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佐倉高等学校記念館/鹿山文庫(千葉県佐倉市・京成佐倉駅)

佐倉市にあるミュージアムはほとんどが攻略済みだと思っていたのが、実はまだ行っていない場所があるということを知って、千葉県立佐倉高校の中に記念館があるという情報を聞きつけて見学することに。正門を入って左手の道を進んで行くとすぐに見えるレトロな建物が佐倉高等学校記念館である。

東武浅草駅などを手がけた久野節による設計による国の登録有形文化財として指定されている佐倉高等学校記念館は、正確には現在も高校の施設として使用されており外観しか見ることができない。ミュージアム機能は正門を入って右手にある地域交流施設の方に存在する。記念館ほど特徴的ではないにしてもサイロ状の面白い形をした建物になっていて、こちらに鹿山文庫の資料室が入っている。

鹿山文庫の資料室

街中に城跡が残されているなど江戸時代には佐倉藩が統治していた佐倉市。佐倉高校は藩主の堀田正順により佐倉藩藩校として作られた佐倉学問所、長じて温故堂を前身としている。温故堂では儒学、医学、武術、兵学、砲術などを教えたという。堀田正睦の代になり名称は成徳書院という名前に変わり、積極的に藩政改革を行った開明的な藩主の元で西の長崎、東の佐倉と呼ばれるほど学問に力を注いだ土地であったという。

コンパクトだが資料が豊富

展示室では儒学の象徴でもある孔子像が展示されているほか、佐倉藩は蘭学を採り入れた藩としても当時は珍しく、蔵書として『ホッタイン博物誌』、『ハルマ和解』、『ドウーフ・ハルマ』、『和蘭字彙』、『訳鍵』といった辞書がある。これらの書籍をまとめて蔵書しているのは全国でもここだけで、これらをはじめとした多くの古書籍のことを「鹿山文庫」としてまとめて展示室の中央のガラスケースの中で紹介している。他にも医術では『モスト医事韻府』、『リセランド人身病理』などの教科書をもとに学問が隆盛し、後の順天堂大学の礎を築いた佐藤泰然が佐倉に招かれて移り住んでいる。

佐倉市といえば堀田家なのです

面白いのは展示室の一角にある長嶋茂雄コーナー。現役時代の道具などが展示されている。いわゆる日本のプロ野球界において「ミスター・ジャイアンツ」と呼ばれ、戦後のプロ野球界の中心にいたと言っても過言ではないこの選手の出身がこちらの佐倉高校。前身である佐倉一高で野球部の主将を務め、立教大学では4番打者、プロ野球では読売ジャイアンツに入団したその年に本塁打王・打点王といった二冠を獲得して新人王となり、その後はV9と呼ばれる読売ジャイアンツの黄金期の中心人物となった。まさかの孔子や堀田藩主たちと並んで長嶋茂雄。トイレは和式と洋式。

いわゆるひとつの略


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