口呼吸になる4つの大きな理由 その1
離乳食を与えるのが早い
赤ちゃんがおっぱいを飲むときは
舌と上あごで乳首をしごいて
おっぱいを絞り出しています。
口呼吸になることと、お口の機能が
発達しないことの理由の1つめは、
離乳食をはじめる時期が早すぎることです。
離乳食、卒乳、断乳の時期は?
なぜ、早すぎるのかというと、
母子手帳に「生後5~6ヵ月を目安に」
と書かれていることが関係しています。
厚生労働省が2019年に改定した
「授乳・離乳の支援ガイド」にも、
離乳初期は「生後5~6ヵ月」とされているのです。
しかし、同ガイドに卒乳、断乳の時期は
遅くなっているとも記載されています。
この根拠は1964年に発表された
スポック博士の育児書が出典です。
現在は多くの知見や情報の量が
さらに進化しています。
50年以上も前の情報が少なかった
時代の基準をもとに現在の指導が
おこなわれているということには
疑問を感じます。
理想の卒乳、断乳の時期は
1歳以上、できれば2歳だといえます。
江戸時代の育児書には6歳まで
母乳を飲ませるという記述があるようです。
1歳になると、歯が生えてくるため
お母さんが痛がって離乳食に切り替えます。
しすぐに離乳食に切り替えるのではなく、
人工の乳首を使うなどして、1歳くらいから
離乳食をはじめたほうがよいといえます。
もちろん、栄養などに問題が
ある場合は別です。
全部のお子様が同じ時期に
離乳食を始めるということは不自然です。
それぞれのお子様にあったものにすべきです。
これについては主治医の先生の意見も
十分にお伺いする必要があるでしょう。
離乳食とお口の育成との関係
なぜ、1歳くらいから離乳食をはじめ、
卒乳、断乳は2歳まで待つのがよいのでしょうか?
口腔機能の発育が止まってしまうからです。
授乳していたときは、舌の力を使いながら
一生懸命お母さんのおっぱいを飲みます。
離乳食はドロッとしていることもあり、
舌の力を使わなくても済むように
なってしまいます。
それが原因で舌が上にあがらかったり、
動かなくったりする原因になるのです。
どうすればよいかというと、
先に触れたとおりお母様の
乳首の構造に近い人工の乳首を
活用する方法が最適だといえます。
ビーンスターク、ヌークといった
人工乳首を使うのです。
これらの人工乳首を使うことで、
赤ちゃんは自然と舌をあげる力がつき
口腔機能を成長させることができます。
離乳食は本当に必要か?
また、栄養面のことを考えたり、
離乳食をはじめる時期も大切ですが、
あげ方を検討することも重要です。
たとえば、欧米諸国で推奨されている
「ベビーレッドウィニング(BLW)」は
口腔機能を成長させるうえで有効なあげ方です、
「自分で食べる!」がべる力を育てる:赤ちゃん主導の離乳(BLW)入門 著者:ジル・ラプレイ,トレーシー・マーケット
原書房
赤ちゃんが手づかみで食べ物をつかみ、
前歯でガブっと噛むというあげ方です。
歯で引きちぎる訓練になったり、
舌の使い方の訓練になったりするのです。
窒息しないように気をつける
必要はありますが、
口腔機能の成長を促すことができます。
離乳食自体も必要ないという先生も
たくさんおられます。
実際に離乳食なしでしっかりと成長した
お子様もたくさんおられます。
窒息のリスクを避けるためには
中途半端に食材を小さくしない
ことが大切だと言われます。
赤ちゃんは自分が飲み込めるだけの
大きさを上手に噛みちぎり
よく噛んで飲み込みます。
中途半端な大きさに切ってしまうと
それを飲み込むために無理やり
飲み込んでしまうことで
窒息が起きると言われています。
ただし、食事のたびに食べ物が
散らかってしまいます。
育児で忙しいお母さんは
ストレスを感じてしまうかもしれません。
正しい離乳食の与え方
忙しいという理由から、離乳食を
あげるときにピュッと上唇で
すり切るようにして食べさせがちです。
下の写真のような食べさせ方です。
これを常に行なっていると食べる機能
唇ですくい取る機能、飲み込む機能の
発達に支障をきたしてしまいます。
下唇にスプーンを触れさせて
赤ちゃん自身が上唇ですくい取る行動、
”捕食”を行うまで待つことが重要です。
最近は、ベビーレッドウィニングに
関する保育書も出版されています。
こんな書籍を参考にしてみるのも
よいと思います。
実際に、ベビーレッドウィニングを
取り入れるかどうかは、
お父さんやお母さんの判断となります。
しかし、離乳食のあり方そのものを
考え直していただくことが重要です。
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