人の価値をどう感じているか、意識してみよう

2016年に起こった障害者施設の事件の加害者に死刑判決が下りた。当時、実習中でぼんやりとした頭で衝撃的なニュースだ、と見ていた覚えがある。

今朝、ニュースでこの事件とこの事件を深堀りしている同世代の方をテレビで見て、私も湧き上がってくるものがあったので、ここに書き記してみたい。このニュースを見て、浮かんだ考えをそのままに。

加害者は「障害者は生産性がないから存在しないほうがいい」という趣旨の発言をしていたとのこと。

他人が勝手に奪っていい命なんてないし、こんな事件は絶対今後2度と起こってはいけないことは確かなんだけど、どこか引っかかるところがあった。

それは、「人の価値」はどう判断する、されているのか、ということ。

今の資本主義社会で生きていくには、生産性は絶対求められるし、生きていくのにお金は必須だから、「稼げる人はすごい」ってなるし、会社の中で考えてもいかに売上を上げる、効率よく仕事を回すかっていうことは絶対に求められる。成人が仕事もせずプラプラしていたら、「何やってんだろ、あの人」って思うし、思われる。この考えでいくと、「時間」と「お金」の至上主義になってしまう。そうすると、働けない障害を持った方、っていうのは、自分の存在価値がない、ってなる。この考え方に偏って歪んでしまったのが今回の犯人なのかな、と私の中で推測した。(ネットで改めて調べたらドラッグやってて相当精神がイカれていたのでは、と想像するけれど一旦おいておく)

人の価値って、自分ではわかりにくいし、手っ取り早くわかる指標ってやっぱり「お金」は大きな要因なのかも、と思う。どんなに素敵な人柄で、気立てが優しくて一緒にいて癒やされる人でも、それだけしかなかったら一緒に生活していくことはできない、的な。

こういう気持ちになって、あ、自分怖い。って思った。

だけど、ありませんか?生活保護でのうのうと暮らしている人、その保護費を遊び(酒、ギャンブル、タバコなど)に費やしているのを見て、自分が一生懸命働いて収めた税金が、こんな使われ方しているのか、って悔しくなること。やっぱり、「ずるい」って思ってしまう。人間だから。対等な人間同士の感覚でいったら、当たり前なんじゃないかな。

現代社会を生きていると、生産性の呪縛に囚われちゃうな、と思う。苦しくて、余裕がなくって、視野が狭くなって。悲しい事件が起こってしまったのかなって。ちょっと想像する。障害者と関わる仕事をしているからこそ、ふと、自分ごとに置き換えて考えて、ゾッとする。

例えば、自分に置き換えて考えてみる。もし私が、今後一切働けない障害を負って、意識だけははっきりしていたら・・・きっと家族に迷惑かけているという意識は強く持つだろうし、自分は何も生産できていなくて、存在価値がないって思ってしまうかもしれない。

私が実習中、バイザーが厳しいわ、寝れなくて辛いわ、もう立っているのがやっと、みたいな状況に追い込まれていたとき、ベッドで寝ている患者さんを見て、つい「寝れていいな・・・」と思ってしまった。病気を持っていたり、思い障害で大変なのに。

何が言いたいかって、障害者に関わる仕事をする以上は、自分に精神的にも身体的にも余裕がないと支援なんてできないってこと。加害者や家族、職員さんたちに、余裕はあったのだろうか。



「人の価値」は、その人が存在することで幸せになる人が一人でもいること

だと思う。それは決して経済的な生産活動だけではなく、多様な形がある。存在価値のない命なんてない、と思いたい。


人の価値は、上述のように「時間とお金」とかの考えに凝り固まると、歪む。いろんな幸せと、人の価値に気づける豊かな感性を持った人たちがたくさんいる社会にならないと、インクルーシブな社会は実現し得ないと思う。

今回の事件は、本当に、本当に悲しい事件なんだけれど、障害福祉界隈に一石を投じる、センセーショナルな事件だった。

普段「障害」というものに触れない人が大多数な世の中、少しでも「障害者」の在り方、自分の認識に意識を向けてくれる人が増えることを祈ります。ちゃんと、考えないといけないと思う。障害者だからって守る、お世話する、っていう認識でしか接していないと、苦しくなるし、その人の人権を守っていないことになるんじゃないか。自分の行動は、人権の観点から、どうなのか。障害を持っている人に対する自分の態度は、きちんと対等な意識でできているのか。これから働いて行く上でも意識していきたいと思う。障害を持った人、持っていない人も対等に意見が言い合える社会を、作っていきたいと、思う。

いろんな人と、話し合ってみたい。

参考↓

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200316/amp/k10012333681000.html

あと、この記事は、わたしの言いたいことを言い当てている感じ↓


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