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40代独身女の今後を考える

数か月前、ついに私は40代を迎えた。

子供のころからなんとなくそんな予感はしていたけど、やはりと言うか未だ独身・子なし。おそらくこの先もそれは死ぬまで変わらなさそうである。

30代になったときは

20代から30代になったときは正直ほっとした気持ちが大きかった。

今どきの10~20代はどうか分からないけど、絶賛昭和生まれの私たち世代が10~20代だった頃、さかんに「女子力」という言葉がメディアで飛び交っていたように、女は外見・中身共に男に選ばれてこそ、みたいな無言の圧力みたいなものが強かった気がする。
男の好むかわいらしい服装とメイクをして、料理上手なかわいらしい女の子、なんなら少し頭が悪くても愛嬌がある若い女の子こそ本物の女子で、そうでない人間は異性から選ばれる価値のない人間。
今になって考えればそんなの笑ってしまう価値観だし、男性側だって色んな好みはあるだろうし、ていうかそもそも異性に選ばれるだけが人間の価値ではないし、でも平成ってそういう社会の雰囲気が確かにあったような気がする。そう感じていたのは私だけなのだろうか。

私はそういう世間が提唱する「女子」とはかけ離れた人間で、外見にもコンプレックスが強かったし、それを補うだけの愛嬌もなく、合コンに行けば常に周りを引き立てるだけの存在で、挙句の果てには初対面の男に「幸が薄そうな顔をしている」と罵られたこともあり(これは未だに引きずっている笑)、若い頃は社会が求める若くて可愛い女子力のある女の子になれない自分にすごく引け目を感じていて20代までは正直しんどかった。
だから30代になったとき、もう若くなく、異性にも選ばれない年齢になったから誰の目を気にしなくても好きに自分らしく生きていっていいんだなと感じて、すごく気が楽になった。
実際30代は人間関係にも恵まれて、20代の頃よりもずっと楽しく過ごせた自信がある。

そして10年の月日が流れ、ついに40代突入

巷では人は40代の孤独に耐えられないとの話を聞く。

確かに30代の頃って特に前半は私の身の回りは独身者も多く、結婚していても子供がいなかったりで付き合いに変化はなかったけど、30代後半からグッと友人が減っていき、最近は一人で過ごす時間が圧倒的に増えた。
やはり世間が言っていることに嘘はないのかもしれない。
だから、40代の孤独に耐えることができるか、がもっぱら次の10年の大テーマである。

結婚しなくても幸せになれる時代だけど


話は変わって最近朝ドラ「虎に翼」を視聴している。

日本初の女性弁護士となった主人公の奮闘を見ながら、彼女が生きた昭和初期から未だに変わらない社会の価値観も多いなぁと落胆もしつつ、
しかし今独身で女の私がひとりの人間としてなんとか自立して社会生活を送っていられるのは、こういった先人たちが勝ち取ってくれた権利のおかげだろうな、とも思う。

少し前に某結婚情報誌がCMで「結婚しなくても幸せになれる時代」なんてフレーズを発信していたけれど、職業婦人として日本の先陣を切る朝ドラの主人公ですら社会的地位のために婚姻制度を求めたように、少し前まで日本の大多数が人はそれなりの年齢になれば家庭を持つのは当たり前と考えられていた。
だから、確かに今は結婚しなくても幸せになれる時代かもしれないけど、実際に結婚しないで幸せに生涯を全うした前例がまだ少ないと思う。
私自身この先もずっと独身でいるという確信はあるものの、特に老後〜死ぬまでの幸せに生きていく具体的なイメージがわいていない。

歳を重ねていくことについて

そもそもさっきの女子力の話に戻るようであるが、この国では特に若いことにこそ価値があるとされ、歳を重ねて生きることに対してポジティブなイメージが少ないように思う。
私は外国に暮らしたことがないので他の国ではどうだかわからないけど、
少なくとも日本では特に女性は衰えた見た目を揶揄され、ではお金をかけておしゃれや美容に手をかければ痛いおばさんと言われ、年齢を重ねた女性は肩身の狭い思いをして生きなければならないような印象があるのだ。
だからこれからは歳を重ねて楽しく生きる女性像の発信が社会に求められているのではないだろうか。
私が好きでよく聞いているpodcast番組の「over the sun」なんかも、パーソナリティのお二人が発信するポジティブな生き方がそういう社会のニーズとうまくマッチしているから人気なんじゃないかと思う。

私は有名人ではないのでそんな大それた発信はできないけれど、
少なくとも身の回りにいる下の世代の子たちが私を見て、こういう生き方もそれはそれでありだよね、と安心してもらえるような充実した生き方をこの先40代以降も模索して体現できればいいなぁと密かに思っていたりする。

あとこの先数年で確実に来るだろう更年期についても、あまり情報がなくて漠然とした不安だけが募る。人によって症状も時期も違うというのが特に怖い。同世代と話をするとき割とよくこの話題が出るけど、皆恐怖に打ち震えている。このあたりの知見も後進の役に立てる何かを発信できたらよいかなぁとも考えている今日この頃。

自分だけのために生きる人生でいいのか

それから40代になり特に意識したのは、この先結婚はいくつになっても何かご縁があればする可能性はあるかもしれないけど、子供を産むという行為は物理的にほぼ可能性がなくなったな…ということ。
もともと自分の子供を産み育てるということにそこまで興味がなかったものの、やはり同世代が子供のために一所懸命働き家庭と仕事の両立に悪戦苦闘している中で、自分一人だけのために生きている人生っていうのはなんか薄っぺらいような気もしているのも事実。

ということで40代になったことをきっかけに、国内外の子どものために活動している団体へ毎月少額ながら定額寄付を始めた。
自分が生んだ子供がいないなら、世の中で助けが必要などこかの子供たちのために力を貸せればそれでもいいんじゃない?と思いついたので。
と言いつつ今は本当に少額なので恥ずかしいけど、この先自分の収入がある限りは細くても長く続けていくこともこの先の目標の一つになった。


以上が数か月前に40代を迎えた今考えていること。
ぶっちゃけ40になったからといって、39までの私と何か劇的に変わったものがあるわけでもないんだけど、例えば病院の問診票とかで年齢を記入するときにドキッとする瞬間があるくらいには、自分にとってはインパクトのある節目ではある。
また10年後、「40代なんだかんだ言って楽しかったな~」と振り返っていられるように日々を大切に積み重ねていきたい。

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