私の声ってどんな声?|声の印象を教えてもらう・伝える
すっかりnoteでご無沙汰してしまいました。ナレーターのむとうまきこです。(季節が変わったのでヘッダー画像も新調!)
↓こんな会に参加させていただきました。
参加した感想、ツイートじゃ収まりきらないはず!こんな時こそnote書くべきなはず!と思って、久しぶりに書きます!
1.楽しかった
「小学生の感想文」丸出しなのですが、楽しかったんです。すごい楽しかった・面白かった。
主催してくださったのは、「マキ」の名を持つ先輩であり、私が子供時代を一番長く過ごした横浜市青葉区でFMラジオのパーソナリティをしていらっしゃり、元マック人という共通点まである、不思議なご縁をずっと感じている高木真紀さん。
そして、はじめましての方がお二人の計4人。
本筋とずれますが、私、何が好きって、多分はじめましての方と新しくお知り合いになれることが好きなんだなって。
メインにしている仕事の方向性やキャリアの長さが全然違う(安定の私がいちばん新人!)方たちとお知り合いになれて、それぞれの感性を持ち寄っていろんな話ができるって、普通に生活していたらなかなかできないことで。
どうしても日々の生活圏内では似たような趣味嗜好・生活スタイル・ビジネスモデルの人たちとしか交わらないから、こういう機会が目の前に落ちてきたら、私は何をおいてもキャッチしに行く気概で生きています。声の仕事をする「私」の半分ぐらいは、この気概のおかげでできていると言っても過言ではない!
2.人のボイスサンプル聞くのが苦手
で、唐突な告白なんですが、私、人のボイスサンプルを聞くのがすごい苦手だったのです。
なんか、「むはぁぁーーーー!!!あの人のーーー声だーーー!!!」ってなっちゃう。勝手に照れちゃう。気恥ずかしくなって最後まで聞けないことも。(分かりますかね?これを共感できた人、過去に1人しかいない。
最近ようやく「最後まで聞けない」は脱したのですが、「ちゃんと聞こう」と思うと、今度は「上手い」「下手」の2種類に分類してしまうところがあって、「ちょっとこれは…」と思うと最後まで聞かず、「あぁお上手だな、こんなふうにナレーションできるようになりたいな」と思う方のサンプルだけをエンドレスリピートで聞く、という鑑賞スタイルになっていました。
しかし、そもそも「上手い・下手」は私の主観だし、ペーペーが人に下手とか言ってんじゃないよという話ですし、いちばん衝撃を受けたのは、第一線で活躍する某ナレーターさんが、発展途上なサンプルへのアドバイスを求められてすごく真摯にレスポンスしているのを見かけたこと。
物事の表層だけとらえて、勝手にジャッジして、解釈したり咀嚼することを放棄してはダメだな(特に仕事柄)と大反省しました。
以来、未完成なサンプルでも、「なぜこの人の読みに違和感を感じるのか」「自分と違いがあるとすればどこか」「この人のオンリーワンな部分はどこか」を見出せるように努力して聞くようにしています。(聞いてるだけです。鑑賞用です。特にお伝えしたりはしません。笑
3.私の声ってどんな声?
声の仕事を始めるまで、特に声をほめられたことはありません。
自分の声を、いい声だとか可愛い声だとか思ったこともまじで一度もありません。明瞭ではあるかなと思いますが、そんなの基本だろうと思いますし、スペシャルに「個性的な声」でもないと思っています。
じゃあ、私がやっている声の仕事って、なんで私にお呼びがかかるんだ?
と、結構前から思っていました。
で、それはクリエイティブ以外の様々な事情がありそうだ、ということは公文のぞみさんのnoteを読んではっとしたのですが、でもやっぱり声のお仕事をする以上は、「自分の持つ武器がどういう属性なのか(ゲーム脳)」を知っておく必要があると思いました。
そんなところに飛び込んできた、「声の印象を伝え合いっこする」という、とてもフラットな会。
いろんな言葉をいただいて、とりあえずムハムハして、頂いた言葉は私の中で温めておきたいのでここに全部書いたりはしないのですが、とりあえず私の中で発見だったのは、
私の声ってウィスパーとの相性いいんだな
ということ。
初めて名前がクレジットされたレギュラーのお仕事がウィスパーで読むドキュメンタリーだった時点で気付けよと思われるかもですが、私これ大発見でした。
↓初めて名前がクレジットされたウィスパーで読むドキュメンタリーの仕事
言葉悪いですが、「誰でも、こんなふうに読めばこんなふうになるのでは?」と思ってたので、「あなたが持ってるそれ、結構レア度高い武器だよ」と人に教えてもらえるってすごく有難い経験でした。
4.自分と対照的な声を聞く
その上で、私とまったく属性の異なる声のサンプルを聞いて(というか参加者全員が見事に違う属性だった)、「自分と比較する」という視点で聞くとまた違う発見があったりして、
「この人のこの強みは自分にはない」
→ この強み、自分も欲しいけど、今から私がこれを目指しても多分獲得できないし、自分に今ある強みを伸ばした方がいい。
「この人の声には、こういう映像が合いそうだな」
→ じゃあ自分にはどういう映像が合うかな。そういう仕事ってどこにあるのかな。
なんてことを考える、すごく貴重な体験でした。
しかも、「もっとこうしたほうがいい」とかそういう目線じゃなくて(そういうアドバイスを仰ぐことも必要ですし有意義ですが!)、ぽわーんと思い浮かんだことを言う・それだけでOKという自由な雰囲気の中で、新しい形容詞が次々と飛び出てくるのが楽しくて。とても贅沢な時間でした。
5.声の強みは活かしつつ、需要を押さえる
自分の強みや相性が分かると、どういう映像と親和性が高くて、どこへ営業していったらいいかがおのずと浮かび上がってきますが、私の場合、
● ドキュメンタリーと親和性が高いからドキュメンタリーの仕事いっぱいするぞー!と息巻いても、日中スタジオ収録へ出かけていく自由度が高くない働き方なので、宅録でドキュメンタリーのナレーション案件が来ることは相当稀だと思っています。
● ウィスパーが強みだー!と私が掲げても、標準的な企業VPをウィスパーで納品したら怒られると思います。
● 需要に応じた標準的なナレーションを安定して供給できる地力があってこその強みであり付加価値だよなぁ、ということも改めて思いました。
● 強みを理解した上で、強み・得意一辺倒ではなく、自分に仕事が来やすい・来る可能性のあるタイプのボイスサンプルを整備しておく!すぐ出せるようにしておく!って当たり前だけどやっぱり大事。
などなど考えるのでありました。
6.まとめ
自分の武器が人からどう見えるかを知ることができた!というのが大いなる収穫です。
その上で、宅録ではこんな仕事できないよなぁ、と完全に下りてしまうのではなく、強みは強みとして温めておいて、「いざ」という時まで仕事の縁がつながる働き方をする、というスタンスで、当面頑張っていこうと思います。
改めて、真紀さん・けいさん・サトーさん、ありがとうございました!