
漫画「私の少年」を読んだ感想(ネタバレあり)
こんなにも美しくて、濃厚なラブシーンがないのに胸がぎゅうと締め付けられ、毎話ときめきが溢れ出す、こんな漫画は未だかつて読んだことがない。
この話は30歳のOLの聡子が小学生の美少年真修(ましゅう)に出会うところから始まる。
季節外れの服を何日も着ていたり、お風呂に入っていない形跡があり、家庭環境が複雑なことを察した聡子。
毎週金曜日に公園でサッカーのコーチをすることになる。
「すき」という気持ちや「愛」にはいろいろな形があると思った。
しかし歳の離れた男女の場合、どちらかが未成年というだけで、犯罪めいた関係だと捉えられがちだ。
でもそこには2人にしかわからない、説明がつかないような愛の形があって、誰にも触れてはいけない当事者にしかわからない大切なことがあるのだ。
高校生になった真修と聡子が、お互いがもし親子だったら…会社の同僚だったら…高校同じクラスの同級生だったら…を2人で妄想するシーンがあるのだが、どの2人もお互いを大切に想っていて、どこまでも幸せで、どのパターンで出会ったとしてもお互いじゃなきゃダメなのだ。
性別や、年齢や、国籍でこうでなければという決めつけがあったり、
男女でいたら「付き合ってるの?」と訊かれたり、
女子同士のカップルは友達にみられたり、
傷ついたり、虐げられそうになりながら、離れている期間もずっとお互いを想う2人が健気で可愛くて、せつない。
セリフの一つ一つがリアルで、いまどきで、
ぐさっと心に突き刺さる言葉があったり。
毎巻読み終わった後、「はあ〜」というせつないため息が出てしまう、オススメの作品です。
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