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#129 感動価値にマニュアルはない
個人と組織の能力を最大化し、
物語を共に創る伴走者、
ナラティブサポートの上村です。
長坂養蜂場様ベンチマーク
昨日から静岡県は浜松に来ております。
理念経営を実践されている長坂養蜂場様にベンチマークツアーの運営として訪問させていただきました。運営として携わりながら私自身も初めて訪問させていただき、学びの深い1日になりました。
近日中にレポートを出していきたいと思いますが、昨日の気付きの一部をお伝えしたいと思います。
お節介集団
従業員の皆さまが「お節介集団」という方針のもと、お客様に対して自分で判断して臨機応変にサービスを提供されるエピソードも話していただきました。2年目の社員の方がお婆様とお孫さんのお客さんで通常のサイズだと大きな商品に興味を持ちつつ、「これだと1人では食べきれないね」というようなお言葉を発しておられたのを耳にして、臨機応変に小分けにして提供されたりと、現場レベルで判断して価値を提供されているエピソードがありました。
それは、「BEE HAPPY!~ミツバチの恵みを通じてお客様の美と健康づくりのお役立ちをし、健やかな社会を実現します~」というミッションや、行動指針の1つである「お客様や共に働く仲間の喜びを自分の喜びと感じられる、喜んでもらいたい精神を大切に行動します」という価値観が若手の社員であっても従業員全体に浸透しているからこそ提供できる価値だと感じました。
どうやってこのような価値を提供しているのか?
懇親会で専務に質問をしました。
「こういった事は先輩からのアドバイスだけで受け継がれているのですか?マニュアルに落とし込まれたりはしているのですか?」
専務の回答としてはこうでした。
「機能的価値を提供する業務についてはマニュアルはありますが、情緒的な価値、感動価値についてはマニュアルというものはなく、エピソードの共有・伝達のみですね」
長坂様は朝礼を非常に大切にされており、そこで行動指針や理念についての具体的な実践の対話なども行われています。
また月1回「ぬくもりの日」といって店の定休日に全従業員で第Ⅱ領域(重要だが緊急でない事象)について皆で深堀したり、部門間シェア等の時間に丸一日する日を設けておられます。
こういった場でお互いがエピソードを共有する事で暗黙知を共有されて実践されていました。
形式知化する是非
こんな素敵な暗黙知をマニュアルに落とし込んで形式知化した方がいいのではないか?
といった疑問も湧いたのですが、マニュアルにした途端に「あっ、このシチュエーションだとマニュアルにあったあの行動をしよう」という思考になってしまい、そこに長坂様の経営理念にもある「ぬくもり」がなくなってしまうのではないか?という状態が生まれてしまうのではないかと感じました。
そして、マニュアルにした途端に、「こうすればいい」というマインドになって、それ以上の感動価値を考える機会を奪ってしまうのではないかとも感じました。
決まった方法を伝えるのではなく、「感じる力」を養うことが大切だと長坂養蜂場様をベンチマークさせていただき感じました。次回はこの「感じる力」について考えたいと思います。
後日談:形式知化するレベル感
この記事を書き終わった後に一緒に学びに行った仲間とこの日の出来事について振り返っていました。そしてこの話をしたのですが、長坂養蜂場様には「ぬくもりベース」という「このレベルのサービスはベースとして提供しましょう」という基準のラインは形式知化しているとの事でした。
サイエンスとアートではないですが、きっちりと言語化して科学的に再現性を高めることと、その人の感性を大事にしてアート的に生まれてくるものを大事にすること、その両輪を上手に発揮することが大事で、そういった人材を育む風土が長坂養蜂場様からは感じ取れました。
ご案内
理念策定浸透のご支援を中心に、コーチングやワークショップを活かして経営者、リーダーの皆さまの行動変容、能力開発、従業員の方々の主体性、やる気の向上等を提供しております。
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