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テレビ業界に蔓延る狂気。

 本日(8/23)に放送されたネプリーグで、個人的に違和感を抱いた一場面がありました。批判的な意見を記述しているため、不快に感じられる方もいらっしゃると思います。ご理解ある方のみ、ご一読いただけると幸いです。


 ネプリーグで、ディズニー関連のクイズが出題されていた。形式としては、1チーム5人で、答えが5文字になるクイズに協力して答えるというものだ。3つあるチームのうちの1つに林修先生がいて、自身がディズニーにあまり詳しくないことや、足を引っ張ったら申し訳ないという発言を何度もしていた。最初の何問かは無事正解を出し、順調な様子を見せたが、後半から失速。ディズニー内にある宿泊施設、ホテル「ミラコスタ」が分からなかった。その後、放送は地獄のような展開を見せた。

 他の出演者から「ミラコスタご存知なかったんですか??」「答えは何だと思ったんですか??」と質問され、林先生は「『シーサイド』かなぁと思ったんですけどね、、」と弁明。それに対し他の出演者は「シーサイドって!(笑)」「ミラコスタ知らないなんて〜(笑)」と続けて発言した。

 問題はここだ。彼自身があまり得意としていない分野で、「足を引っ張ってしまったら申し訳ない」と予め十分なほど示していたにも関わらず、その知らない部分が露呈した時に一斉に攻撃を受けたのだ。"攻撃"と認識して言葉を放っていないかもしれないが、一対多の状況で、無知を嘲笑うことは立派な"攻撃"だろう。元々多くの知識を有している彼だからこそ、無知の部分を大きく取り上げられ、他の出演者全員から責められ、笑いが起きたワンシーンとして放送されてしまったのである。この状況で1番の問題は「無知」の捉え方である。クイズ番組はその構造上、正解不正解を判定するものであるから、どうしても「無知」が目立ってしまう。そこで倫理的な観点として「博識」を褒めることで、「無知」が責められることを防いでいるが、今回のネプリーグの一場面では、「無知」を必要以上に責めてしまっていた。

 他の出演者の中で、一際問題視しなければいけないのが、林先生と同じチームで戦っていた千秋さんだ。彼女の言動を見ていると、彼女の考えが次のようであることがわかる。「自分の知っていることを相手が知らないと、相手は異常。自分の知らないことを相手が知っていると、へえ止まり。」あくまで自分の知っていることが主軸で、それ以下であれば批判の対象。それ以上であっても敬うことはしない。そんな様子が見受けられた。自分自身と比較をすることは悪いことではないが、そこに「相手に寄り添おう」という、譲歩する気持ちが皆無であることが問題である。判断基準を主観しか持っていない様子が見ていて違和感につながった。

 クイズ番組が好きで、ネプリーグは昔からよく見ていた番組であったがゆえに、今回のような状況が起きてしまったことが悲しい。お笑い界で人の容姿を悪く言って笑いを取る文化がようやく問題視されるようになってきたこのご時世に、容姿ではなく知識の部分で対象を悪くいうのは本質的に共通していて、何も改善されていない。出演者が林先生の無知を取り上げて責めてしまったことが前提として異常事態で早急に改善されるべきところであるが、それを笑いが起きたワンシーンとして放送してしまったスタッフ側にも責任がある。テレビ業界に蔓延る古い考え方に、そろそろメスを入れなければならない時代だろう。もう令和なのだから。

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