#モリゼミ 大プレゼン大会

アウトプットは難しい。たぶん、一般的にそう。
人に何かを伝える、というのはやっぱり簡単じゃない。

特に、みんなが知ってる事ではなく、
初めて聞く人にもわかるように、
シンプルなのに筋がとおったプレゼンは、
膨大なインプットと情報を削ぎ落していく勇気と、
心を揺さぶるようなビジュアル・センスと、
それをやり抜くガッツが必要だ。

今回のモリゼミは、4つのチームがそれぞれデンマーク、エストニア、
台湾、オランダについて、これまで3カ月に学んできたことを伝え合う、
大プレゼン大会でした。
これまでの短い時間でも、様々なドラマがあり、それでも最後は、
(まだ最後じゃないけど)カラフルにまとめてくれました。

発表してくれたリーダーたちに大拍手!!!

本当は、発表を聞きながら、共有するためにコメントをメモすべきだったんだけど、インプット重視でガン見してたら、ぜんぜん手が動かず、ここにコメントをフィードバックさせてもらいます。

①まずは何と言っても、我らがデンマークチーム。僕らの強みは、歴史や思想といった背景も深掘りしつつ、現在の教育システムに表現されたデンマークらしさを見極め、それをさらに日本との比較において社会実装にまでつなげようとする構想力!つまり、縦軸、横軸、展開力と三拍子そろった実力派なのです。今後は、デンマークの思想家(グルントヴィとハル・コック)を研究し日本に紹介している研究者さんへのインタビューを計画していて、それがとても楽しみです。どうやって、上滑りではない本当の民主主義を、我らの日本に導入していけるか、ここから真剣勝負に挑みたい。

②続いて、デジタル・ガヴァメントで世界をリードするエストニア研究チーム。他の3国と比べて、日本では圧倒的に情報量が少なく、エストニアどこ?からイメージを喚起するのが大変。でも、地図や歴史、民族や言語的な背景までフォローして、なかなか聞きごたえがありました。デジタルからイメージするスマートな印象だけではない、サウナを愛する国民性や、基盤としてのデジタルを「自分事化」するあり方をリサーチクエスチョンにすえ、これからどのように深掘りしていくのか、とても楽しみです。

③そしてお次はお隣の台湾!最近では、新型コロナ対策の成功事例として、多くのメディアでも紹介されているようです。台湾について、私は学生運動や社会活動といった運動論の系譜に興味を持っていたのですが、デザインを重視した社会設計の歴史があるようです。どうやら戒厳令下の50年代から、今でいうところのナッジ(行動経済学)的な発想で、レシートにくじ引きの要素を導入して、売上げをきっちりと会計処理させるインセンティブを与えるなど、今聞いても新鮮な発想力があります。こちらのテーマは、なぜ若者がそんなに政治に熱くなれるのか?日本とも深いかかわりのある地域だけに、今後の実践へとつながる学びが得られそうです。

④最後にオランダ。オランダといえば風車?いや、マリファナ?それもこれもまぜこぜにした多様性、がテーマ。今回の発表でなるほどな、と思ったのは、オランダは2000年にも及ぶ治水の歴史があり、自然との闘いや共生の中で身に付けた、走りながら考える、といった実践的精神がルーツにある、ということ。また、日蘭貿易にも見られるように、アジア、アフリカ、中南米にも及ぶ大交易国家として、多様な民族、宗教との葛藤を乗り越える中で得られた共生のマナー(生き方)が、今に続く徹底した多文化共生主義なのかもしれない。

最後に、今回の4つのテーマ対象が、どれもだいたい九州と同じ大きさだということが、不思議と言えば不思議。ちょうどいいサイズなのかな?我らも自分事として考える公共空間を創っていくためには、サイズの議論は大切かもしれない、と思う日曜の夕暮れ。。

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