オーダーメイドの傘店から、独自ブランドで唯一無二の傘作りへ
1年半がかりで売場の工事、さまざまな傘のパーツと什器等の搬入、ショールームとしてのディスプレイを終え、やっとこさオーダーメイドの傘店「SUN」の開店にこぎつけた。
とはいえ、オーダーメイドの傘店で終わりではないのだ。今までOEMでハイブランドの傘作りをしてきたが、自分たちのブランドで傘を作って販売したい!という企みもしたためてきた。というわけで、いよいよ次は…PB(プライベートブランドの略)の立ち上げ!ぼんやりとイメージはしつつも具体的な傘のデザイン案はこの時点ではな〜んも浮かんではいない。ただ、一つだけ曲げられない想いはある。それは、大衆受けしなくても良いからレアな傘を作ろう!ということだ。独自ブランドで傘を作ろうと考えた時からこの方向性だけは決めていた。
私自身、この傘が欲しい!と傘売り場を見て思った事がない。
大凡見たことがあるような色や柄、オリジナリティーや傘のキャラにパンチがない。特に紳士傘は似たり寄ったりで違いが全くわからない。クロ、茶、グレー、ワインにボーダー柄、ストライプ柄そしてチェック柄などなど、どの売場を見ても変わり映えしない、面白くないと思っていた。
ウチはメンズ傘を作ろうとはしてないが、レディース用としても今まで見たことないような傘を作りたい。それにPBであるがゆえ、柄も色もすべて自分たちが自由に選んで作ることが出来る。ならば、好き放題やろうじゃないかぁ〜!!
日本初の日本製のカラー傘骨!
そこで…先ず考えたのは傘の骨に塗装してみるかぁ?黒やシルバーの骨では面白くない!ブルーやグリーン、ピンクの傘骨など見たことがない。しかもちゃんと国産、日本製のカラー骨。
普通の傘づくりから考えるとかなりムチャな発想だが、塗装を生業としている日本の会社さん何社かにダメもとで飛び込み電話をしてみた。なんと、その内の一社が、このムチャなこちらの話を非常に丁寧に聞いていただけたのだ。その会社はメガネのパーツなど、小さいものを中心に塗装をしている鯖江市にある会社だった。まぁ〜アッサリと試験を兼ねてサンプル作成してくれるって返事…ありがてぇ〜!!
取りあえず入荷した骨をバラバラに分解することになった。せっかく組みあがっている傘をばらしてから鯖江の塗装会社に送るわけだ。組み立てられた骨の状態では骨の一本一本を綺麗に塗装することはできないから、バラして1パーツごとに塗装してもらうことがカラー骨の美しい仕上がりに大きく影響する。そして塗装されたパーツを社内でまた組み立てる。
いや〜これは…とてつもなく面倒だ!骨をバラして再度組立てるなんてこんな面倒なことは普通は絶対にやらないだろう。私が作業をした訳ではないのだが…文句も言わずにコツコツばらし組み立てくれた社員達よ、スマン。
しかし、この面倒さがウチらしい感じだ。他の誰もやらないからウチがやる!日本製で誰もやる事ではないからこそ、ウチしか出来ない傘が出来るはずだ。これはサンプル上がるのが楽しみだぞ〜!!と、めちゃくちゃテンションが上がる。
動物のお尻を集めたデザイン柄!
コレで骨は決まったが、生地はどうするかぁ!?
どんなデザインの生地、どんな風合いの生地にするか、最終的には社員と相談して決定した。ところが、相談したその社員といったら感性豊かで面白い人間なのだが、言う事がコロコロ変わる。「やっぱりコッチにしましょう」とか「この部分は要らないです」とか後から後からオンパレードで言ってくる。
「こんにゃろ〜」といつも思うがこのやり取りは結構好きなやり取りでもある。あーだこーだ話しながら、通常のアニマル柄じゃないアニマル柄の傘を作ろうとお互いの意見や好みも合った…と思う…知らんけど…。
アニマルだけどリアルアニマルではない、アニマルだけど架空の柄、これならアニマル柄嫌いでも持ってもらえるよな!
正面のアニマル柄はド迫力の1枚張り、更にありえない柄域。もう一つは動物のお尻、ヒップだけのアングルにしてみたらどうか?
こんなアニマルのお尻が集まった柄なんてどこにもないぞ!ゾウ、ハイエナ、ミーヤキャット、ライオン、ゴリラ、フラミンゴ、インパラ、とにかく全部お尻からのアングル!そんなアニマル柄見たことある!?
こ、こ、これは…可愛いぞっ!!
これならアニマル嫌いでも持ちたくなるだろっ!
このアニマルシリーズはかなりの自信作!AARAオリジナル、アニマル柄の幾何模様!
是非見てもらいたい。
私と社員との妙なやり取りの完成形が、この可愛い妙な柄なのだ!
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