、私、戸崎さん、長谷川さんの3名の取締役体制に一新したのも改革が進む起点になりました。そんな意思決定があっても、今も一緒に執行役員としてスマートメディアの経営をやってくださっている松本さん、小川さん、川崎さんには感謝してもしきれません。
そうして2020年には営業利益1億を達成。まさに3年でV字回復の経営を達成できました。その後拡大のために初めてスマートメディアとしてM&Aを実施したり、新規事業に投資して赤字に逆戻りをしたりなど、たくさんの挑戦をしました。一連の経営のハードシングスを実体できたのが、私の経営者としての財産になりました。
退任挨拶(全文)
まず初めにみなさんを前にして浮かぶ言葉は「私を社長にしてくださってありがとう」と言う言葉です。本当に5年間、ありがとうございました。
私の人生にとって一番頑張ったことが、今のスマートメディアという会社を創ったことだと思っています。
私は本当にメディアが大好きで、大学生の頃に女子大生向けのフリーペーパーを作ることから始まりました。皆さんと一緒だと思うんですが、自分で面白い企画を立てて、コンテンツを作って、それが世間から反響を生んで、そしてそれでお金をもらえる。こんなにいい仕事あるのかと、初めて感動してからずっとこのメディアビジネスをやってきました。その集大成がスマートメディアだなと思っています。
会社を運営する中で、WEBメディア事業単体から、会社のメイン事業を「企業のオウンドメディア支援」にシフトをして、本当に正解だったと思ってます。私達はお取引先にとってデジタルマーケティングという分野で非常に価値がある貢献ができている今の会社の状態を本当に誇らしく思います。そして私以上に、オウンドメディアという事業をきっちりと正面から、現場の最前線で向き合ってやってきた品川さんに社長を引き継げたことを嬉しく思います。そして私はまた新しい挑戦に踏み出そうと、そんなことを思った2022年でした。
私はまた新しい会社を始めていますが、一つの山を登り終えたからまた次の山に登るように、私はずっとそういった挑戦し続ける人生をしたいと思っています。なんでこんな安定をしない困難な方の選択を選ぶんだと、自分でもおかしく思うこともありますが、私にとってそれは「自己実現」だと思っています。私の自己実現の定義は「自分の強みを発揮して、それが世間に受け入れられた瞬間」だと思っています。そして自分の能力が世間に受け入れられているピークが、人生の最後であればあるほど幸せなことだと思います。なので、最後の最後まで挑戦を繰り返し、右肩上がりで成長し続けることが大切だと思っています。
きっと私が創ったスマートメディアという会社は、新社長の品原さんの決意と選択で、きっとこれからも世間に評価される会社になっていくと確信を持っています。なので私は、これからもどんどんいろんな会社を作って、それを後世に引き継ぎながら、自分の人生が終わるときに、振り返ったら、自分が歩いた後に豊かで大きな森が生い茂っているような、そんな人生が歩みたいと思っています。なのでまた一からではありますが、新しい挑戦をしていこうと思います。
なので、皆さんにもこのスマートメディアという仕事をしている期間は、人生にとってほんの数年かもしれませんが、先ほどの自己実現の定義の通り、自分がどういう強みを発揮して社会にインパクトを残したいのか、その人生の過程にこのスマートメディアという会社があると思い、日々の業務の1回1回の成果にこだわってほしいなと思います。その努力を積み上げた先に、また次の挑戦が見えると思って、頑張ってほしいと思います。
最後に、人生でこんなに素晴らしい経験をさせていただいて、ありがとうございました。支えていただいた役員の皆さん、それから一緒に売り上げを作ったセールスチーム、そしてそれを納品してくれた最強のオウンドメディアプロデューサーチームの皆さんには感謝をしてもしきれません。これからもスマートメディアの発展に貢献したいと思ってるので、私にできることがあったらなんでも言ってください。本当に5年間、ありがとうございました。
これから〜退任で3人の女性社長が誕生〜
私のスマートメディアの退任によって、嬉しいことに2人の女性社長が誕生しました。まずは後任の品原、そしてD2C事業(ジュエリーブランドmiluna)を共同パートナーとして運営していた石田が、その事業を買取り独立しました。そして、ベクトルのハワイ支社であるパックリムマーケティンググループの後継者を探していたので、ハワイ在住の私の戦友である木村を紹介し、社長に就任が決まりました。
女性起業家を支援することをライフワークにしている私にとって、私の挑戦の後継に、新たな女性社長が生まれていくことにこの上ない人生のやりがいを感じています。
これからも人生を通じて、女性が起業で得られる喜びを伝え、女性起業家率が著しく低い日本に貢献をしていきたいと思っています。
長くなりましたが、今2回目の企業にチャレンジしています。
新しい会社はインターホールディングスといい、日本の発明家が開発した真空特許技術で地球温暖化とフードロスを解決するClimate Tecベンチャーです。
なぜこの事業なのかというと、35歳になり改めて起業家として世界にインパクトのある会社を創りたい、本気で15年後に南場智子さんを目指すなら自ら時価総額3000億〜5000億円規模の会社を創ると考えた時に、大きな市場に挑みたいと思いました。そして現在のカーボンニュートラルやディープテックという時代の流れを捉え、今回の真空特許技術と出会い、この技術が世界を変えるかもしれないと信じ、新たな挑戦を始める決意をしました。
現在資金調達中、事業もリードタイムの長い製造業に挑戦していますが、今いるメンバーと応援してくださる株主様の皆さんと戦い、社会に貢献できる会社に成長させたいと思います。
現在DELLの女性起業家コンテストでファイナリストに選ばれました。
もしよろしければ投票をしてくださると嬉しいです。
今の挑戦が、人類の未来を変えると信じ、また一歩一歩、コツコツと頑張っていきたいと思います。