何かに夢中になる人ほど魅力的なものはない!『虫かぶり姫』
こんにちは、女性向けなろうコミックをレビューしている、氷雨と申します。
今回紹介する作品は、こちら!
『虫かぶり姫』です。
書籍にしか興味の無いエリアーナと王国の王太子のロマンスが描かれるこの作品。
始めはどう進むのかと不安でしたが、きちんと丸く収まる展開でした。
いやぁ、やはり王道のラブロマンスは良いですね!
内容を語る前に、まずはあらすじから参りましょう……。
あらすじ
麗しの王子、クリストファー殿下の婚約者として過ごしてきた侯爵令嬢、エリアーナ・ベルンシュタイン。
本好きが高じて彼女につけられたあだ名は、本の虫ならぬ「虫かぶり姫」。
王子とは名ばかりの婚約関係だが、そんな彼女の耳にも最近とある噂が入ってくる。
権力闘争をおさめた王子は、ようやく意中の姫君を妃に迎えられるとか。
そして彼女はある日、王子が素の自分を噂のご令嬢に見せている現場を目撃する。
婚約者のお役目はこれで終わり。なのに、なぜ胸が痛むのでしょう……。
この作品、個人的なポイントとして、主人公がとても可愛らしい!
全体的にほんわかしていて、ふわふわと穏やかな雰囲気にこちらも癒されます。
そして、クリストファーを筆頭に側近がイケメン揃いであることも高ポイント。
婚約よりも本が好き!
まず物語が進む前提として、主人公であるエリアーナの家系はみんな読書好きで有名。
そして、自分の書籍を読む時間を邪魔されるのが嫌いという設定があります。
そのため、エリアーナにも二つ名がついているのです。
それが、本の虫ならぬ「虫かぶり姫」。
そのため、婚約の話が来ても頭の中に浮かんでくるのは、「読書の時間が無くなる!」という危機感。
でも、その気持ちわからなくはない。
私も結婚をして子どもがいる状況で、自分の趣味に割く時間が極端に少なくなったなと実感します。
読書やゲームを楽しもうとすると、子どもがもう興味津々な目で駆け寄ってくるという……。
自分だけの時間が取れない寂しさは理解できますね。いや、本当に。
でも、子どもと遊んでいるときの時間もまた、かけがえのないもの。
それはそれとして楽しませてもらっているのですが。
そう考えると、子どもに「本を読んで」とせがまれるのは素直に嬉しいんですよね。
わが子も本を好きになってくれるのなら、嬉しい限りです。
おっと、話が逸れてしまいました……。
この作品の主人公は本当に書籍が好きな人物であり、婚約を結ぶクリストファーと話をつけたのも、さまざまな書籍が集まってくる王宮書庫室への立ち入りが許されるからという徹底ぶり。
ここまでキャラクターがしっかりしていると、読んでいるこちらも安心できます。
それに、読んでいる中で展開は読めてしまうものの、それがまた楽しいと感じさせてくれるんですよね。
側近たちもなかなか美形揃い
しかし、本当にクリストファーは美形ですね。
書いている漫画家さんのイラストもそうなのですが、とても恰好よくてドキドキしてしまいます。
少女マンガを描きなれている方だなと思いますし、クリストファーだけでなく、側近の面々もなかなかの美形!
もし、自分が独身であるのなら、いろいろお話してみたいです。
そして、ゲームのように許されるのなら、恋人に……。
なんて夢を見せてくれるのが、この作品だと言えます。
個人的な好みの話になりますが、作中で登場するイケメンの中でも、私は赤髪の騎士と呼ばれるグレンという近衛騎士がドストライクでした。
基本クリストファーの護衛を務めている彼ですが、明るくて気さくな雰囲気のキャラになります。
私、ワンコ属性を持っているキャラに惹かれる部分が多いのかもしれません。他の作品然り……。
他にも、側近のアレクセイはクール系男子、書庫の責任者であるテオドールは強面だけど優しいギャップ系男子といろいろなタイプの男性がいます。
そのため、自分の好みのキャラが1人は見つかるのではないでしょうか。
ワガママを言うのならもう1人。
そうですね……俺様系のキャラクターがいるとさらに賑わいそうですが、作者様いかがでしょう?
バリエーションが多ければ、誰が好みだとケンカにならずに済むところもありますからね。
ライバル登場からの自分の気持ちに気づく姿が可愛らしい!
王太子であるクリストファーに愛でられるエリアーナですが、二人の間に少しずつ暗い影が。
それは、新しいお妃候補の女の子が屋敷にやってくるというもの。
しかし、エリアーナ的には「あ、新しい人がいるんですね。」と本に夢中。しかし、その対応がまずかった……。
周りから少しずつ距離を置かれてしまう状況になるのです。
当の本人は何が起きたのか分からず混乱します。
その理由は、新しく入ってきた妃候補のアイリーンが仕組んだこと。
策略によって周囲もアイリーンとの距離を詰めるように動いているように見えます。
その様子にエリアーナは寂しさを覚え、次第に自分は王太子のそばにいるには相応しくないと感じるように。
そして、いつも通りに書庫へと本を返しに行った時、クリストファーとアイリーンが逢引きしているのを目撃してしまいます。
まあ、偶然見てしまったものの、その後も部屋で隠れて会っているのを見てさすがのエリアーナもショックを受けます。
今まで好意を向けてもらっていた相手に背を向けられたと分かり、ここでようやく本以外のことに意識が向いていると自覚するのです。
そこから、しばらくは離れて過ごすエリアーナとクリストファーですが、その二人に転機が訪れます。
それが、アイリーンの自作自演の行動です。
エリアーナの評判を落とすために行動したのが裏目に出てしまい、自分の首を絞めることに繋がるのです。
いやぁ、このときのスカッとする感じはなかなか面白い。
それと、エリアーナの反応がまた良いんですよ。
何というか、全体を他人事のように状況を受け止めているというか。
その天然っぷりがまたアイリーンのお粗末さを引き立てています。
この作品の中でもなかなか面白い展開だったと思います。
そして、側近の面々や周りがエリアーナから離れていた理由も明かされ、スカッとした感覚を味わえますよ。
私も読んでいてクスクスと笑ってしまいました。
だって、アイリーンの行動も滑稽に映るし、荷物を持っている主人公につき落とされた等……その時のショックを受けたアイリーンの表情は必見ですよ。
話は少し戻りますが、エリアーナが自分の恋心を察した瞬間の反応や表情がとても良い。
恋を自覚すると、途端に相手を見つめる瞳に熱がこもるんですよね。
少女マンガを描いている漫画家さんは、その描写がとてもうまい!
だからこそ、読んでいて感情移入できますし、私も自然と口角が上がっているのに気づきました。
正直に言います。
本当に人前でなくてよかった。
おわりに
今回は「虫かぶり姫」をレビューさせていただきました。
現在コミックスは9巻まで出ている様子。
もし、購入を悩んでいるのであれば、とりあえず1巻を読んでみて雰囲気が合うかどうかを試してみるのも良いかと。
私はこの雰囲気、とても楽しかったです。
それでは、今回はここまで。
また次回の作品でお会いしましょう!