軍馬のプラモで精霊馬はいかが?

祖父母は太平洋戦争を経験していました。生前に戦争体験を語ってくれたことはほとんど無く、1、2回しか聞いたことがありません。

祖母からは「空襲の時、馬が近所の国道を走って逃げていた」と聞きました。その国道は、私が物心ついた時には既に片側3車線で、アスファルトで舗装されていていました。トラックや乗用車がバンバン走り、週末の夜には暴走族がやかましく走る、そんな道でした。 そこに馬が走ったというのが驚きでした。

祖父は陸軍歩兵で、「敵が撃ってきた時に、仲間が馬をどうにかしようとしていた。そんなのほっといていいから隠れろと言ったのだけど、撃たれて亡くなってしまった。復員後に遺骨を生家に届けたら、とても喜ばれた」という話でした。

大人になり、そういえば祖父母の体験談はどちらも馬に関するものだったと気づきました。当時はまだ車も少なくて、馬はいまよりずっと身近な存在だったのだと思います。
そう思うようになってから、いつか日本兵と馬のジオラマを作ってみたいなと思っていました。
昨年末、偶然にファインモールドから軍馬のフィギュアが発売されることを目にして「これだ!」と思い、発売を心待ちにしていました。

充実した解説

20数年ぶりに買ったプラモデル。説明書には3ページに渡って、軍馬と荷馬車について詳しい解説が記述されています。

お馬さんは頭と胴体、耳と尻尾の構成。引き締まった体をしています。

荷物に貼るデカールには昆布巻、干物、ひじきなど、身近な食べ物の名前が。
祖父は従軍中、どんなものを食べていたんだろうか。歩いた道の色は、空の色はどんな色だったんだろうか。

祖父は2度出征しているのですが、詳しい足取りを聞いたことがありませんでした。
ネットで調べてみると、三親等以内の血族であれば、役所に申請すれば親族の軍歴と所属した部隊の履歴を確認できることがわかり、申請してみました。

旧字体もあり解読が必要

祖父は一回目の出征では現在の北朝鮮に、二回目は中国大陸に行っていました。北朝鮮の冬は寒かっただろうなぁ。中国大陸は、現在の写真ならネットで見つけられそうだ。土の色は当時と変わらないかな。

従軍した親族の軍歴を確認して偲ぶことができるのも、我々の世代までです。縁があった方は取り寄せてみてはいかがでしょうか。

そうだ、この軍馬をささっと組み立てて、お盆で帰省した時に仏壇に飾ったら精霊馬になるかなぁ。

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