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ミツバ、10歳の誕生日


ミツバ

現在、阪神競馬場に所属する誘導馬の一頭。

馬名の意味は植物名。

誕生日である「3/28」み、つ、ば、の当て字から付けられました。

2022年3月28日。

今日はミツバ10歳のお誕生日です!

…とても可愛い名前ですが、牡馬(男の子)です。


今日はミツバのことを知って頂きたくて、新参者の競馬ファンながらプロフィールをまとめてみました。

拙い文ですがお楽しみいただければ幸いです。


ミツバ、誕生


ミツバは2012年に生まれました。

同期のダービー馬はドゥラメンテ、

同じくオークス馬はミッキークイーン、

JDD勝ち馬はノンコノユメです。


父「砂のディープインパクト」不屈の砂王、カネヒキリ。ミツバは初年度産駒。

父の父フジキセキ、サンデーサイレンス初年度産駒にして幻の三冠馬。


母セントクリスマス。ミツバは四番仔。

母の母ゴールデンジャックは桜花賞トライアル、オークストライアルを制し、オークス2着馬です(※チョウカイキャロル、ヒシアマゾンの世代)。ミツバから見て叔父に重賞3勝のサイドワインダーが居ます。


◆以下、後からファンになった身の私が主な戦歴をまとめてみました。

JRA-VANや地方競馬の公式サイトなどで集めた情報をもとに書いていますが、大きな誤りがあれば教えて下さい。


ミツバの現役時代


2014年9月21日、阪神競馬場。

2歳新馬ダート1200戦に出走し、競走馬デビューしました。その時の鞍上は福永祐一騎手。後方からレースを進め追い上げるも5着に終わりました。

◆この新馬戦には後に2019年J・G2京都ハイジャンプを制したシゲルヒノクニが共に出走していました。


2014年11月15日、京都競馬場。

2歳未勝利ダート1200m戦、キャリア4戦目。

鞍上は幸英明騎手でした。後方に構え、上がり最速の末脚で一気に10頭程ごぼう抜き!初勝利を挙げました。


2015年2月22日、小倉競馬場。

くすのき賞、7着と敗戦してしまいます。

★ここで初めて和田竜二騎手とタッグを組みます。

このコンビはこの1戦以降、あるG1級レースまではありませんでした。でも、この一戦での和田騎手との出会いがミツバを大きく変えるきっかけとなるのです。


2015年8月22日、札幌競馬場。

桑園特別3歳以上1勝クラスダート1700m戦、鞍上はC.ルメール。ここでやっと2勝目!2着3回と惜しいレースをしていましたが、スプリントから少し距離を伸ばすと、良い結果を出しました。

その後力をつけながら勝ち上がってゆき、オープン馬になりました。ミツバ3歳、9月の事でした。


2016年10月1日の土曜日、阪神競馬場。

シリウスステークスで4着と好走。

◆この時、後に何度も対戦するアポロケンタッキーが3着、現在は同じ阪神競馬場で誘導馬をしている1歳年上のカゼノコが5着入着していました。


2016年10月23日の日曜日、東京競馬場。

ブラジルカップでオープン級初勝利。

◆この時3着にはUAEダービーを制覇し、アメリカクラシック三冠を皆勤し、日本に帰ってきたばかりの「芦毛の怪獣」ラニが出走していました。

ミツバを語る上で一つ面白い勝ち方のレースと言えばこのレースでしょう。

ミツバはここまで馬群後ろに構えて直線で差す競馬を行ってきました。しかしブラジルカップではなんとゲートを上手く出てスッと逃げたのです!

鞍上はトリックスター横山典弘。気持ちよく大逃げをしたミツバはそのまま逃げ切り勝ちを収めたのでした。


2017年2月1日の水曜日、川崎競馬場。

Jpn1川崎記念に初出走。

3番人気に支持されましたが、レース序盤で固まった馬群を外からまとめて交わして2番手に付ける先行策を取り、結果は前とクビ差の4着となりました。1着オールブラッシュ、2着サウンドトゥルー、3着コスモカナディアン。


2017年7月17日、盛岡競馬場。

Jpn3マーキュリーカップ。

鞍上松山弘平とのコンビで差し切り勝利!

父カネヒキリも制したレースを勝利で飾りました。

この頃から同年のチャンピオンズカップまで松山弘平騎手とのタッグを組むことになります。


2017年11月3日、大井競馬場。

Jpn1JBCクラシック。

ミツバは最終コーナーで押し上げて一度先頭に立つもケイティブレイブと叩き合いになり、外からはオールブラッシュが追い込んで悔しい3着。

勝ち鞍以外のG1、交流Jpn1級レースではこれが最高着順。

同年チャンピオンズカップ、鞍上にM.デムーロを迎えた東京大賞典共に6着で、5歳のシーズンを終える。

◆この2つのレースに同父カネヒキリのロンドンタウンが出走していて、現在は紆余曲折ありアロースタッドで種牡馬となったようです。


2018年、ミツバ6歳のシーズン。

Jpn3名古屋大賞典でサンライズソアの2着、阪神G3アンタレスステークスはグレイトパールの2着、京都G3で4着と歯がゆい思いをしました。結果、帝王賞には出られないなら、とミツバが向かったのは…


2018年7月16日、盛岡競馬場。

Jpn3マーキュリーカップを勝利、17年に続き連覇!

