見出し画像

1月2日はフレンチトースト

これは2022年1月5日に書いた文章です。

お正月の記録・続編であります。

一月二日。

もうこの時点で我々に「正月感」のようなものはほとんどなかった。なぜならば昨日の夜遅く、パートナーが「どうしよう」というくらい硬くなったフランスパンをこっそりギリギリ切っているのを知っていたから。

コンコン、パカッ。卵も割っているじゃないか。
そう、それは、フレンチトーストの仕込みであった。

放っておくとどんどん硬くなってしまうフランスパン。それを美味しく食べるためのフレンチトーストは、フランスではpain perdu:パンペルデュと呼ばれ、失われたパン=捨てるはずのパン、という意味だとか。

一月二日はパートナーの兄弟家族とともにお正月のご飯会があって、お昼は一人前ごとにセットになっているお寿司をたべた。「お寿司、けっこう量あるね~」と交わされる会話のなか一人前ぺろりと平らげてしまった。おかしいな、昨日までの胃腸の弱りはどこへ。

お酒なんかもちょっぴり飲んでおなかいっぱいで15時ごろ帰宅。と、おもむろに冷蔵庫をあけると顔を出す仕込まれたフレンチトーストくん。焼くしかないじゃあないか。。。

いっぱい食べてきたくせに、甘いものは別腹。フレンチトーストは別腹なのである。しみしみに沁みたフレンチトーストをしっかりと熱されたフライパンにバターとともに落としていく。

じゅう。

キャラメリゼなんかも...とよからぬことを思いついてはリンゴをスライス、バナナも縦半分に切って、お砂糖とバターで、じゅう。へやじゅうが甘い香りに包まれていく。

私たちパーティーしちゃってる。

おほほ。そんなこんなで、フランスパン一本分のフレンチトーストとリンゴとバナナのキャラメリゼを、はちみつをたっぷりかけて、ぺろりと食べてしまったのでした。


お正月だから、お正月だからって、

決まったものごとを進めるのも美しくって好きだけれど、

たまにはまったく無視して食べたいものだけつくって食べる、

そんな正月があってもいいものだね。


軽やかに、軽やかに。

いいなと思ったら応援しよう!