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健康な体って素晴らしい!!『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』

こんにちは、女性向けのなろうコミックをレビューしている氷雨と申します。


今回紹介する作品はこちら!
『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』です。



この作品は現在7巻まで出版されています。ここでは、2巻まで読んだ感想をお伝えできればと思います。

さて、まずはあらすじから紹介しましょう。

あらすじ

『殿下の胡蝶』と謳われる黄家(こうけ)の雛女(ひめ)・玲琳(れいりん)は、宮中一の嫌われ者である朱家(しゅけ)の雛女(ひめ)・慧月(けいげつ)の手にかかり、互いの身体を入れ替えられてしまった。

牢に入れられ、入れ替わりの事実は話せず、己を害した罪に問われ死を目前とする玲琳(れいりん)…と、思われたが。

病弱ゆえ常に“死”と隣り合わせで過ごしてきた玲琳(れいりん)は、むしろ健康な身体を手に入れたことを喜んでしまい、持ち前の鋼メンタルで次々と逆境を乗り越えていく――!?


……病弱な主人公が突き落とされた衝撃で自分を憎む相手と入れ替わるという、いわゆるとりかえばや作品です。

こういった作風の漫画は多いですが、ここまで入れ替わったことを喜ぶ人は、なかなかいない気が。

……また、それも主人公の味ではありますし、面白いですけれどね。

七夕に起こった奇跡

主人公はある意味完璧な妃候補の女性で、殿下からの寵愛を受けている玲琳(れいりん)。

そして、その主人公と入れ替わった女性は「雛宮のどぶネズミ」とあだ名がつく慧月(けいげつ)です。

なかなかキツめのあだ名がついている人ではありますが、やはり女性の多い宮の中ですので、複数の派閥ができています。

一番人気の高いのは玲琳であり、最下位が慧月であるため、陰口をたたかれることは日常茶飯事なのです。

そんな自分の境遇を少しでも変えたいと考えた慧月は七夕のお祭りの際に仕掛けます。


……2人が入れ替わった後、玲琳はその健康的な慧月の体に興奮し嬉しさを募らせるのですが、めちゃくちゃ恍惚とした顔をしていらっしゃる!

いや、まぁ…わかりますよ。
病弱だからこそ、したいこともできないし何とか自分の持つ知識や鍛錬で体力をつけていたとはいえ、いきなり自分のやりたいことができるっていうのは嬉しいですよね。


そういう意味では……慧月の作戦、ある意味失敗に終わっている気が。
……まさかね。

健康な体って素敵!

もともと玲琳は好奇心旺盛な女性ですが、どうしても自分の体が病弱でありやりたいことができずにもどかしい思いを今までしていました。

しかし、今は慧月の健康な体を手に入れたことで、自由の身とも言えます。
その理由としては、どうしても病弱だからこそできることが限られていたことが1つ。

そして、もう1つは基本的に侍女がそばにいることで自由が得られなかったことです。

周囲からの目がある分、なかなか自分の思ったような行動がとれずにもどかしい思いをしていました。

だからこそ、裁判が終わった後に暮らせと放っておかれた廃屋を見つめ、自分ひとりで全部何とかしろと言われ普通なら絶望するところです。

ですが、玲琳は違いました。
今まで以上に目を輝かせて自由と今まで夢見ていた自助努力生活ができると心躍らせています。

自分で自由にできる庭を手に入れると共に玲琳が嬉しかったのが、「誰にも心配かけなくてもよい」という思い。

病弱だからこそ、周りから心配されずっと顔色を確認され、ある意味本当の自由になれたと喜んでいます。

確かに、病弱なのは心配ではあるけれど、監視されているような感覚は嫌だろうなと想像できます。

中身は玲琳だけども慧月の体で行動するからこそ、今までの慧月との振る舞いとはまったく違うため、周囲も驚いてしまうのでした。


そりゃあそうですよねぇ……今まで媚を売ることだけが一人前でほかの事は全くできないといわれていた慧月。

しかし、玲琳のように周りに思いやりを向けたり自分の事は自分で行ったりする姿は、今までとは全く違う姿ですもんね。

だからこそ、警備の長である男性も、今までとの違いに楽しんでしまっています。


……やはり普通の人間ではなかなか玲琳の考えは受け入れられないのかもしれませんね。

やはり、子どもにも「自分でできることはきちんと自分でできるように」なってほしいものです。

じゃないと、成長してから本当に困ることになりますから。

なんでもできるからこそやれることから

自分(慧月)の体を得てから、玲琳は充てられた廃屋を住めるように整えるために草むしりや畑を耕し土壌をしっかりと整える楽しさを実感する玲琳。

自分の知識を実践できる充実感にとても生き生きとした表情を浮かべて動いています。

基本的に周囲が持つイメージとは全くの逆の信念を持つ主人公だからこそ、ギャップがすごいと感じるのでしょう。

それとは逆に、玲琳と入れ替わった慧月は自分がちやほやされる場に満足しているのです。

誰もが自分を笑っている中で、自分を認めて笑わずに憐れみを向けてきた玲琳が逆に憎らしくなるのは、こじらせてしまっているなと感じますね。

自分の生まれた家の血が強く出るからこそ、今までにない努力家の玲琳をして、慧月は心の中で「ヤバい」と感じるのでした。

そりゃ、女官たちも止めますよね…体が弱くまだ熱が下がっていない状態で鍛錬などを繰り返すのであれば、当たり前ですよ。

熱が出ているのに元気な子どもと同じですかね……必死に止める女官の気持ちが少しわかる気がします、うん。

おわりに

現状この「ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」ですが、7巻まで販売されています。


いやはや、すごい。
主人公がとても前向きで全力で歩んでいくからこそ、とても読んでいて楽しいコミックでした。

久しぶりに楽しい漫画を読ませてもらえたなと感じています。
人をきちんと見ている主人公だからこそ、これだけ読んでいる側も惹かれるのかなと感じますね。

この先が楽しみでたまりません。


それでは、今回はここまで。
また次のコミックでお会いしましょう。


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