2年連続勝利はオースミジェット以来史上二頭目でした。

◆現在も活躍中のアイドルホースヨシオが逃げ粘って2着。二頭がゴール付近並んで競い合う姿が写真に残っているので、是非検索してみてください。


2018年8月12日、札幌競馬場。

G3エルムステークスは上がり最速の末脚ながら3着。

◆4着ロンドンタウン。5着のアンジュデジールは後にJBCレディスクラシックを制覇。13着リーゼントロックは京都競馬場で誘導馬を務めています。


その後は振るわず、チャンピオンズカップは8着。

◆7着には同い年ながらセン馬になったノンコノユメ。


2018年12月24日、名古屋競馬場。

Jpn2名古屋グランプリでは鞍上福永祐一騎手で先行して2着!

この時福永騎手から「状態が良いから、川崎記念に使ってみては?」とアドバイスを聞き、ミツバは(相手もめちゃ強い子居なさそうなら…)と参戦を決める。


年が明けて2019年、ミツバ7歳。


2019年1月30日、川崎競馬場。

Jpn1川崎記念。

鞍上は和田竜二騎手。

居ないと思ってたケイティブレイブ、居るやん…なんならオールブラッシュ(2年前の川崎記念勝ち馬)、居るやん…。

でもこの日のミツバは違った。

◎このレースは是非映像でご覧下さい。最後の直線のミツバに注目して下さい。◎

…ミツバはこのレースでやっと念願の初Jpn1タイトルを獲得しました。

以下、優勝騎手インタビューを要約しました。

和田騎手は「本当は外に出したかったんですけども流れ的にあそこが良いかなと思いましたし、馬が本当に調子が良かったのでいつも怯む馬なんですけど、今日は本当に気合が乗っていて、素晴らしい出来だったと思います。」

久々のコンビという事で馬の成長は感じられたか?という質問に

「まだ2歳3歳ぐらいの時に乗ったんで、その時は気ムラがあった。僕がブリンカー付けたら?って言ったら走り出したんで、ちょっと悔しい思いをしてたんですけど(笑)。でもここで乗せていただいて結果を出せて良かったと思います」

レースを振り返って

「スタートまず決めましたんで、いつもより楽に先行できた。途中で動くといつも甘くなってるイメージだったので落ち着いて自分のペースで行きました」

最後の直線

「ちょっと狭い所突っ込んでしまったんですけども、馬が今まで以上に頑張ってくれました。馬に感謝したい」

ミツバについて

「気ムラの面がある馬なんですけど今日は本当に集中して走れていましたし、本当に強い勝ち方だったと思うので先が楽しみです」


この後、ミツバは帝王賞4着などの成績を残すも、8歳の冬2020年12月10日名古屋グランプリ5着を最後に現役を引退しました。


ミツバ

通算成績 52戦11勝
中央実績(8-5-5-19)
中央地方通算(11-7-6-28)

主な戦績

Jpn1川崎記念 1着

Jpn1JBCクラシック 3着

Jpn3マーキュリーカップ 2年連続1着


中央に在籍し、善戦するも中央グレードレースでは勝ち鞍は無いものの、私が凄いと思うのは2歳から8歳まで走って大きな怪我がないまま引退したという所。

時に勝負所で無理をしなかったからこそ、無事に走り抜けたのかもしれません。本当はどう思っていたのかは…ミツバにしかわかりません。笑


2020年12月11日、名古屋グランプリ翌日。

ミツバは登録抹消、引退しました。

馬事公苑で乗馬になるとのアナウンスでした。


引退後のミツバ


年が明けてミツバ9歳。

2021年2月28日、阪神競馬場公式Twitterアカウントにて、阪神競馬場の誘導馬に新しい仲間として加わるよ〜と動画で元気な姿を見せてくれました。


2021年10月30日、土曜日。

ミツバは阪神競馬場で誘導馬デビューしました。

◎京都競馬場から出張のオートホーク先輩と共に写真が撮られてネットニュースの記事になっていますので、是非調べてみて下さい。

この週から次の週ぐらいにかけてはミツバを慣れさせる意味もあって、周回練習で色々な場所を見せるような感じでした。置いてあるターフィーくんのぬいぐるみを凝視したあと振り返って「なんか居る…」と騎手さんに伝える目をしてみたり、花をオヤツにつまんでみたりしていました。


2022年3月28日。

ミツバは10歳になりました。


この短い間にセトノシャトル、トラストと誘導馬の後輩もやってきました。

まだ先輩と比べると、ミツバの付けている馬具はまだまだ少なくありません。

現在は周回練習中にお花を摘もうとすると、騎手さんが手綱でメッ!と止めるので食べていません。振り向いて「なんでダメなの?」と尻尾を振ってムッとしています。かわいいですね。


ミツバは種牡馬にはなりませんでした。

故郷に帰って功労馬として暮らす道もあったかもしれません、でも誘導馬になりました。

誘導馬は現役競走馬よりも出会うチャンスはずっと多くて、ある意味競馬開催日においては日常の一部と感じている方も多いかもしれません。

それでも、誘導馬にも一頭一頭にストーリーがあって、誘導馬になった事を少しでも知ってもらえたら嬉しいです。

そして誘導馬もまた一つの命を持っていて、いつ会えなくなるかは私達には分かりません。だからこそ、今沢山会って、沢山愛したいと私は思っています。


ミツバ、お誕生日おめでとう。

あなたが立派に仕事を務める姿に沢山の元気を貰っています。

どうかあなたが健やかで楽しい馬生をこれからも送れますように。


ミツバのファンより。

2022年3月28日 narin

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