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#164 当事者意識を醸成するには

場創りと人創りで組織能力の全開を支援する
ナラティブサポートの上村です。


当事者意識を持つことの重要性

昨日の投稿で当事者意識を持つことの大切さについてお伝えさせていただきました。

しかし、それが中々簡単には出来ないと悩まれている方も多いのではないでしょうか。
本日は当事者意識の醸成方法について紹介したいと思います。

当事者意識の醸成方法

ミッションやビジョンの共有

会社のミッションやビジョンを明確にし、それがメンバー個々の価値観や目標とどのように結びつくかを説明したり、対話をすることで深めることによって醸成することができます。やはり組織全体の目標や想いが自身に関係するものであると感じられると、当事者意識が芽生えやすくなります。

意思決定への参加

可能な範囲で意思決定プロセスにメンバーを巻き込むことが重要です。特に、業務に関わる小さな決定でも、自ら意見を述べ、選択肢を考える機会があると「この会社の一員である」という感覚が強まります。意思決定プロセスというところまで行かなくても自らの意見を発表する場を設けることで自らが新たな気付きを得ることもあります。

この2つの具体的な事例についてはこちらの記事でも紹介しておりますが、対話の場を設けてそこで共有と発表の時間をつくることが1つの方法です。

仕事がどう貢献に繋がっているかの体感

組織全体の目標を共有しながらも、個人の役割に応じた具体的な目標を設定し、その達成が全体にどう貢献するかを伝えることで当事者意識を醸成することができます。やはり自分の仕事が会社の成果に直接関与していると理解すると、自己の役割がより重要に感じられます。

具体的なエピソードとしてダニエル・コイル著の「最強チームをつくる方法」で紹介されているとあるコールセンターの話を引用させていただきます。

ミシガン大学はコールセンターを持っている。仕事は卒業生に電話をかけて寄付を募ることだ。仕事は同じことの繰り返しで、寄付を断られる率も93%と一定している。大学は、賞品やコンテスト等のインセンティブを用意してパフォーマンスの改善を試みたが、どれも成果には結びつかなかった。
コールセンターで集めた寄付金の一部は「学生の奨学金」に使われている。大学は外発的動機づけよりも奨学金に対する「感謝の手紙」の方が職員の心に響くのではと考え、ある学生の手紙をシェアすることにした。
「州外の大学に通うのはとてもお金がかかることを知りました。でもこの大学は私のルーツでもあるのです。
祖父母はこの大学で出会いました。父と兄弟もすべてこの大学出身です。それで、この大学に入ることはずっと昔からの夢でした。奨学金を受け取ったときには天にも登る気持ちでした。(後略) 」
この手紙で職員の意識を大いに高まり、寄付額は増加した。そこで大学は奨学金を受け取った学生たちをコールセンターに招待した。訪問時間は5分ほど。大掛かりのことは特になく、学生たちはただ自分のことを話しただけだ。「自分はこういう人間で、奨学金のおかげでこんな学生生活を送っている」といったことだ。すると1ヶ月後には電話をかける時間が142%up
し、週あたりの収入172%upした。

ダニエル・コイル著「最強チームをつくる方法」

成果や貢献へのフィードバック

人は褒められたり、存在を認められると嬉しいもので、「この人のために」「この組織のために」という帰属意識も高まります。個々のメンバーが行った貢献を認め、感謝を表すことが、彼らの「私の会社」という意識を強めます。
フィードバックはSBIでおこなうと良いと言います。S(Situation:状況)、B(Behavior:行動)、I(Impact)です。つまり、「あの状況での、あなたのあの行動が、〇〇な良い影響を及ぼした」といった具合に具体的で、どのように貢献が会社全体に良い影響を与えたのかを示すと非常に効果的なフィードバックになります。

スキルやキャリアのサポート

メンバーが自身のキャリアやスキルの成長が会社の成長と連動していると感じることで、より主体的に取り組むようになります。研修やスキルアップの支援を通じて、個々の成長と会社の成長が結びついていると認識させるのも有効です。私自身もサラリーマン時代に中小企業診断士の資格を取得しましたが、取得後、資格を取ったという実績とその裏にある想いを上司と共有できたことによって組織内においても上司達とより組織の貢献に対して話をすることが出来ました。そのことが自身の動機付けにもつながりました。私の前職ではこういったスキルアップのサポートはそこまでありませんでしたが、今思えばこういった意志のある社員にサポートがあれば更に主体的に取り組むだろうとは感じました。

まとめ

当事者意識を醸成させることは簡単ではありませんが、様々なアプローチがあります。そして周りにそうなってほしいと思っているリーダーの皆様は、まずは改めてご自身がどうなっているか?ご自身が実践しているか?そして周りのメンバーに出来ることは何か?を今一度問いかけてみてください。

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